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七月雑感

「六月みそかは年のへそ」そんな言葉をちらつかせ、今年も折り返しか、なんて過ごしたあれから、更にひと月経ちました。この時のすぎゆく速さ、気持ちはずっと置いてけぼりです。

旧暦六月は「水無月(みなづき)」とよび、それは梅雨のまんなかあたりから、梅雨明けあとの盛夏の頃をいいました。

田んぼに水を引くことから「水の月」とも、そのせいで「水枯れ月」「水無し月」といったとの語源がありますが、昨今のこの時期は、降れば乱暴、降らなきゃ枯渇、もはや「水悩みの月」といったほうがあうのでは、そんなことを思います。

こうして花や天候、季節の折々を書き続けてますと、たとえば6年前の今ごろ、10年前のこの頃に、何の花が咲き、どんな雨が降り、何を感じて過ごしていたかに振り返ることができ、ときに重宝します。

ただ、ここまでの猛暑を感じて過ごしていたことは無かったことにも気づかされ、このままでは東京の夏の景色から、人ばかりか植物までも消えてしまうのではと、心配になりますね。

そういえば、以前に九州にうかがったとき、家の塀を埋め尽くすほどの朝顔に出くわせ、ぎょっとしたことがありました。琉球朝顔(ノアサガオ)です。

関東で育った自分には、子供の頃の観察や、朝顔市のなごりを、その花らしさとみていたものですから、あんな大きく主張した朝顔があるなんて、その青色の美しさとともに、とても驚いたことを思いだします。

この頃は、さほど珍しくもなく、東京でも見かけるようになりました。けれど花に出会うたび、いよいよ東京も亜熱帯になったのかしらなんて複雑に、思い眺めるこのごろです。

今日もいちりんあなたにどうぞ。

琉球朝顔 花言葉「愛情の絆」

ノアサガオ

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フラワーギフト専門店 「Hanaimo」 店主
普段はお祝いやお悔やみに贈る花、ビジネスシーンで贈る花の全国発送をしている、花屋の店主です。「あなたの想いを花でかたちに」するのが仕事です。since2002
https://www.hanaimo.com/

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