落ちこぼれ東大生が院試に落ちた話(後編)

本記事は、2019年夏実施の院試に落ちた私がその後どう動いて、今どうなっているかという超個人的な自分語りの後編です。
記事が大きいので分割されています。前編・中編をまだ読まれていない方は先にそちらをご覧ください。前編と中編がないと多分この記事わけがわからないです。

前回までのあらすじ

私、落ちこぼれ東大生!
私が院試に落ちたって事は、学科のみんなに内緒なの!
色々あって休学届が出せない危機!?助けて、フォロワーさん!
院試不合格体験記最終編『ヘルプ、フォロワーは情報通!』
来週も、試験にドロップドロップ☆

君だけに教えるよ!(合格発表日夜)

休学して21卒就活と心を決めたのにも関わらず、面談で判断を狂わされた結果「研究生ってどうなの秋インターンって本当に行けるもんなのもうよくわかんね」状態になったため、これは一人で悩める範疇を超えたと直感的に思いました。
そのため知り合いに向けて「誰か助けて」の意味も込めてTwitterで事の次第を連続でつぶやきました。

本郷三丁目駅のホームのベンチに座って、電車を何本も見送りながら真顔でスマホを握ってツイートしてました。以下内容まとめ。

17:40
・院試に落ちました
・落ちたら休学して21卒就活をするつもりだったんですが教授に止められました
・当初の予定では休学中の秋は就活準備のためのインターンを探して行くつもりでしたが、休学は履歴の傷だから卒論を書いて来季は研究生として大学に残れと言われました
・休学届を出すなら明日までだということ
・研究生についてと、秋に応募できる長期インターンについて情報を持っている方がいればどんな手段でもいいので連絡をください
・ちなみに冬院試は受けません

ちなみに全部ツイートし終わったのが18:05。これだけのことを伝えるのに25分かかっているあたり結構消耗してたんだなあと今になって思います。

そうしたらサークル同期や先輩から結構返信や情報をいただけました。以下内容をある程度ぼかして主たるものを列挙します。

18:06
エンジニア系の長期インターンだったら冬でもやってるよ
18:11
知り合いの先輩に研究生を1年している人がいるけど、ラボ内の立場はそれなりに低いようなので、場合によっては就活させてもらえないとかいうこともありえると思う。
教授と私の思う就職先の違いも考慮に入れて、休学は本当に履歴の傷かよく考えて。学科の就職担当の先生に頼るのもアリだと思うよ。
18:13
就職関連の人々をたくさん見ているであろうキャリアサポート室に行くのがいいと思う。全学の組織が文系就職に寄っていて得たい情報がないなら工学部の窓口もあるよ。
教員の言い分はそれはそうという感じなので、実際自分がするだろう選択をした人がどういうキャリアを歩んだかを見るのが一番納得できそう。
18:15
知り合いで休学してる人がいるから、もし繋いで欲しければ言ってね
18:20
休学にしろ研究生になるにしろ、1年の空白に対して企業の人事が納得できる説明ができればOK
ただし、研究生の知名度は低いだろうから、そちらの方がハードルが高そう。休学については、文系勢が起業とかするときに使う手段だから教授が思うほどマイナスイメージは強くない。
19:18
夏院試落ちから、空白の1年を挟まず就職(私に当てはめるなら20卒就職)という第三の選択肢を取れた例もあるよ。
21:40
どちらでも(既卒就活or休学)うまくいった人はいるだろうから、元は学生身分だった人から実際の声を聞いたほうがいいよ
教授は立場もあるんだから
23:33
工学部の就職相談室は大抵いつ行っても親身に相談に乗ってくれるので、通年で頼れるような関係性を構築しておくといいよ

時間見てもらえればわかりますがみんな返信が早い。ありがとうございます。
ちなみに自分のツイートし終わってからやっと帰りの電車に乗ったんですが、もらった返信にレスを返したりしてたら電車乗り過ごしました。てへぺろ。

合格発表翌日午前中(休学届提出締切日)

フォロワーの皆さんからの情報で、

・秋インターンについてはありそう
・研究生はやっぱりリスクが高い割に得られるものはない
・休学が致命的になることは多分ない

という気分になってきたのもあって、やっぱり当初の予定通り「休学→21卒就活」でいく方向になってました。インターンについては自分でも調べた結果、秋学期の授業期間中にできる長期インターンを一つ見つけたのも大きかったです。

ただ、前編にも書いた通りこの日の午後一番のキャリアサポート室の就活相談の枠が取れているので、そこで相談した結果も踏まえて最終決定することにしました。

キャリアサポート室就職相談(休学届提出締切まであと4時間)

全学の方のキャリアサポート室の人は、元は企業の人事をやってたけど、キャリアコンサルタント(国家資格)をとって転職してきたという方もいるので結構信頼できるんですよ。

というわけで面談したんですが、詳しい内容については正直覚えてません。秋インターンってあるの?とか院試落ち→休学しての就活ってどうなの?ということを聞いた覚えはあります。
これに関しては、「20卒を目指すならかなり急がなきゃいけないけど、21卒なら今までにいっぱいそういう人がいたし、ここでも見てきたから大丈夫」とのお墨付きをもらったので、ここで方針を確定。休学します。

学科事務(休学届提出締切まであと3時間)

方針決まったらもう休学届を提出するだけです。地味に締切も迫ってますし。
中編にも書きましたが学科幹事の教授のところにもきてねと言われてました。が、今更何か言われたくないので出してから事後報告することにしました。"It is easier to get forgiveness than permission."(事前に許可もらうよりやっちまってからあとで謝るほうが簡単)とかいう名言もありますしね。

ちなみに大学を休学する場合には、休学届とあわせて「①学業不振、②学校生活不適応、③海外留学・渡航、④病気・けが、⑤経済的理由、⑥その他」の中のどれかで理由書を提出しないといけません。今回の私の場合はどれにも当てはまりませんが、そこは事務さんがうまいことやっといてくれることになりました。本当にありがとうございました。事務への根回しは本当に大事です。

学科幹事の教授への事後報告(休学届提出直後)

きちんと事務に書類間違いがないこともチェックしてもらったので、これでめでたく休学届が受理されました。合格発表の1日後です。スピード決着のはずなのにそんな気が全くしないね!不思議だね!

事務に行ったその足で、事後報告のために学科幹事の教授の居室まで向かいました。こうしないと翌日の卒論配属の対象から外してもらえませんので。
もう休学届出してきました、って言ったら本当になんでやねんって顔をされました。だって今期卒論書くことに何一つメリットがないんだから当たり前だろ。
配属作業をする先生によろしくいっといてくださいと伝えてさっさと出てきました。グッバイ♪君の運命のヒト(研究生)は僕じゃないよ!

まとめ

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
これから院試を受ける方々は、もし落ちたときどうする?のプランBをさっさと考えたほうがいいです。それでもし休学が選択肢に上がるならその旨早く学科事務に根回ししたほうがいいです。事務さんが味方か否かで動きやすさが全く違うと思いますので。え?味方につけてもこれじゃんって?これは学科のシステムが悪い。

というわけで、長かった院試不合格体験記もこれで終わりです。3編にも分かれた長文をここまで読んでくださりありがとうございました!





な〜んて終わり方をすると思ったか?

賢い方はお気づきかと思いますが、休学っていうのは届を出した時が終わりではなくてむしろスタートなんですよね。
というわけで、休学してから実際どうなったん?という話をなるべく簡潔に済ませようと思います。

9月(休学届提出後)

合格発表のときから届を出すまでは、結果の悲惨さと相反して割と元気でした。
なので、休学決まって真っ先にやらなきゃいけないことをその日のうちにザクっと済ませました。内容については以下。

・サークルの追いコンと卒業旅行の不参加表明
就活本格化する3月に予定開けろとか鬼か??多少の不利を覚悟すればやれないこともないんでしょうけど、せっかく万全の準備をして臨む21卒に後悔する要素を残したくなかったのでもうここで退路を断ちました。
・各種就活サイトの登録
流石にリクナビマイナビは東大生向けじゃないと思ったのでね…。
・キャリアサポート室の面談予約
これからも絶対必要になるので、利用上限の週一回を確実にこれからも確保します。

ですが、休学届を出した日の夜に死んだように寝て、翌日の13時に家のベットの上で目を覚まして「ああ今頃卒論配属をみんなで話し合ってやってるんだろうな」と思った瞬間、自分は結構でかいものを捨ててしまったんだということを初めて自覚しました。
そうしたらもう色んなものが止まらなくなってきて、「なんで今家にいるの自分だってやっと卒論配属されてラボ生活送るはずだったのに、卒業式だって同期と一緒にワイワイしたかったのに追いコンで発表もするはずだったのにどうしてどうして」と、自分が望んでやったことなのにそれを責めるというわけのわからないことをし始めてました。思えばこれが感情が理性に追いつかなくなった瞬間だったんだろうと思います。

あとはこれと同時期に、休学だの就活だのというこの一連の出来事とは全く関係ないリアルの方で「今まで信頼していた人に鈍器で頭を殴られたあと背中からナイフで滅多刺しにされる」くらいの出来事があったのでここで完全に精神がぶっ壊れました。今もこの当時の記憶がほとんどないし、これから思い出すことも多分ないです。

当時私が何をしていたのかを推し量る唯一の方法はLINEの履歴のみです。今回これを書くにあたってその一部を見返したんですが、「まーじで私こんなこと送ってたの?」というくらい身に覚えがない。ですが、今自分がここにいて息をしているということとそのLINE履歴の送信相手(複数)を見る限り、当時の私は自分の心を立て直すために正しい人を頼ったんだろうと思います。

19年10月〜現在(20年4月)まで

結局就活だのなんだのと具体的な行動に移せるようになったのは10月でした。
ここからは結構自分頑張ったなという感じで、インターンに行ったり資格をとったりそれに関連する勉強したりと、まあ色々。私が就活をどのように進めたかということに関しては、経緯が少々特殊なのと身バレの恐れがあるのでここでは伏せます。が、世間一般的に言われていた3月の採用広報解禁よりもだいぶ余裕を持って20年1月末に希望のところから内々定をいただきました。成果は上々どころか大満足大勝利なのでそのまま終活して、2月からはひたすら暇してます。
このあとは予定通り10月に復学して、卒論書いて就職ですね。満足している内定先蹴って夏院試受ける意味もないので。

本当のまとめ

というわけで、落ちこぼれ東大生が院試に落ちた話でしたが、人生万事塞翁が馬というかこれ以上ない結論に落ち着いたなーという感じです。正直夏院試受かってたらどうなってたのか、またこれよりいい人生だったのか全くわからないという。
もともと自分語りという名目の記事なので、最後に結果論ではありますが今までの選択についてよかった?悪かった?という話をいくつか書き連ねようかなーと思います。

・20卒を最初から切って捨ててよかった?
これに関してはよかったと思います。確かに10月以降就活を進める中で「うちの会社なら20卒でもいいのに」といってくれるところがあったのは事実です。ですが正直どこも惜しくはないというか(失礼)……まあそういうことです。
あとは、休学の決断をした後に思い出したのですが、サークルの先輩で4年で卒論書きながら就活→院を中退して就職というルートを辿った方がいたんですね。その方とも秋になってからご飯食べにいったんですけど、やはり卒論書きながら就活はデスマーチとのことだったので、卒論蹴ったのは大正解でした。

・21卒で不利益被ったことはあった?
私が受けた業界業種のみの話になってしまいますが一切なかったです。上でのアドバイスにもあった通り、「空白の一年に対して企業が納得できる説明ができればOK」という感触でした。
特に私の場合、「あえて21卒にすることで納得のいく就活がしたいしそちらの方がメリットがある」という消去法ではなくあえての理由だったので、本当に全く問題になりませんでした。
また、これも結果論の話で身バレ防止のためフェイクが入っていますが、現在内々定をもらっているところは21卒から新卒採用システムが変わったところで、その変更が私の場合追い風になりました。なんというミラクル。

・休学して/予定通りの卒業を蹴ってよかったと思う?
よかったです。内定先の話もそうですが、10月という早めに動いたことにより早期に就活終了させることができたんですよね。
普通だったら早期内定なんてラッキーだねという話で終わるんですが、今年に関しては予定外の

COVID-19のパンデミック

とかいうイベントが襲ってきたので……3月に行われる合同説明会が次々中止になったり(未だ再開の見通しなし)、新卒採用のプロセスがガラリと変わったり(GDなんてほぼ実施不可能)、経済冷え込んでるのでおそらくこれからは就職氷河期突入濃厚だしと1月で内定確保して逃げ切ったことが爆アドになりました。19年中に就活しているときは「今年は売り手市場」とか言われていたのが今や見る影もないです。世の中って本当にどうなるかわからない。自分だけ助かるのが申し訳ない気持ちにもなりますがこれに関しては本当に助かった。
あと、卒業旅行もサークルの追いコンも卒業式も全て潰れました。予定通りの卒業を無理して選んでいたらこれだけを心の糧にしてただろうというものたちです。追いコン卒業旅行に関しては3月が空いて行けることになってたので中止は残念ですが、気持ち的には「もともと行けないはずのものが予定通り行けなかっただけ」というくらいなんでまあ別に……うん。落ち着いたら同期で旅行行きたいですね。

というわけでこれで本当に終わりです。前・中・後編それも6000字近くあるエントリをここまで読んでくれてありがとうございました。またどこかで。

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