サラセン人の、置き土産
チーズを勉強してると、
世界地理や気候を勉強するのはわかるんだけど、世界史まで出てくるのはちょっと困った。
カタカナが苦手で世界史を避け日本史を選んだ私としては、「トゥール・ポワティエの戦い」と言われてもピンとくることもなく、
"波に乗れないサラセン人(732年)"と、懐かしのゴロで年号を覚えました。
もちろん、「思い出す」のではなく、教えてもらって初めて聞いたわけですが。(中学くらいでやったのかもしれないけど、嫌いな世界史、1㎜も記憶にない)
世界史の勉強じゃないので、それがどんな戦いだったのかは未だに知りませんが、
この戦いで負けたサラセン人(どこの人?)が、連れてきた山羊を置いて敗走した、ということは知ってます。
フランスのロワール地方がシェーヴルの一大産地になったキッカケです。
サラセン人さんは、メーメー山羊さんとチーズの造り方を地元ポワトゥー地方の住民に残して国に帰って行ったわけですが、
そこで未だに造られているチーズが、
Chabichou du Poitou
シャビシュー・デュ・ポワトゥー
これもまた、先日の講義の際のテイスティングで使ったのですが(旬ですからね、旬)、
実は初めて食べました。
今まで食べたフランスのAOPのシェーヴルの中で(ほぼ食べたけどまだ全部は食べれてない…)
一番好きかもー!キャー❤️
強すぎず弱すぎない、シェーヴル特有の香り。
爽やかな程よい酸味。
その酸味を殺さない程度の滑らかなミルクのコク。
つまり、品があってバランス良しのヨシ子さん、なんですわ。
酸味がしっかりしたCrottin de Chavignolは、酸味がしっかりしたサンセール(白ワイン)がピッタリですが、
程よいコクもあるシャビシューは、燻した香りがしっかりめのピュィイ・フュメ(白ワイン)が最高でした❤️
世界史の中に、今食べてるチーズがあるわけで、学生の頃は全く覚えなかった歴史上の出来事をチーズを通して私の中にガッチリインプットされました(どんな戦いだったかはやっぱり知らないけど)。
ところで、
カタカナ嫌いでよくチーズなんて覚えたね、勉強したね、ってことですが。
チーズの前にワインエキスパートを取ったのでそこでカタカナ免疫はついたのです。
でも、ワインの時は…マジ泣きそうでした。
スクールに通い始めてからカタカナばかり出てきて「そういえばアタシ、カタカナ嫌いだった!どうしよう(TT)」って先生に泣きついたら、「だったら原語で覚えれば?」と言われたこと、きっと死ぬまで忘れません…(。-_-。)
アルファベットの方がもっと嫌いだー!
仕方なくカタカナで覚えましたが、必死。
だってアタシ、「カベルネ・ソーヴィニヨンだっけ?カルベネ?あれ?」ってなっちゃう人なんですよ。
徳川15人の順番とか覚える方が私的には楽。
音で覚えるのが苦手なんですかね。
その点漢字はひっくり返ることがないし、視覚の印象で覚えられるのかも。
免疫ついたとはいえ、ひっくり返りそうになる時は絵を思い浮かべてました。
例えば「カブラレス」というスペインのチーズ。「カラブレス」になりそうだったので、蕪(カブ)の絵を頭に描いて覚えました。
幸い、ワインもチーズも大好きだったので、苦手を克服できたけど、
改めて、
「好きになる」って、
すごいことなんだなと思う。
今ならアタシ、世界史よりも何十倍も何百倍も嫌いだった「化学」も勉強したいと思うもん。
ワインやチーズに出会わなかったら、化学に興味を持つこともなかったはず。
世界が広がるのは、悪いことではない。
#シャビシューデュポワトゥー #シェーヴル #好きになるってすごいこと
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