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【ゲームレビュー】九日 NineSols


0.九日 NineSols

Steamストアページ:https://store.steampowered.com/app/1809540/_/
発売元:RedCandleGames
発売日:2024/05/29
価格:¥3,400
プラットフォーム:Steam
プレイ人数:1人
ジャンル:2Dアクション
※Steam上のタグに、アクション・メトロイドヴァニア・ソウルライク


1.前置き

1-1.現在のプレイ状況

ノーマルモードで真エンドまで達成済み。
実績は30/35で残り5つ。これは既に回収できなくなった実績です。
どうやら1つのセーブデータだけでは全実績は達成不可なようですが、
残り5つの実績は高難度だから取れない、というわけではないようです。

2.世界観とゲームシステム

2-1.世界観

中国における宗教である「道教」と「スチームパンク」を組み合わせており、中国風の建築物の置物などと、未来的な機械達がうまく調和しており、NineSolsでしか味わえない世界観「タオパンク」を構築していると感じました。
また、発売元のRedCandleGamesは台湾のゲーム会社で、
過去作に「返校」「還願」といったホラーゲームをリリースしています。
※私は未プレイ

これらのゲームは高く評価されているようですが、
おそらくそのホラーなテイストも少しNineSolsにも反映されているようでした。
ただ、本作については終始ガッツリとホラーしているのではなくて、
極一部のステージにてちょっとした脅かし演出、不気味な演出がされるくらいで、ホラー苦手な方も問題なくNineSolsの世界に漬かれると思います。

2-2.メトロイドヴァニア形式の探索2Dアクション

このゲームはメトロイドヴァニアと呼ばれるジャンルのゲームです。
メトロイドやキャッスルヴァニアのシリーズのような形式です。
はい、実は私はメトロイドもキャッスルヴァニアもやったことはなく、
同ジャンルの他ゲームはエンダーリリーズしかやったことない体たらく。
2Dアクション苦手なんですよ本当に。

マップで区切られた箇所はおおむね大体いつでも行き来でき、
最初は行くことができなかった場所でも、二段ジャンプなどのアクションが解禁される度に探索可能な箇所が増えていく。という感じ。
そこで手に入れたアイテムや装備で強化したり、サブイベントに影響があったり、読み物として追加されたり…というものです。

さて、私は同ジャンルでエンダーリリーズをクリアしたと記載しました。
このゲームも大変美しい世界と儚い音楽が合わさり、アクションもよい。
素晴らしいゲームなのですが、探索部分はやや意地悪だなと思いました。
が、メトロイドヴァニア初体験の私は「こういうもんなのかな?」程度に思っており、どうしても見つからない箇所は攻略に頼ってしまった過去があります。多分ネットがなければフルコンプで来てないと思います。
一方、NineSolsの探索は全て独力で見つけることができ、隠されていながらも割とわかりやすい配置になっていました。
探索において苛立つ仕掛けも少なく、詳細マップには行っていない箇所も示され、未入手のアイテムがマップに幾つあるかわかるようになっています。
探索に歯ごたえが無いわけではなく、あくまでエンダーリリーズと比べて意地悪な配置が少なかったかなという感じです。
ここはおそらく、プレイヤーによって何を求めているかで評価が変わるところなのでしょうが、私は探索よりもアクションしたい、ストーリーを楽しみたいと思っていたので、探索が比較的容易なのはいい塩梅だと感じました。
決して探索がつまらないわけではなく、もともとメガテニストである私は全てのマップの全てのアイテムをコンプすることに快感を覚える癖(ヘキ)があるので、ちゃんと探索部分も楽しめたことも添えておきます。

2-3.パリイ主軸の高難度アクション

一番初めにSteamのタグを書いていますが、そこに記載の通りソウルライクのゲームです。開発元もフロムソフトウェア発売のSEKIROにインスパイアされて戦闘システムを作ったと明言しているほど。……と書いておきながら、私はソウルシリーズだけでなく、フロムソフトウェアのゲームを一切やったことがありません。
なぜ、どのゲームも評価の高いゲームを、茶臼山トートはプレイしていないのか!?お前の趣味はゲームじゃなかったのか!?
理由は単純、難しそうだから。
難しいゲームも面白いんです。でもクリアできなければ仕方ありません。やるからには、最後まで楽しみたいんです。
私はアクションゲームが苦手ですが、特に3Dアクションが苦手で、ベヨネッタをなんとかクリアできる程度。
(ベヨネッタ2も持っているけど3D酔いで封印。3D酔いするかも、という懸念もあって3Dアクションは敬遠している部分もあるかもしれません)
SEKIROも動画などみて面白そうなゲームだな、と思いつつも、あまりにも難しそうで自分ではプレイする勇気はありませんでした。

閑話休題。
NineSolsはそんなSEKIROにインスパイアされたゲームです。
SEKIROはチャンバラのように敵の攻撃を刀でパリイし、有利を作っていくゲームです。これは格闘ゲームでいうジャストガードのようなもの(だと思う)で、成立すれば有利に、逆にできなければ死という印象を動画で受けました。
NineSolsもパリイを主体としたアクションになっており、ほぼパリイ必須。エンダーリリーズでは敵の攻撃を誘って回避で裏回りし、敵の攻撃モーション中に攻撃を当てる。という手段で私はやっていたのですが、これはNineSolsでは全く通用しない
敵の攻撃を真正面から見据えて、攻撃の予兆を見てしっかりパリイを決める。これです。
パリイは少しタイミングがずれるとガード、もっとずれると手痛いダメージを貰います。しかし、パリイ成立、もしくはガードをすると「気」というゲージをためることができます。この気を使って、敵に呪符を張り付けて大ダメージを狙う。これがNineSolsの戦闘の基本であり、ほぼすべてなのだと思います。
敵の激しい攻撃をパリイで無効化し、隙を伺って呪符を張り付けて攻撃する。この流れが最初から最後まで付きまといます。
でもそれって単調なんじゃない?って思うかもしれませんが、そんなことはなかったです。
敵の攻撃にも種類があり、それによって対応するパリイをしないと弾けない。敵の攻撃も非常に多彩で、しっかり見ないとあっという間に。非常に緊張感のある戦闘……なのですが、うまく弾いて、溜めた気を呪符で一気に解放する。これが本当に爽快感がある
パリイが完全に成立すると、銅鑼のような音で「ゴイーン」と音が鳴り、リズムゲーのような楽しさもあります。生放送では集中しっぱなしで殆ど喋ってなかったですが、戦闘中、「ハイ、ハイ、ハイハイ」「1、2、1、2、3…」のようにリズムを口で言いながら戦闘してました。お恥ずかしい。

3.評価

3-1.難易度について

上で書いたようなシステム、難しいと思いますか?
私は書いててこんなゲームできんのか?アクション下手くそな上に反射神経おじいちゃんなんだぞ?と思っていました。

めっちゃ難しいです。
が、未プレイですがおそらくSEKIROほどではないのでしょう。
3Dゲームの敵は目の前の敵だけでなく、カメラさんがいます。
カメラさんは敵です。決してプレイヤーの有利な方向に向いてくれません。
同じようなシステムだったとしても、3Dと2Dでは大きく異なるのです。
個人的に、敵にやられるのは苦ではありません。勝てるまで挑戦するマインドでゲームをやりますから。ただ、カメラさんが死因なのは少しイラっとするんですよね。

難易度の話に戻ります。
正直、恐らく総デス回数は100を超えているでしょう。
同じボス戦で1時間くらい詰まることもあり、これ本当に私はクリアできるのか…?と何度も思いました。
ですが、段々と対処法が分かり、タイミングを掴み、なんとか強敵を倒すことができ、なんとかクリアすることができた次第です。
人によるのでしょうが、多少死にゲーに慣れている人ならば問題ない難易度だと感じました。
私は大きくストレスを貯めることなく、楽しいと思うまま、爽快感と達成感を得られる程よい難易度と認識しています。
ただ、これは2Dアクションはカービィ(真格ギリギリ)くらいだぜ!という筆者の感触なので、人によってはヌルゲーと思ったり、無理ゲーと思ったりするものかと……。

なお、このゲームにはノーマルモードとストーリーモードがあり、
ストーリーモードでは与ダメ、被ダメの倍率をいじれるそう。
タオパンクの世界観を楽しみたいのであって、アクションを楽しみたいわけじゃないんだよ!って人はストーリーモードでどうぞ!
ストーリーモードを使えば自分にちょうどいい難易度にできるかもしれませんね。
ただ、アクション下手くそ、反射神経おじいちゃんな私でもクリアできたので、きっと誰でもできます。難しければ難しいほど、達成感も得られます。その分、エンディングを迎えた時の感動もひとしおのはずです。
※上記の感想はノーマルモードで真エンディングまで達成した際の感想です

3-2.ストーリー

上記記載した通り、このゲームは道教のエッセンスが加えられています。
ところどころ哲学的であったり、登場する人物それぞれに異なる考えや至るべき「道(タオ)」を持っています。

主人公である羿(げい)ストーリー冒頭では復讐の道へ走ろうとしていますが、桃花村の住人である軒軒(けんけん)や神農(しんのう)、友人である夸伏(こほ)、それと様々な敵とのやり取り、そのバックグラウンドに触れるにつれ、選ぶ道が変わっていきます。
私は宗教について、特に難しい考えは持っておらず、信仰する神もおりませんので、深く考えずにお話を楽しもうと考えていました。
どちらかというと、雰囲気とアクションを半分恐怖を感じながら楽しみにしていたので、ストーリーはオマケくらいに思ってたんですよね。

正直泣いたよね
エンダーリリーズのように儚く美しいシナリオとはまた違うのですが…。
やられました。無警戒だったんです。思った以上に登場キャラクター達のことを好きになりすぎていた。

記事内でネタバレはしないつもりなのですので、
私の生放送のアーカイブ及び投稿予定の真エンドの動画を見なくてもいいので、ぜひご自分でプレイしてください。

3-3.音楽

音楽は中国っぽい感じが中心なのですが、やはりサイバーパンクな世界観でもあるので所々ロックであったりテクノであったりします。
が、基本的には静かなんですよね。BGMが大きく主張することはあまりなく、ゲームの雰囲気作りに徹しているといった感じです。

が、その分BGMが大きく主張する部分の盛り上がりが大変良い。
そしてその時のBGMはどれもこれも良い。

また、このゲームには倒すべき大ボスの数が序盤から明言されているのですが、そのボスごとにBGMは異なります。
で、後からサントラ買ってボス戦曲のタイトル見ると、ちゃんとキャラクターの背景に沿った曲名になっている。
で、ラスボス曲の曲名と羿のテーマが対になってるんですよね。そしてまた泣きました。おじさん涙もろいんですよ。
これはプレイして、そしてサントラを買って、確かめて頂きたいので伏せておきます。

3-4.アクション

大変難しく、しかし爽快感のあるアクションです。
所謂操作性が悪い、というのは特に感じたことは無く最後まで走り切れたので、自分の操作がしっかり画面に反映されていてよかった。

あと死にアクションが無いのはいいですね。
強いアクションを覚えたらそれ一辺倒になるのではなく、持っているすべてのアクションを活かして立ち回るのを要求される感じ。
自分にできるのか?と何度も思いながらもできましたし、ボスに対しては毎回理不尽だと思いながらも、少しずつ対応できるようになる。これが大変気持ちいい。
それがボスの撃破演出でも感じられるんですよね。

3-5.キャラクター

敵味方共にしっかりキャラクターが立っています。
中にはコイツ嫌いだな~って感じる方もいるかもしれませんが、私は特にコイツ嫌いだわってキャラはいませんでした。好きなキャラのが多い。

味方キャラでは軒軒、夸伏。
敵キャラでは蚨蝶さんが好きです。

軒軒は最初はあまり好きではなかったんですけど……。
しっかり持っていかれました。
ショタキャラとふくよかなキャラはあまり好きになる傾向になかったのですが、今回は別でしたね……。

3-6.プレイ時間

真エンディング達成まで30時間でした。
値段に対してもまぁこれくらいかなといった感じのプレイ時間。
ただ、やりこみと相性の良いゲーム性だと思うので、やりこもうと思えばもっとプレイ時間も伸びることでしょう。

誰かRTAとか走ってほしいなぁ……。
RIJでNineSols走られたら、その日は酒飲みながら見てると思います。
私?そんな腕は無いです。

4.総評

ストーリー良し、音楽良し、アクション良しの名作だと思います。
お値段もお手頃価格ですし、買って、ぜひ流行らしてほしい。
気に入ったならサントラも是非買ってほしい。
エンダーリリーズも名作だと思いましたが、NineSolsも名作です。
もしかしてメトロイドヴァニアって名作しかないんか?

5.生放送アーカイブ

とりあえず生放送初日だけ。


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