チーズの大理石
昨日書いた「パスタフィラータ」のハナシですが、この製法で造られたチーズでおそらく誰もが食べたことあるチーズが、
さけるチーズ。
モッツァレッラなどと同じように、カード(チーズになる前の、ミルクを固めて水分を抜いたもの)に熱湯を加えて、練って伸ばして繊維状にした生地を一定方向にまとめて固めたチーズです。
「さけるチーズ」は商標登録されてるのかな?
一般的にはストリングチーズ(string cheese)と呼ばれます。
ほら、これなら、裂いたり結んだりして遊びながら食べたことある人、いるでしょ?
食べ物で遊んではいけませんって^ ^
でも、味だけじゃなく、楽しみながら食べられるのっていいですよね。
細かく裂いて、盛り付けも華やかにできたりしますし。
独特な製法で、見た目が楽しいチーズはこんなものもあります。
Porter ポーター
アイルランドで造られるチーズです。
これは、チーズを円柱形に成形した後、
黒ビールのプールにドボン
と漬けこみます。
でも、黒ビールに漬けこむからって、こんな風に模様をつくって中までビールが染み込みません。
これは、チーズの造り方に秘密があります。
大理石のような模様ができるのは
成形したチーズに不規則な隙間があるから。
その隙間に黒ビールが入り込むから、こんな模様ができるんですね。
だから、人為的な模様じゃないんです。
そして、この模様を作るために敢えて隙間を作る造り方をしているわけでもないんです。
この不規則な隙間ができるように造るチーズ、
最も有名で代表的なのが、
チェダー
です。
この製法、チェダリングと言う造り方になります。
カード(ミルクを固めて水分を抜いたもの)をある程度の塊に切った後、温かいバットの中で積み重ねてたり反転したりしながらpHを下げていきます。
ある基準までpHが下がったら、細かく裁断して塩をまぶして型に入れて成形します。
成形した後プレスしますが、水分が抜けたカードなので、細かいカード同士が完全にくっつくことなく、出来上がったチーズはボロボロとしたテクスチャーなのです。
先日、ひっさしぶりに、
West Country Farmhouse Cheddar Cheese
本家本元のチェダーを食べました❤️
コレ↑ですが、切り口、ボロボロしてるでしょ。亀裂があったり。熟成若めでもこんな感じです。
アイルランドはかつて、長い間イギリスの植民地だったこともあり、文化も経済もイギリスの影響を大きく受けています。
チーズ造りも例外ではなく、アイルランドで造られるチーズはほとんどチェダー。
だから、ポーターが出来上がるのですね。
ちなみに、「ポーター」はアイルランドで造られる黒ビール。
ビールの名前でもあり、チーズの名前、なんですね。
マイルドなチーズに黒ビールのコクが加わって、ビールの風味がすると言うより
濃厚なコーヒーみたいな香り
です。
黒ビールに漬けこむからクリーム色×こげ茶色ですが、
赤ワインに漬けこんだ妹ちゃんもいて、
クリーム色×ボルドーで、上品な色合いに見た目も楽しいチーズです。
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