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花蘇芳(はなずおう)

過ぎ行く時をとらえよ。
時々刻々を善用せよ。
人生は短き春にして、人は花なり。
サミュエル・ジョンソン

朝起きぬけにテレビを付けましたら、スタジオ装花のなかの鮮やかなピンクが目に飛び込んでき、おかげで眠気が覚めました。花蘇芳(はなすおう)です。

直立する枝を小さな蕾が柔らかに包むその容姿が、まるで枝全体が一つの花であるかのように群れて咲く花蘇芳。桜には負けんとばかりに放つその色鮮やかな色が、古代の赤色染料に使われた蘇芳(すおう)の色に似てるため、この名がついたといわれます。本来の蘇芳色は、深く渋い赤で、古代には最高級の紫に次ぐ上位の色とされました。いま見る色なら「えんじ色」が近しい色です。

春にみる花木のピンクにも様々ありますが、そのなかでも、こんなにも鮮やかなのは、この花が一番じゃないかしらと思います。桃や海棠など、ほかの花が桜に見まがうことがあっても、花蘇芳にはありませんもの。遠目に見ても雄々しき姿、この主張といい、そう。この花ばかりは、ますらおぶりな花木なのです。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ハナズオウ 花言葉「めざめ」

あざやかな紫紅色に目が覚めた

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