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[源氏物語26] 嫉妬深い妻に夫が提案する 頭中将と四の君

子供もわかる!?
源氏物語 光源氏君と12の花めぐり

あらすじ

「嫉妬深い正妻 VS 女の子たちと遊びたい貴族男子」が裏テーマになっています
左大臣と右大臣は仲が悪く、激しい権力争いをしていました
桐壺帝は二人には仲良くしてほしかったので、二人の子供を政略結婚させて、親戚関係になれば、少しは関係が改善されるのではないかと提案しました
今回は左大臣の息子・頭中将と右大臣の娘・四の君が結婚した時の話をパロディーにしてお話します
夫の頭中将が女の子にモテるので、妻の四の君は嫉妬してしまいます
四の君は、夫に近づく女の子に嫌がらせをしていたら、頭中将はモテなくなりました。しかし、頭中将は嫉妬深い妻のことが嫌になりました。
夫婦はすっかり冷めきってしまったのですが、どうなってしまうのでしょうか…

Youtube版もあるので、ぜひ見てください!

嫉妬深い妻に会いたくない

頭中将は物陰に隠れました

四の君の女房「光源氏様、失礼いたします。あの、頭中将様を見ませんでしたか?」
光源氏「いや、見てないよ」
四の君の女房「かしこまりました。では」

源氏物語 光源氏に頭中将の居場所を聞き出す女房

四の君の女房「奥様、頭中将様いませんでした。もう屋敷に帰りますよ」
四の君「おかしいわね、旦那様の声が聞こえた気がしたのに」
四の君「最近、旦那さまは私の屋敷に来てくれませんの。早く逢いたいわ」
そういって四の君は帰っていきました

源氏物語 頭中将に会えなくて悲しむ四の君

頭中将「光源氏君、内緒にしてくれてありがとう」
光源氏「最近、右大臣家に行ってないの?」
頭中将「妻にうんざりして、右大臣家に行きたくないんだ」
頭中将「まさか、僕の職場にまで逢いに来るなんて勘弁してくれ」

源氏物語 内緒にしてくれた光源氏に礼を言う頭中将

女の子が好きな頭中将は女の子たちと遊べなくなり、四の君の嫉妬深さに嫌気がさして、右大臣家に寄り付かなくなりました
右大臣もなかなか娘に逢いに来てくれない頭中将のことを恨めしく思います

源氏物語 四の君を避ける頭中将

光源氏「たまには四の君に逢いに行きなよ」
頭中将「そうだね、また職場に来られるのも嫌だから、たまには右大臣家に行くよ」
頭中将「そういう君も妻の葵の上に逢いに、左大臣家に来なよ」
光源氏「うっ、分かったよ」

光源氏も、頭中将も癖の強い妻と結婚して溜息がでました
頭中将と四の君は最初こそラブラブでしたが、頭中将は妻に気持ちがすっかり冷めてしまいました

源氏物語 光源氏も、たまには葵の上に逢いに来なよ


頭中将、いいことを思いつく

頭中将は常に妻に監視されているようで息が詰まると友人に愚痴りました
友人「あはははは、羨ましいよ」
頭中将「勘弁してくれ」
友人「私も結婚した当初は妻も旦那様、旦那様と言ってくれたが」
友人「子供が生まれてから、妻は子供のことばかりになってしまって、私のことは構ってくれなくなったよ」
友人「ちょっと寂しいかな」
頭中将は思いつきました
頭中将「なるほど、その手があったか!」
友人「ん?」
早速、頭中将は四の君のいる右大臣家に行きました

源氏物語 子供ができてから妻はかまってくれない

四の君は最近ずっと頭中将が逢いに来てくれなくて寂しくて泣いていました
四の君(旦那様に嫌われてしまったわ。逢いに来てくれなくて寂しい...)

源氏物語 頭中将に嫌われちゃった…

嫉妬深い妻に提案してみる 

頭中将「四の君ちゃーん!」
頭中将が慌ててやってきました
四の君「旦那様!?」

頭中将「妻の君に頼みがある!僕との子供を作らないか?」
四の君「いきなりなんですの!?」
頭中将「僕たちは夫婦なんだしさ、君との子供が欲しいんだよ」

源氏物語 四の君に提案し見てる頭中将

頭中将は四の君との間に子供ができれば、妻も少しは夫に対する執着心が薄れるのではないかと考えました
四の君「そ、そうですの...」

源氏物語 子供ができれば夫に対する執着心が薄れるのではないかと企む

四の君(旦那様、とても真剣な眼差し)
四の君(私たちのことをそのように考えていてくださったなんて...)

 四の君「旦那さまは、その...子供は何人欲しいのですか?」
頭中将「うーん、そうだな」
頭中将「たくさん!」
四の君「たくさんですか!?」
頭中将「ほら、たくさんいた方が賑やかで楽しそうじゃないか!」
頭中将は子供がたくさんいた方が妻も子供のことばかり考えて、自分への関心があまりなくなるのではないかと思ったのです

源氏物語 突然の頭中将の提案に驚く四の君

四の君(旦那様とあんなことや、こんなことを...)
四の君(あー!恥ずかしいですわ!)

源氏物語 頭中将のラブシーンを想像してしまう四の君ちゃん

恥ずかしくなる四の君

四の君「今日のところは失礼いたしますわ!」
四の君は急に頭中将にグイグイこられて恥ずかしくなり、自室に籠ってしまいました
頭中将「僕はいつでもいいから考えといてくれ」
頭中将は初心な妻は可愛いのに、もう少し嫉妬深い性格でなければいいのにと残念に思いました

源氏物語 恥ずかしくなる四の君

その後、頭中将と四の君は

右大臣も孫ができるのを楽しみにしていました
もしかしたら、将来立派な姫に育ち、帝の妃になったらいいなと考えていました。

源氏物語 孫が楽しみな右大臣

数年後、頭中将と四の君の間に数人の子供を受けました
その子供たちが登場するのは、まだ先のお話です

源氏物語 頭中将と四の君は長年連れ添う

第5話 おわり

次回は「夕顔」編になります

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