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新しさなんか、飲み干してやるわ

はじまりました、Webマガジン「日本酒をください」。
涙の数だけ、お伝えしたいと思います。

日本酒へのラブレター

最近日本酒のお店に行くと、お仕事みたいになる事が多くなってしまいました。なのであまり外では飲みません。外で飲む時はビールやワインを飲んだりしています。
そんな日本酒を愛し仕事にしてしまった女から、もう一度逢いたい日本酒へのラブレター。それが「日本酒をください」です。(※重い、キモい、ウザい、などのコメントはご遠慮ください。)

プロテイスターとしてテイスティングコメントを書いたり、日本酒ディレクターとして日本酒業界の未来について語ったりしだすと、無駄な老香が漂うのでなるべく避けたいと思っています。とはいえ、バーでひっそりと話すように、ここでしか書けない事を書くかもしれませんが…。

新しさは必要?

基本は、日本酒の楽しみ方をお届けしたい。なので、ゴシップ的な内容は触れなくていいかなと。
例えば、日本人は一億総飽き性なのだろうか?と思う程よく聞かれる『何か新しい日本酒ないですか?』といった質問は受けません(キッパリ)。

日本酒だけでなく食全般の香味にも、ファッションと同じでトレンドはあります。そこには仕事柄敏感になっておかなければならないと思っています。
が、これまでに無い新しいカタチの服とか、誰も着たことのない色とか、もう無いですよ。毎日着る服から、煙を出したり、光線走らせたりしたいですか?それは、新しく面白いかもしれないけれど、一時の賑やかしに過ぎないのではないでしょうか。

新しい日本酒、新しい日本酒イベント…そこを開拓し続けることは難しい。
もし、今までの日本酒は何だったんだ?となるぐらいの“これからはコレだ!”っていうのが出てくるとしたら、それはこれからの人、つまりもっと若い人が言わないと嘘になりますしね。年配者が無理してひねり出す新しさっていうのは、残念ですがどこかダサいものなんですよ。なので、そうした革新が起きるとしたら、それはサブカル的にはじまるだろうから、そこは次世代に託したいところです。

次世代に協力させていただけるとしたら、最初に現れる悪役レベル1とか、やれるかもしれません。“そんなの誰も評価しないわよオバハン” が突然現れて、“やべぇなんか出てきたぞ!” と一瞬怯む主役(革新派)、という世間を味方につけるアレですね。次世代の日本酒に貢献できるなら本望なので、その時使えたら是非使っていただきたいと思います。

ふつうのスゴさを楽しもう

そんなわけで、私としてはもうそろそろ「ふつう」でよくないですか?と、思う今日この頃。

いやいや、普通に美味しいってすごいことなので、普通にその美味さをお伝えしていきたいということです。そのためには、日本酒の「普遍的な美味しさ」を明確に、もっと言葉にして洗練させていかなければいけませんね。うーん、道は遠いな…。
って、最初だからかやっぱり日本酒論的な話になってしまいました。

売上とか動員数とか引き合いに出されて『いや田中さん、ふつうじゃ困るんですよ。』とか言われても、新しさなんか、飲み干してやるわ!と、今後も吠えていきたいと思います。

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写真は合鴨ローストと、北西酒造さんの彩來(さら)の無濾過生原酒。
お酒やおつまみ、ペアリングレシピなんかも、少しずつ書いてこうと思っています。

新しさより、楽しさを。
そのためにまずは、日本酒をください。

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