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猛火の藁焼き

SakeBase

2021.10.19

2018年の末に車で高知県を目指すハードな旅に出た記憶を今でも鮮明に覚えています。高知県を目指して千葉県に戻ってくるまでに10日間もの期間を要した長旅でした。旅の目的は久礼という銘柄を醸す、高知県で最も古い歴史を持つ西岡酒造店を訪ねること。キッカケは都内で酒販店向けに開催された試飲会で久礼を西岡代表に注いでもらい、そこで中土佐町を案内してもらう約束をしたことでした。格安航空のLCC便で向かえば高知県まで約2時間で到着するのですが、車を選んだのには他にも理由があり、寄り道をしながら各地の酒蔵を訪ねて挨拶を交わせたらという想いがありました。旅をした10日間のあいだで10蔵の蔵元と出会い、その土地の文化に触れさせてもらう貴重な経験をさせて頂きました。行く先々でお世話になった蔵元の方々には本当に感謝です。そして、千葉を出発して5日目にしてようやく高知県へたどり着くと、南国特有の独特な文化に触れ、到着した初日からすっかり高知県の虜になっていました。滞在した3日間の夜ご飯は全てカツオの藁焼きを注文してしまいました。本当に美味しい!!特に印象深かったカツオの藁焼きは、西岡代表が昼食に連れて行ってくれた中土佐町の久礼大正町市場内にある田中鮮魚店のカツオの藁焼きです。田中鮮魚店は地元の港で朝、水揚げされたばかりの鮮魚を購入すると裏の藁焼き場で店主が豪快に藁焼きをして、最高の状態で提供してくれます。藁焼きされたカツオを持って向かいにある食堂に持ち込み、ごはんとお味噌汁のセットで頂くのが、中土佐スタイル。店主は自称“鰹ソムリエ”でカツオ愛が強すぎて脱サラして戻ってきた4代目。西岡代表とは顔馴染みで、僕が千葉から来たことを知ると特別にカツオの藁焼きを体験させてくれました。激しく燃える炎と藁の香りがなんとも心地よく、東京の飲食店で提供されるカツオの藁焼きとは全く違う豪快な世界観がそこにはありました。「この体験をお客さんと共有できたら楽しいだろうな。」という想いが当時、沸いていましたが、現店舗で藁焼きを行うのはなかなかハードルが高く実現は困難でした。しかし、3年前とは状況が大きく変化し、山田錦を自社で栽培するようになった為、安定して藁が入手可能になったことや取引先の食材の品質が高いこと、そしてなにより、2022年2月1日から新店舗に移転するという出来事が重なり、カツオの藁焼きを店舗で提供できる状況に変わりました。僕が大切にしている感覚である「日本酒を通して気付けた、日本の素晴らしい文化を皆様にお伝えする。」という目標を実現する為にも新店舗を通して、高知の素晴らしい食文化をお伝え出来たらと考えております。弊社で一生懸命育てた山田錦の魅力を余すことなくお伝えする為にも、カツオの藁焼きは弊社にとって必要不可欠なアイテムになりそうです。現在、カツオの藁焼きについて猛勉強をしている最中で、新店舗開店までに調理、コンセプト、焼き場の内装、デザインの情報を集めています。とりあえず、田中鮮魚店にアドバイスを頂きに高知県へ出発です!!(終)

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