ローカライズでは名称変更に手をNUKEない
1994年8月12日に『レミングス2』(1994 SFC)が発売されたため、
日本国内でスーパーファミコン向けに発売された
『レミングス2』が28周年になりました。
『レミングス2』は、
「さまざまな障害やトラップにひっかからないように、
無事にレミングたちを出口まで導いてあげ」るパズルゲーム。
1991年に
スーパーファミコン版『レミングス』(1991 SFC)が発売されて
それなりに実績を上げたからこそ
『レミングス2』が発売されたはずなのですが、
残念ながら『レミングス2』は日本国内の家庭用ゲーム機では
スーパーファミコンにしか移植されていません。
この原因を考えてみたところ
「自爆によるステージの終了」の名称の違いに辿り着きました。
「レミングス」には、
手詰まりになった時に使用する自爆コマンドがあるのですが、
このコマンドの名称がタイトルによって異なるのです。
1991年発売のスーパーファミコン版『レミングス』、
1992年発売のメガドライブ版『レミングス』(1992 MD)と
PCエンジン版『レミングス』(1992 PCE)
はサン電子から発売されていて、
キノコ雲の表現に若干配慮のなさを感じつつも、
「全員自爆」という名称には
気を使ったローカライズだと実感することができました。
1993年に
セガ・エンタープライゼスが発売した
ゲームギア版『レミングス』(1993 GG)では、
「核攻撃」というわかりやすいと言えばわかりやすいけど、
かなり不謹慎な形で「自爆によるステージの終了」が表現されていました。
同じく1993年に
イマジニアから発売された
ゲームボーイ版『レミングス』(1993 GB)では、
名称が「ヌック」となり、
物騒なキノコ雲はそのまま採用されています。
1994年にエレクトロニック・アーツ・ビクターが発売した
3DO版『レミングス』(1994 3DO)では、
キノコ雲の不気味さはそのままに、
名称が「ハルマゲドン」になり、
日本語にすると「最終戦争」なので、
この上ない物騒な内容になってしまっています。
このように、
「レミングス」では一番気を使った言葉を使っていた
サン電子が発売した『レミングス2』なので、
ローカライズにおける言葉の使い方を知っていたはずなのに、
「自爆によるステージの終了」が「NUKE」となり、
「NUKE」とは「核兵器」のことですから、
日本に対する配慮が全くなくなってしまったのは
本当に残念な出来事でした。
ちなみに、
『レミングス』では8種類しかなかったスキルが
『レミングス2』では48種類まで増えてしまったため、
複雑すぎて人気が低迷したと考える方が妥当だとは思うのですが、
「うめこ」「のりお」「ゆみお」など
英語版ではどのように表現されていたかわからないほど
手を入れているスキルの名称が山ほど存在するので、
「NUKE」の名称だけ手を抜いてしまったことには、
本当に疑問を持たざるを得ません。
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