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虚史平成

平成16年に起こった球界再編問題。
皆さんご存知のとおり、近鉄とオリックスが合併して、新たに新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」が誕生したんですけど実はボクも新球団参入させようとしてたんですよ!!!!
もうこれ、ジャイアンツのオーナーのナベツネにしばらく口止めされてたんですけど20年経ったんで時効でしょ?喋らせてもらいますわ。
そもそもボクは、20年前にアルビオンってIT関連の会社の統括部長させてもらってたんですよ。
今もうアルビオンはだいぶ大きな会社なったんで、たぶん関東の方は駅前の看板広告とか地下鉄の車内広告とかで一度は目にしてもらってるかと思うんですけど、当時はまさに新進気鋭のスタートアップの会社だったんですわ。
そこで、もう亡くなってしまったんですけど当時の創業社長が大の野球好きで。
球界再編問題が出た時、いきなりボクのことを社長室に呼び出して、「なぁ、魁。俺、球団やりたい。新潟でプロ野球が観たい。」そう言うんですよ。
社長はずっと新潟の米農家で育って、野心を持って上京して会社を経営するようにまでなったので少しでも地元に恩返しがしたいみたいな気持ちがあったんでしょうね。
そんな事情も知ってたんで、「社長。やったりましょう。球団作りましょう。」って当時ボクも30代半ばで一番脂の乗っていた時期だったんで息まいて息まいて。
チーム名は新潟アルビオン・ライスパワーズ。
「社長、ライスパワーは流石にださくないですか?」って一応言ったんですよ?言ったんですけど、そしたら社長が一喝して。「米があったからいまの自分があるんや」と。
鬼気迫る顔にボクもなんか説得されちゃって。
んで、ボクも統括部長だったもんですからそこからは必死にスポンサー集めをしたり、球場探しで行政にかけあったりしてたんですけど,ライバルが何社かいたんですよね。
ホリエモンのライブドアフェニックス、三木谷社長の楽天イーグルス、そして名前出すことできないんですけど皆さん知ってるような有名な会社があと3つほど参入しようとしてたんですよね。
そこに我らがアルビオン・ライスパワーズ。
ちなみに、楽天イーグルスに決まった経緯って報道とまったく違いますから。
日本プロ野球ってもうガチガチの縦社会ですから。先輩オーナーがシロといえばクロでもシロなんですよ。
んで、ある日都内の某ホテルに自分を含めて参入候補の代表者が集められて。
そしてある球団オーナーがこう言ったんですよ。
「今日この中から参入する球団を決めます。どうやって決めるかはパワプロです。」
耳疑いましたわ。偉い人ってなに考えてるかほんとようわからんですよね。
参入候補同士でパワプロトーナメントをして、優勝した人が正式にプロ野球に参入できると。
ボクも意外とゲームには自信があったんで、順当に勝ち進んだんですよね。
とうとう決勝までいって、ここ勝てば新潟にプロ野球が持ってこれる!と思ったんですけど、決勝の相手が三木谷社長だったんですよ。
ボクと三木谷社長のパワプロの実力は五分五分。最終回まで同点で,9回裏の三木谷社長の攻撃で三木谷社長がホームランを打ってサヨナラ勝ち。それで楽天イーグルスのプロ野球参入
が決まったんですよね。
ちなみにこれはほんと時効というかまあ昔の話なんですけど、三木谷社長の部下が最終回にボクの球種、なに投げるかを三木谷社長にどうやらバラしてたらしいんですよね。
これがなければもしかしたらボクが勝ってたかもしれないんで野球界の歴史が変わってた可能性もあったんですけど、歴史に「もし」はないですからね。
これが新球団誕生の裏側でした。

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