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[源氏物語20] 空蝉が脱ぎ捨てた小袿を持ち帰り、匂いを嗅いでみる光源氏

子供もわかる!? 源氏物語
光源氏君と12の花めぐり

源氏物語「空蝉」のお話です

あらすじ

光源氏が17歳の夏、空蝉という人妻に恋をしてしまうお話です
恋愛経験が少ない空蝉は、年の離れた裕福な伊予介と結婚しました
夫と年が離れていたので心がときめくことがありませんでした
しかし、偶然、空蝉が住む家に泊まりにきた光源氏と忘れられない一夜を過ごしたのです
光源氏から恋文をもらうのですが、人妻なので返事を返すことができませんでした
それでも、空蝉に逢いたい光源氏は、空蝉の弟の小君と一緒に
家の主、紀伊守が留守中に忍び込んで空蝉に逢うことにしました
寝静まってから空蝉の部屋に侵入した光源氏ですが、そこに寝ていたのは伊予介の娘・軒端荻でした。
人違いでしたが、光源氏は軒端荻に告白することにしました。

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空蝉の小袿を持ち帰る

光源氏は軒端荻の隙をついて、命からがら逃げ出しました
とっさに床に落ちていた姉君の小袿を拾い上げました
光源氏「今日はもう帰るね」
軒端荻「あぁ、光源氏様、お待ちになって!」

出口に向かう途中、年配の女房に見られる

近くの部屋で待機していた小君が
小君「光源氏様、こちらです」
光源氏は小君と出口に向かっていると、年配の女房に見つかりました
女房「こんな時間に誰ですか?」
小君「僕だよ」
女房「これからどこかに出掛けるのですか?」
小君「たまにはいいだろ」
女房「気を付けてくださいね」
小君「はい」
なんとかやり過ごし、紀伊守の家の外に出ました

惟光と合流

門の外で控えていた惟光と合流しました
惟光「光源氏様、こちらです!」
ボロボロの光源氏を見て
惟光「えっ!?クマにでも襲われたのですか?」
軒端荻熊 「がぉ~」
光源氏「そんなところだ」

光源氏「姉君の小袿を貰ってきた」
惟光「正気ですか!?」

惟光は光源氏の胸元に何かあるのに気づきました
惟光「光源氏様、胸元に何かあるようです」
光源氏「ん?」

軒端荻の花の宝石

光源氏の胸元に軒端荻の花の宝石が入っていました
光源氏「これは伊予介の娘の花の宝石ではないか」
光源氏は驚きました
軒端荻がこっそり光源氏に花の宝石を渡していたようです
光源氏は意識を失っていて気づいてなかったようですね

光源氏「これは荻の花の宝石だな。風流で美しいな」
光源氏はまさか軒端荻から花の宝石を貰えると思っていなかったので
思わぬ収穫に喜びました
軒端荻の花の宝石を大事にしまいます

光源氏と小君で反省会

光源氏たちは二条院に戻りました
光源氏は小君にあの夜、人違いしてしまったことを話しました
小君「申し訳ありません....」
光源氏「まったく、君もまだまだだね」

光源氏「罰として今日も添い寝してもらうよ」
光源氏は小君と添い寝して、姉君の愚痴を言い始めました
光源氏「姉君は僕に逢うのが嫌で、隠れてしまうなんて酷いと思わないか?」
光源氏「物陰で隠れて、僕が人違いして、別の女の子に告白してるなんて間抜けな男だと思っただろうね」
光源氏は恥ずかしくなりました
光源氏「今回は失敗してしまったけど、小君くんは僕のために頑張ってくれたものね」
光源氏「可愛い小君、ありがとう、。これからも僕のために働いてくれ」
小君「はい!」
光源氏「ちょっと姉君に手紙を書くよ」

空蝉の小袿の匂いを嗅いで懐かしむ

光源氏は姉君の小袿の匂いを嗅ぎ、姉君のことを想いました
光源氏(姉君の匂いだ!)
光源氏(姉君は、憎たらしいが、やはり愛おしい)

姉君に手紙を書く

光源氏は懐紙(かいし)にサッと姉君宛の手紙を書いて小君に渡しました
光源氏「姉君に渡してくれ」
告白した軒端荻にも手紙を書かなくてはいけませんが、
色々考えてしまって軒端荻に手紙を書けませんでした

久しぶりに光源氏から手紙をもらい心躍る空蝉

小君は姉君に光源氏の手紙を渡しにいこうとすると姉君はとても怒っていました
姉君「ちょっと、あなた!とんでもないことをしてくれたわね!」
姉君「光源氏様が現れるなんて聞いてないわよ!」
姉君「なんとか隠れれたからいいけど....」
小君「申し訳ありません!姉上」

小君「姉上、光源氏様から手紙です」
久しぶりの光源氏の手紙に姉君は心躍りました
姉君「ふーん、どれどれ」

手紙には
空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな
(蝉の抜け殻のように、衣を脱ぎ捨てて逃げ去ってしまったが、
その木の下であなたのことを懐かしく思っています)
と、書いてありました

持ち去った小袿が汗臭くないか心配

姉君(そういえば、あの夜から私の小袿が無いと思ったら、光源氏様が持ち帰ってたの!?)
姉君(洗ってなかったし、私の汗の臭いとかついてたら、どうしよう....)
姉君(あ~、もう恥ずかしい!!!)
姉君は光源氏が持ち帰った小袿が汗臭くないか心配でたまりませんでした

姉君も光源氏の手紙の端に返歌を書きました
空蝉の羽に置く露の木隠れて忍び忍びに濡るる袖かな
(空蝉の羽に付いた露が木に隠れて見えないように、
私の袖もひっそり涙に濡れるでしょう)


軒端荻は光源氏から手紙が貰えなかった

軒端荻は光源氏に告白されて、花の宝石もあげたのに手紙がなくて酷く落ち込んでいました
軒端荻「あの方から、あれ以来、返事がないなんて酷いわ」
姉君は密かに光源氏から手紙を受け取っていたので、なんとも言えない気持ちになりました。

源氏物語21につづく
ある日、空蝉の夫・伊予介が光源氏の屋敷を訪ねてきた
もしかして空蝉との関係がバレたか!?
次回で空蝉編は終わりです

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