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猫氏との暮らし65日目

猫氏と暮らし始めて65日がたった。

先月、保護の時にお世話になった方々に近況を報告した際、猫氏のお腹の大きさが気になる旨のコメントがあった。
食欲もあるし、おもちゃを追いかけまわし、ジャンプもたくさんして
ずいぶん元気にみえたが
そう言われると、私も気になるようになっていた。

保護をしたのが8月中旬だったので、10月末までは妊娠の可能性も捨てきれないでいた。
その期間を何事もなくすぎ、今は肥満か腹水を心配していた。
保護の時にも獣医さんへ行ったが、その時の血液検査の結果は、腎臓と肝臓の数値が若干よくなかったので(投薬なし、経過観察)
特に腹水を心配していた。

10月に洗濯ネットにいれて、獣医さんへ行こうとしたが、二度失敗し
憤慨されたので、あきらめた経緯がある。
その後、大きめのキャリーケースを購入し、キャリーケースの中でおやつを食べてもらうことを2週間ほど続けてならし、今日は満を持して臨んだ。

いつも通り、おやつを準備して
キャリーケースの奥へ入れる。
猫氏は、すんなり中に入った。
静かに扉を閉めると、

猫氏は大きな声で鳴き始めた。
いつもの高めの声と違う猫氏の声に、私はドキドキして仕方なかった。

大きなタオルでキャリーケースを覆うと、程なくして猫氏は静かになった。
壁にぶつけないようにして、丁寧に
かつ迅速に車へ運ぶ。
エンジンをかけて、前もって調べておいた(電話もしてあって、洗濯ネットなしと元野良猫の旨お伝えしてあった)獣医さんへと向かった。

獣医さんでは、猫氏は怯えて少し鳴いたが
威嚇などはしなかった。
ネットにいれてもらい、二人がかりで抑えてもらうことになったが
エコーも採血もできた。

私はただ見ていることしかできなかった。
猫氏の頭の方をおさえてくださっていた看護師さんが猫氏に掛ける声音のやさしさが
印象的だった。

終わると猫氏はキャリーケースに滑り込んだ。

結果は、腹水なしで、お腹の膨らみは脂肪とのこと。でも3.5キロとそこまで肥満ではないとのことだった。
血液検査結果も良好な結果だった。

帰りの車で不覚にもすこし涙が出た。


家に帰って、部屋の真ん中へキャリーケースを置き、扉をあける。
猫氏は出てこなかった。
しばらくして、腰を落とした姿勢でケースを出ると、キッチンの隙間にはいっていった。

ずいぶんたってから
いつも居るキャットタワーの下をバスタオルで囲んだ所に落ち着いた。

行く前に入れたオヤツは食べていなかったので、お皿にいれて置いたが
夕方になるまで猫氏は手をつけなかった。

猫氏は、夜になってようやくご飯を食べ
少し遊び、キャットタワーの下から出てきて眠るようになった。
落ち着いてきたようだった。

おつかれさまでした、とごく小さく声をかけた。

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