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柳(やなぎ)

良い天気でした。暦ではまだ晩春にあり、初夏というには薄色の季感ですが、緑したたる柳の新葉が風に吹かれるのを眺めているだけで、胸の元まで夏のさざめが降りてきました。こうして花木を見るたび心気まで澄んで思えるのは、色に富んだ今時季と、秋のはじまりくらいでないかと思います。

うらもなく我が行く道に青柳の 張りて立てれば物思ひ出つも
よみ人しらず

これは「なんとなく歩いていたら、道に青柳が芽吹いていて、ふとあなたのことを思い出してしまいました」という歌。

花を見て思い出す人があるのは、自分においてもそうですが、柳をみて思い出す人、誰かいたかしら。思いつかずですが、しかしも鮮緑が美しい。眼には柳、季節の交差点、立ち止まってる今ここです。

良い週末を。

ヤナギ 花言葉「思いのまま」

吹かれさわがぬ柳かな


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