[更年期スタートアップ]Gennev 更年期向け遠隔医療
次に紹介するのは、更年期障害のケアを専門とする施術者とのビデオ診療を提供するGennevだ。パンデミックによって、遠隔医療が拡大しているが、この流れはメノテックにも広がっている。
更年期の症状を更年期が原因だと気づかないため、対処しないで、不調に苦しむ女性が多いという。
サービス内容
同社は、米国23州で展開されており、1回の予約につき、医師との面談は85ドル、ナースとの面談は45ドルで、30分程度の面談が可能だ。
また、女性が自分の更年期を理解するための啓蒙活動も行なっている。その一環として、2020年、同社は、「Menopause Journey Map」を発表した。
同社は、過去4年間、世界中の5万人の女性からデータを収集し、5つの更年期タイプを検証してきた。このマップは、自分が更年期であるかどうか、また自分は更年期ジャーニーの中のどこに位置するのかを理解するためのツールだ。
マイクロソフトで15年経験を積んだ女性のNeutrogena創業者との出会い
(Photo by Gavin Doremus No Time to Pause)
ファウンダーのJill Angeloは、マイクロソフトで15年働いていた経験を持つ。エンジニアではなくマーケ系の経験で、最後のポジションは、Chief Marketing OfficerのChief of Stuffだった。そんな彼女が、Neutrogenaを立ち上げ、Jonhnson&Johnsonに売却した女性と出会い、更年期マーケットがいかに見逃されている市場かに気付いたという。
Femtech FocusでGennevのファウンダーがインタビューを受けていたので、詳細を知りたい方はぜひ!
Femtech Focus episode 14: Gennev wishing you a Happy Menopause Day! - Episode 14
更年期記念日を祝う文化に
上記のPodcastで面白いディスカッションがあった。更年期とは生理が止まって12ヶ月経った日を指すので、その日を更年期記念日として祝う文化にできないか、というものだ。
女性にとって、大きな節目になるこの日を、生理が無いニューノーマルな人生の門出として祝う。すごく素敵なアイデアだと思った。
更年期専門医の不足により、治療に繋がれない女性たち
更年期障害を専門とする医師が不足しているため、実際に患者が医療機関を訪れても、適切な治療に繋がることができないという。
医師の5人に4人は、更年期障害を適切に診断し、対処するトレーニングを受けていないというデータもある。
だからこそ、Gennevのような、気軽に専門家の意見が聞けるプラットフォームに意義があるのだと思う。
Gennevのユーザーで、一番多い感想が、”あ、私普通だったんだ”という安堵感らしい。
ホルモンの関係で、無駄にイライラしたり、プレゼンの前にホットフラッシュを経験したり、不眠に悩まされたりする。これまで正体不明の不調として対処できていなかったのが、Gennevのナースや医師と話すことで症状に名前が付けられ、安心する。
原因がわかれば、対処もできる。
更年期についてもっとオープンに話す
生理と同様、更年期も、タブーなトピック。女性自身が口に出して話さない。もちろん専門家から正しい情報を得ることも大事だが、女性同士が声をあげることも重要だ。
更年期世代が発信していくことで、下の世代の啓蒙にもなって、彼女だちが当事者になった時に、慌てなくて済む。
女性の身体や健康に関して、もっとオープンに語れるような環境が大事だ。
参考
Why More Startups And VCs Are Finally Pursuing the Menopause Market: ‘$600B Is Not ‘Niche’’
FemBeat: Gennev Releases A Menopause Journey Map To Help The 38 Million Women In The U.S. Manage Menopause Symptoms
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