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優秀なスパイは楽しささえも盗んでしまう

1992年5月2日に発売された
とらっぱーず天国 SPY vs SPY』(1992 GB)
が30周年を迎えました。

『とらっぱーず天国 SPY vs SPY』といえば、
日本国内でケムコが発売した
「スパイアンドスパイ」シリーズの3作目で、
活躍の場をファミコンから
ゲームボーイに移した作品でもありました。

「スパイアンドスパイ」シリーズ1作目の
スパイVSスパイ』(1986 FC)は、
ゲーム界の大元締「ジンテンドウ」が開発した
新型ディスクシステムの設計図を盗むという、
どう考えてもゲームには全く反映されていない、
印刷物を作成した人の悪ノリが独り歩きしているであろう、
昭和時代らしいゲームでした。

それでも、ローカライズで勝手につけられたであろう、
ケムコ国のヘッケルとトムコ帝国のジャッケルという設定は、
2作目の『南国指令!! SPY VS SPY』(1987 FC)
にも引き継がれています。

さすがに、
盗み出すミサイルをゲーム業界でホットな話題に
差し替えることはできませんでしたけど。

南国指令!! SPY VS SPY』が南国を舞台にしていたのに対して、
とらっぱーず天国 SPY vs SPY』(1992 GB)では、
盗むモノは携帯しやすい「秘密兵器の機密資料」に変更され、
ゲームボーイの携帯性を活かしたのか、
南の国・火山・氷の国・洞窟・ピラミッド
というように行動範囲も増えています。

そして、
とらっぱーず天国 SPY vs SPY』では、
画面分割の要素がなくなったため、
ファミコン版のように対戦相手の行動が見られなくなり、
プレイ体験がだいぶ変化しています。

それゆえに、
2人対戦の楽しさが2倍だったり3倍だったりと、
不安定なのが大変気になるところです。

2倍しても3倍しても同じ数字になるのは0なので、
きっと楽しさもスパイに盗まれてしまったに違いありません。

これも印刷物を作成した方の悪ノリの結果でしょうか?

ちなみに、
後にゲームボーイカラー向けに発売された
スパイアンドスパイ』(1999 GBC)では、
わざわざ
「ゲームボーイカラー初の上下分割スクリーン採用」
を実現していたりします。


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