「La fée 」歌詞の和訳
ZAZ
アルバム『Zaz』
Written by: Raphaël
リリース:2010年
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Moi aussi j'ai une fée chez moi
Sur les gouttières ruisselantes
Je l'ai trouvée sur un toit
Dans sa traine brûlante
C'était un matin, ça sentait le café
Tout était recouvert de givre
Elle s'était cachée sous un livre
Et la lune finissait ivre
私の家にも妖精がいる
雫滴る軒の上
屋根の上に見つけた
ドレスの裾が燃え盛るなか
朝だった コーヒーの香りに包まれて
すべてが霜で覆われていた
彼女は本の下に隠れている
終いに月は酔っぱらった
Moi aussi j'ai une fée chez moi
Et sa traine est brûlée
Elle doit bien savoir qu'elle ne peut pas
Ne pourra jamais plus voler
D'autres ont essayé avant elle
Avant toi une autre était là
Je l'ai trouvée repliée sous ses ailes
Et j'ai cru qu'elle avait froid
私の家にも妖精がいる
ドレスの裾は燃やされてる
自分にはできないと彼女はよく知っているはず
もう二度と飛べないって
他の人たちは彼女より前に試した
あなたの前には誰かがそこにいた
彼女が羽の下でうずくまるのを見た
寒かったんだろうと私は思った
Moi aussi j'ai une fée chez moi
Depuis mes étagères elle regarde en l'air
La télévision en pensant
Que dehors c'est la guerre
Elle lit des périodiques divers
Et reste à la maison
À la fenêtre, comptant les heures
À la fenêtre, comptant les heures
私の家にも妖精がいる
棚から彼女は上の空で
テレビを見ている
外は戦争だと考えながら
あれこれ雑誌を読み
家から出ない
窓辺で、時間を数えながら
窓辺で、時間を数えながら
Moi aussi j'ai une fée chez moi
Et lorsqu'elle prend son déjeuner
Elle fait un bruit avec ses ailes grillées
Et je sais bien qu'elle est déréglée
Mais je préfère l'embrasser
Ou la tenir entre mes doigts
Moi aussi j'ai une fée chez mo
iQui voudrait voler mais ne le peut pas
私の家にも妖精がいる
昼ごはんのとき
音をたててその羽が焼け落ちた
彼女は狂わされたのだ、よく知っている
でも私は彼女にキスしたいし
それか指の間に引き留めておきたい
私の家にも妖精がいる
彼女は飛びたがっていた けど無理なんだ
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「La fée 」
この単語を辞書で引いてみると
と出てきます。(プチロワ第四版より)
妖精と言うと私はまずティンカーベルを連想するのですが、ヨーロッパの伝承に伝わる「妖精」となると、妖精より「妖怪」という単語のほうがしっくり来るものも多いですよね。
「ハリーポッター」のトロールとか。 (もはや妖怪より怪物だ) ジブリでおなじみ「トトロ」もトロールに由来する名前です。
ただ、ここでのLa fée を想像するのに (もちろん、何を想像しようと自由です) ヒントになると思われるのが、「La Belle au bois dormant(眠りの森の美女)」に登場するこちらの妖精たちです。
彼女たちは「魔法使い」と訳される場合も多いですが、フランス語にすると「Les trois fées」、招待されなかったカラボス(マニフィセント)に関しては、上の辞書にも「fée carabosse (鬼ばばあ)」として登場します。
しかし、何を想像しても自由なのです。
妖精って、なんだろう。
何かのメタファーだろうか。
それは具体的な誰か、かもしれない。
「子供のときにだけあなたに訪れる不思議な出会い」のあのヘンな生きものかもしれないし、
小さい頃は不思議に夢を叶えてくれた、ユーミンのあの歌に出てくるかもしれない。
翼の折れたアレかもしれない。
明るく可愛らしい雰囲気の曲調ですが、歌詞を見てみると意外とその内容はダークでどこか切ない。
私の家にもこの飛べない妖精はいるのです、
たぶん。