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光を掴む、影を効かせる。照明で魅せるコツ 照明講座vol.1 (全5回)

―はじめに―

いつもは、旅と暮らしのWebマガジン TABITO Japanのエディターとして、noteを活用していますが、今回は、照明デザイナーの盛島さつきで、記事を公開させていただきます。

と言いますのも、今回から5回にわたって、照明講座を開催したいと考えたからです。noteを活用して、照明の魅力を、多くの方と共有できればと思っています。

さて、照明といっても、実際には様々なジャンルがあるかと思います。

例えば・・・

◆1 くつろぎの空間づくりなど、住宅用の照明
◆2 集客を意識したカフェなどの店舗照明
◆3 クリスマスシーズンのイルミネーションなど、街中や公園のライトアップ
◆4 広告素材、SNSの画像投稿など『映え』る撮影の照明テクニック
◆5 オンラインのミーティングやYOUTUBEでの自分映えの照明テクニック などなど。 今回私がナビゲートする内容は、
◆1、◆2がベースです。 加えて、◆3~◆5の範囲にも活用いただけるよう、まとめました。

どなたでもスムーズに理解できる入門的な範囲ですが、実践にすぐつなげられるよう、照明を扱うコツを中心に、展開して参ります。
同時に、今回の1回目から応用的な要素も、盛り込みました。
それはまさに照明の神髄です。

ぜひ、この1回目から、照明(『明かり』)の魅力を思い切り堪能して、照明で魅せることを楽しんでください。

講座に入る前に、下記に当講座の進行を簡単にお伝えします。

1)全5回の当講座は、各講座、無料ページと有料ページから構成されています。 原則、無料ページは、『暮らし』を主にした内容です。
その先の有料ページは、カフェなど、店舗照明をベースに、『集客』を意識した構成です。 無料ページでも、かなり内容は濃いですし、『集客』を前提に、お仕事に取り入れたい方も、まずは無料ページから必ず進めてください。
また、有料ページであっても、『暮らし』や様々なシーンで活用でき、無料ページの応用的な要素になりますので、お仕事を前提にしない方でも、ぜひ有料ページに進んで、照明のワザを取り入れ、ご活用ください。

2)有料ページは、各回500円です。(リーズナブルですが、かなり手ごたえあります)

3)毎週木曜日に講座投稿を予定しています。2022年7月14日(木)が最終講座で、全5回すべての内容は、2022年12月31日まで公開いたします。

4)照明の基礎知識をつけるのが目的ではなく、実践的ですぐに役立つテクニックを中心に展開します。

5)最終講座の有料ページで、テストを用意しています。
上記4)にも記したように、知識というより、実践的にすぐ役立つ内容にまとめてありますので、ワークシートや、サンプルシートとしてぜひご活用ください。

それでは、照明講座vol.1を始めたいと思います。

光を掴む、影を効かせる。照明で魅せるコツ 照明講座vol.1 (全5回)


『光を掴む、影を効かせる。っていったい何のこと??』 あなたはきっとそう思ったことでしょう。

そして、様々想像されたと思います。

どのような答えをイメージしましたか?

講座開始早々、逆に質問から入るのかーい。
とツッコミが入りそうなので、私の答えを上げさせていただきますが、ぜひ、想像し、あなたなりの答えも出してみてください。

私が今回タイトルに選んだ、『光を掴む、影を効かせる。』

その真意は、
・ ・ ・

『間接照明』

です。

私の答えと違うことをイメージされても、もちろんいいです。

きっと遠からず、共通の要素があると思いますので。

それにしても『間接照明』が、1回目のテーマだたんて、 なんて、応用的でしょうか。

照明にどっぷりはまるには、スタート早々、いいテーマであります。

我ながら魅力的なテーマをピックアップしたなと感心します。

きっと、あなたも、うなづいているはず。

間接照明をうまく取り入れることで、室内はもちろん、様々なシーンで魅力的な演出をすることが可能になります。

目的に応じた効果を得ることも期待できる、魔法のツールなのです。

ぜひ、この講座(主に今回と次回の内容です)で、間接照明を知って、ご活用ください。

日本の(住宅の)照明は、明るすぎる・・・という、事実。

なぜ、間接照明のお話からスタートするのかというと、前にもお伝えしたように、間接照明を使いこなすことで、魅力的な演出を施すことや、目的に応じた効果を得ることも期待できるからです。

そのためにも、間接照明の効果を最大限に発揮する上で、私たちは一つ、重要なことを理解する必要があります。

見出しの通り、日本の照明が、明るすぎる・・・という、事実についてです。 これは、ある側面を指してのことです。

例えばヨーロッパ諸国、さらにいうと、日本より緯度の高い地域、中でも北欧などと比べると、日本の照明は、明るすぎる、ということがよく言われます。(またはその傾向にあると言います。)

住宅用の照明がまず、 日本の場合『明るすぎる』のだそうです。
と言っても、日本人の私たちが、別段気にしているわけではなく、 諸外国に比べると、その傾向にある、という範囲なわけで、いいとか悪い、ということではありません。

ですが、例えばオフィスの照明と、住宅の照明が、同等の明るさだとしたら、あきらかにそれは、住宅の照明としては、明るすぎるであろうことが、想像がつきますよね。

さすがに、オフィス仕様で、天井に照明がたくさん並んでいる、ということはないとしても、その色味や空間の広さの割に、オフィスのような明るさ、つまり生活空間では、ややすぎる照明使いをしている、ということが日本の場合は、多いようです。

住宅用、つまり『くつろぎの空間』を一般的な前提としているであろう、私たち日本人の『住まい』の照明は、そういう意味で、諸外国の中でも、明るい方に属する、という訳です。

光を感じる力は、個人差があり、加齢によっても、変わってくると言われています。 最近の照明には、調光機能がついてるのも増えたので、生活シーンに応じて、光を調節すればいいでしょう。

ですが、実際には、調光機能がついた照明を使われている方でも、 多くの場合、目的に応じた、『適した調光』になっていないようです。

それどころか、 調光機能があっても、活用していない、という方々が、案外多いのではないでしょうか。 これは、調光機能が、世の中に出回ってまだ割と新しいから、使い慣れていない、ということ以前に、 もっと、日本人特有の要素から、来きているとしたら、いかがでしょうか。 ぶっちゃけますと、 『明かりに無頓着な』な国民性、と言ってしまってもいいかもしれません。

いえいえ、すみません。言いすぎました。
ちょっと、ニュアンスを訂正します。

『明かりに、無頓着になりつつある、現代日本人』、
これが、私の言いたいところです。

どういうことでしょうか。 それでは、少し日本から離れた地域を例に、照明についてを、考えてみましょう。

北欧の明かりと暮らしの素敵な関係。暗い冬を乗り切る、生活の知恵

あなたは、北欧といえば、何をイメージしますか? 真っ先に上がるのは、何といっても太陽がいつまでも沈まない白夜でしょうか。

沈まない代わりに、昇りきりもしない。日本では想像の付きにくいなんとも薄暗い毎日が1年の半分近くを占める世界です。

夏至祭がそれぞれの地域で、盛大に行われるのも有名です。
人々は、夏を過ぎて、駆け足で訪れる長い冬に備えて、体いっぱいで夏を満喫するのだそうです。 北欧家具については、以前から日本では根強い人気がありましたが、IKEAの日本上陸により、すっかり日本に浸透し定着しました。

ノルウェーやデンマークでは、『ヒュッゲ』(くつろぎ)、スウェーデンでは、『フィーカ』(お茶の時間)という、習慣についても有名ですね。 家族や大切な友達と、暖かい室内で、くつろぎ、お茶の時間を楽しむ、といった、まさに過酷な冬を快適に過ごす、北欧の人々の暮らしの知恵が詰まった素敵な文化です。
日本でいうところの『団らん』に近いイメージでしょうか。 長い冬の期間、屋外は昼でも太陽は昇りきらず空を這うように移動するなんて、目が覚めないまま過ごす一日のようで、なんだか想像するだけでももやもやっとして、身体的にしんどそうです。

だからなんですね。北欧の冬は、窓辺を飾るキャンドルや、サイネージ、照明が、暗く沈む世界を光で彩る、美しい季節でもあるのです。
逆に言えば、ヒュッゲや、フィーガ、美しい『明かり』の文化も、いかに北欧の冬を乗り切ることが厳しいことかを、物語っています。

さて、そんな北欧から、日本に意識を戻してみましょう。 日本より緯度の低い、赤道よりの国や地域は、より太陽の光が強いでしょうが、日本の日照の事情は、それは北欧に比べれば、十分恵まれています。

日本の照明が、欧米諸国、特に日本より緯度の高い地域、北欧などと比較すると、日本人の感覚が、日照や太陽の光を基準にして、室内も明るめを求める傾向がある、そうなんです。
何となく納得できますよね。

※ただし様々な要素が重なっているとも言われるので、一概に日照や緯度だけで判断できません。 そうすると、照明がやや明るめを使う傾向にある日本で、間接照明やその効果的な使い方が浸透しているのか、ということにそもそも疑問が生じます。

もし、あなたの家が、間接照明を上手に使って、時間帯やシーンごとに、 『明かり』を使い分けていたりしたら、 それはもう、すでに照明使いの上級者です。
この照明講座では物足りないかもしれませんが、それでもぜひ先に進んでみてください。

なぜなら、一般的な照明の知識を得たり、インテリアデザインに含まれる照明では、なかなか知ることのできない、 独自の、照明使いの効果的な方法をご紹介するからです。
インテリアや店舗内の間接照明はもちろん、様々なシーン、用途で、間接照明を使いこなし、うまく表現できれば、ワンランクもツーランクも上の洗練された空間づくりが出来るからです。

今回(講座Vol.1 )のワーク

さて、それでは、 2枚の写真をご紹介いたします。 こちらの画像を使って実践練習を行いましょう。

1枚目は(恐縮ですが、)
◆ 弊社で制作・販売を開始した、照明『ダイヤモンドライト』のPR画像です。
2枚目は、
◆ 江戸切子のグラスに、照明を充てた画像です。

それぞれ、間接照明と考えられる要素を見つけてください。
(照明をどの位置から、どの方向に向けているか。考えてみましょう)

なお、1枚目の『ダイヤモンドライト』自体もライティングされた状態ですが、これ以外で、間接照明といえる要素を見つけてください。

ぜひ、間接照明の有効な取り入れ方、空間づくりに、活かしてください。 それでは、具体的な回答と、それぞれ間接照明を用いたことによる効果、さらに、実践内容は有料ページで進めます。 よかったら、有料ページで、腕試ししてください♪  (※Vol.26/23)の無料ページ内で、解答を表示します)

弊社商品のPR画像です。間接照明を取り入れています。


こちらはやや応用的な視点で照明を使っています。
有料ページ・講座vol.2で活用する手法です。ぜひチャレンジ下さい。

次回講座は、『光のアート・反射光の魔法』です。
なお、有料講座の最後に、講座受講特典のご案内を掲載しています。ぜひ、有料講座に進んで、当講座(全5回)をマスターして照明使いの達人を目指してください。

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