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小春

玉の如き小春日和を授かりし 松本たかし

昨日はふたたび暖かな一日になりました。11月は凩にはじまり、寒い日があったかと思えば急に春のような陽気がやってき、またいっそう寒くなり、と小春をはさみながら冬を深めていく月です。

この冬の初めの「小春」に対して、夏の初めには「麦秋」がありました。

麦秋(ばくしゅう)は初夏のころ、麦にとっては収穫期の「秋」なことからついた季節の異称。今や麦秋と聞いて小津を想起する人もそう多くないと思いつつ、思い出しては懐かしい。そして小春ほどのなじみはなくとも、日本の情景をよくとらえたいい名称と思います。

さて小春。古くは徒然草の中に「十月は小春の天気」と記されているとも知りました。陰暦の10月ですからちょうど今の頃でしょう。ふたたび虫が顔出したり、時ならぬ花が咲いたりする、これも小春の便りです。

しかし日中の陽気とはうらはらに、日暮れるとまた急に冷え込みますから。暖かにしてお過ごしくださいね、おだいじに。今日もいちりんあなたにどうぞ。

サクラ 花言葉「わたしを忘れないで」

返り咲きの桜




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