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富裕層から一気に転落…30代の仮想通貨長者男性はなぜドバイ移住後に日本に戻ったのか?


 こんにちは。海外不動産投資家の宮脇さきと申します。

 私はお茶の水女子大学在学中に仮想通貨を購入し、仮想通貨の運用益で分散投資の一つとして不動産投資をスタートしました。

 21歳で国内投資物件を所有し、本格的に不動産投資の道に進みました。

 国内不動産は合計で3棟18室保有、シェアハウスで利回り30%超えの物件を運営し、その後いくつかの物件を売却し2000万円以上の売却益を出し22歳で世界へと視点を変え、現在はドバイ移住し、個人投資家として資産運用しながら投資家へのアドバイザー活動をしております。

今回の記事では私の周りに実際にいた、ドバイ移住後に破産し無一文になって日本へ帰国した人について、その理由とどうすれば破産することを防げたのかについて解説します。

■ドバイ移住失敗者のAさんから学ぶ理想と現実

 私の周りでドバイに住んでいる人たちは、想像もつかないくらいのお金持ちや富裕層の人たちがたくさんいます。

 ドバイに住んでいる人たちを想像すると、皆お金持ちで稼ぎまくっているとか、日本で一攫千金を得てドバイへ移住して豪遊しているといったイメージがありますよね?

 しかし、日本で一攫千金を得てドバイ移住したにもかかわらず、ドバイで失敗し無一文になり日本へ帰国したAさん(30代前半・仮想通貨トレーダー)がいます。

 Aさんが帰国した理由を知れば、海外移住に失敗する人の特徴がわかるはずです。

■そもそもなぜAさんはドバイに移住したのか?

 Aさんがドバイに移住した理由は、節税のためです。

 日本で元々仮想通貨で「億り人」になったAさん。しかし、日本では仮想通貨を利確した場合、最大で55%を税金として国に収める必要があります。これに対し、ドバイであれば無税のため、1億円すべてが自分のものになります。

 なぜならドバイは仮想通貨のキャピタルゲイン税率は0%だからです。

キャピタルゲインとは:株式、債権、金、仮想通貨など、自分が保有している資産を売却することで得られる売買差益(利益)のこと。簡単な例だと、株式を200万円で購入してそれを250万円で売却できた場合、差額である50万円がキャピタルゲインになります。

■失敗した理由1:身の丈に合わない生活

 まずAさんが失敗した理由1つ目は、身の丈にあわない生活を続けたからです。

 日本で高額な税金を収めることを拒んで、税金がないから(安いから)という理由だけでドバイへ移住したAさん。

 仮想通貨の税金を日本で収める義務がなくなったため、自分の収入が倍増したという感覚に陥ってしまったのです。

 それによりAさんは「これからドバイで豪遊しまくる!」と口にしていました。

 ドバイに移住したことにより、周りの環境に感化され気が大きくなってしまったAさん。
 
 それからのAさんの生活やお金の使い方は、まったく身の丈にあったものではありませんでした。

 ・分不相応なくらい高額な家賃の物件に住む(ドバイの富裕層向けの住宅の家賃は年間2000~3000万円くらいは普通にある)

 ・高級車や高級腕時計を無計画に購入

 ・高い外食費。毎日6000円以上するランチを食べ、イスラム教の国で値段の高いお酒を毎日飲んでいた

 身の丈に合わない生活をしていたAさんは、周りの人たちからの忠告も聞かずに豪遊を毎日続けて大切なお金を散在し資産を減らしていきました。

■失敗した理由2:固定収入を確保していなかった

 実は、本物のドバイの富裕層の人たちは、高級車やブランド品を買い漁ったり、毎日飲み続けるといったムダなお金の使い方をしていません。

 むしろお金持ちの人たちほど、しっかりとビジネスで固定収入を得た上で、堅実な暮らしをしています。

 一方Aさんは仮想通貨のトレードのみで生活し、新たな収入源を確保しようとしなかったのです。

 世界中からお金持ちが集まるドバイでは、たった一度1億〜2億円のお金を得たところで、それはお金持ちとは言えません。

 本当の富裕層とは、1億~2億円のお金を何度も得られる仕組みを作っている人たちのことです。

 固定収入を得ず、ただただ生活費で消費しているような人は、ドバイをはじめ日本国内としても生活することは難しいのです。

■失敗した理由3:無計画な投資

 無計画にお金を使いまくっていたAさん。

 彼は次第にギャンブル要素の強い高レバレッジ・高配当・高金利な仮想通貨に投資するようになりました。

 結局仮想通貨の大暴落に当たってしまい、Aさんは資産をすべて溶かしてしまいました。

レバレッジとは:口座に預けている資金を担保に借入をして、その借入金などを利用し自分の手元資金よりも大きな規模の取引ができる取引方法のことです。レバレッジ取引は口座にある自己資金以上の取引ができるのがメリットですが、もし損失がでた場合には、口座残高を全て失うだけではなくマイナスがでる可能性もあります。

■SNSで豪遊生活を自慢投稿。Aさんから友人が離れていった

 Aさんがドバイで仮想通貨投資に失敗したことで、それまでドバイで仲良くしていた人たちも、少しずつAさんから離れていきました。

 結局Aさんは、ドバイ移住からわずか1年もしないうちに日本に帰ることになったのです。

 さらに、Aさんはドバイから日本に帰国後も、自慢のような発言や態度をSNSなどでよく投稿していたため、日本の友人知人からも距離を置かれてしまい、お金だけではなく、過去仲良くしていた人たちとの繋がりも同時に失ってしまいました。

■どうすればAさんはドバイ移住を成功させることができたのか?

 ではどうすればAさんはどうすればよかったのでしょうか。

ポイント1 ドバイ移住自体は間違っていない

 ドバイが仮想通貨のキャピタルゲイン税率が0%というのは本当の話です。

 そのため、Aさんがドバイ移住をしたことは間違いではありません

ポイント2:お金の使い方

 たまには豪遊することがあったとしても、抑えるところは抑えて生活し制限をする必要があります。

 ドバイは富裕層のために作られた街なので、賭け事・高級車・腕時計・豪遊など、お金を使う場所はいくらでもあります。

 そのため、お金の使い方に注意しなければ、お金は一瞬でなくなります。

ポイント3:仮想通貨の取引

 Aさんの場合、資金が減っていたことへの焦りから一発逆転を狙ってかなり危険なレバレッジをかけたトレードを行ったことが命取りでした。

 通常金融の世界とは違い、仮想通貨の世界では頻繁に大暴落が起こります。タイミングや運次第で簡単にお金持ちになることはできますが、それを維持し続けることは難しいのです。

ポイント4:安定した固定収入が必要

 たとえば、ドバイでは不動産を仮想通貨で購入することが可能です。そのため、ドバイの不動産のような安定している現物資産へ投資を行っておく必要があったと言えます。

 仮想通貨ではなく、不動産投資や株式投資など、安定した固定収入をもたらしてくれる投資はドバイでの生活において必須となります。

ポイント5:家賃(固定費)を上げすぎたこと

 Aさんは固定収入がないにも関わらず、ドバイに来て高額な家賃の部屋に住んでいました。固定収入がないのであれば、安めのワンルーム(35平米くらい)でもよいので購入してしまい、今後家賃がかからない状態にするほうが賢明だったと言えます。

 ドバイは、場所によっては、スタジオタイプというワンルーム(35平米くらい)であれば、約2500万円くらいから購入することが可能です。

 さらに、分割払いもできるのです。

■これは”億り人”だから起きた悲劇ではない

 これは資産1億円を築いたAさんの移住失敗例ですが、資産が10億円でも5000万円でも本質は変わりません。

 毎月のキャッシュフローがマイナスにならないよう、まずは安定した固定収入が入る仕組みや構造を作ることが大切と言えるでしょう。

 最後までお読みいただきありがとうございました!

■プロフィール
さき@海外不動産
海外不動産投資家・海外移住コンサルタント
1997年宮崎県生まれ。UAEドバイ在住。お茶の水女子大学在学時に、暗号資産投資で大きな利益を出し、分散投資の一つとして不動産投資をスタートする。大学3年生の21歳から国内不動産投資を始め、国内3棟18室を保有し利回り20%以上の物件を運営し、その後いくつかの物件を売却。22歳で海外不動産投資へ進出し、ジョージア、トルコ(イスタンブール)、アラブ首長国連邦(ドバイ)に不動産を所有。現在は、個人投資家として資産運用をしながら、富裕層、経営者、投資家への資産コンサルティングのほか、海外移住のアドバイザーとしても活動。チャンネル登録者数3.58万人のYoutubeチャンネル「さきの海外不動産しか勝たん」を運営。