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[源氏物語19] 空蝉と軒端荻を人違いして告白してしまう

子供もわかる!? 源氏物語
光源氏君と12の花めぐり

源氏物語「空蝉」のお話です

あらすじ

光源氏が17歳の夏、空蝉という人妻に恋をしてしまうお話です
恋愛経験が少ない空蝉は、年の離れた裕福な伊予介と結婚しました
夫と年が離れていたので心がときめくことがありませんでした
しかし、偶然、空蝉が住む家に泊まりにきた光源氏と忘れられない一夜を過ごしたのです
光源氏から恋文をもらうのですが、人妻なので返事を返すことができませんでした
それでも、空蝉に逢いたい光源氏は、空蝉の弟の小君と一緒に
家の主、紀伊守が留守中に忍び込んで空蝉に逢うことにしました
寝静まってから空蝉の部屋に侵入した光源氏ですが…

ぜひ、Youtube版も見てください!

光源氏の香りがする!?

軒端荻は、空蝉の部屋で一緒に寝ることにしました
 姉君「もう、この子は寝てしまったわね」
 軒端荻「ぐがー、ぐがー」

 姉君は光源氏から恋文が来なくなったので溜息がでました
 姉君(光源氏様と過ごしたあの夜のことを思い出してしまって、なんだか眠れないわ...)

姉君の部屋の扉が開く音がしました
さらに、光源氏の焚きものの香りがして、誰かがひっそりと部屋に入ってくるのが見えました
姉君(まさか、光源氏様!?)

姉君は驚いて、小袿(こうちぎ)をそのままにし、慌てて物陰に隠れました

光源氏(姉君が寝てるな)
部屋は暗くてよく見えません。
光源氏「ねぇ、起きて、起きてよ♡」
軒端荻「ぐがー、ぐがー」
光源氏「あれ?起きないな」
軒端荻「ぐがー、ぐがー」
光源氏「起きてよ、光源氏だよ」

あれ?空蝉じゃないぞ!

軒端荻「う~、何?」
女の子はようやく起きました
光源氏は姉君でないことに気づきます

光源氏(え?姉君じゃないじゃん)
光源氏は、動揺しましたが、人違いだというのも失礼だし、慌てるのも格好悪いので、
伊予介の娘に告白することにしました

軒端荻に告白してみるか

光源氏「僕は光源氏だよ。突然、こんな夜中に訪ねてきてごめんね」
光源氏「前から君のことが気になっていて、こっそり逢いに来てしまったんだ」
光源氏「君のことが好きなんだ!僕とお付き合いしてくれないかな?」

軒端荻は光源氏の突然の告白に驚きました
軒端荻「ひひひひ、光源氏様!?」
軒端荻(光源氏様、とてもカッコよくて素敵)

光源氏「君に逢いにくるために、わざと方違えしたんだよ」
光源氏「本来なら君のお父様にも正式にお付き合いする挨拶をした方がいいけど」
光源氏「それは難しいから、こうして人目を忍んで逢った方がいいと思うんだよね」
光源氏「今夜、僕が逢いに来たことは、くれぐれも君のお父様やお兄様には秘密にしといて欲しい」
軒端荻「分かりました」
光源氏「ありがとう」

軒端荻はカッコいい光源氏とお付き合いできるのに舞い上がっていて
光源氏の言うことを信じていました
それっぽいことを言って簡単に信じてしまう軒端荻をつまらなく思う光源氏でした


光源氏様とお付き合いできて嬉しい

軒端荻はお付き合いできるのが嬉しくて、光源氏に抱きつきました
軒端荻「光源氏様とお付き合いできて嬉しいですわ」
光源氏「僕もだよ」
光源氏は、顔が可愛い軒端荻もいいなと思いました
まったく軽率な男です

軒端荻は大柄でふくよかな体形で力持ちでした
嬉しさのあまり、光源氏を力強く抱きしめました
軒端荻「光源氏様、大好きですわ!」
光源氏(女の子って、こんなに力強かったっけ?)
光源氏「ははっ、ちょっと苦しいよ」
光源氏は女の子はか弱いと思っていたので、とても驚きました

光源氏は苦しみました
軒端荻「もう離しませんわ!」
光源氏「お願い離して...苦しい....」
光源氏はだんだん意識が遠のいていきます

姉君は物陰から二人のやり取りを聞いていて、光源氏や軒端荻に申し訳なくなりました
姉君「ごめんなさい、ごめんなさい」


源氏物語20につづく
光源氏は空蝉に逢えず、軒端荻と忘れられない夜を過ごしました。
空蝉が残した小袿を持ち帰ることにしました
さらに思わぬ収穫もありました

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