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「どうせ働かない時代が到来するのだから、最後くらい楽しく働こう。」

2023.1.26

野村総合研究所が「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」と研究結果を2015年に発表していたことを思い出した。 10~20年後には、その未来が到来することを意味する研究論文なのだが、もう7年が経過したことになる。 私は大学1年の冬、この報道を聞いた時、そんな未来が到来するとは思ってもみなかった。 その時はインスタグラムも流行していなかったし、YouTubeも今ほどは普及していなかった。 テキスト形式のTwitterだけは結構な人が利用していたと記憶している。 振り返ると、デジタル社会の本格的な到来は新型コロナウイルスの流行後だったと思う。 感染拡大の防止策として、オンライン会議が普及するようになってからは、見違えるほど便利な世の中になった。 これこそが「新しい生活様式」だったのかもしれない。 そのようなこともあり、現代社会は超効率化が図られた結果、私たちの働く環境は大きく変わろうとしている。 「残業が辛い」、「休日が少ない」、「働きたくない」などの不満を家族や同僚に話していたことが懐かしくなる未来の到来だ。 その結果、ANAは年収3割削減を発表し、三菱自動車や東芝も大規模なリストラを行った。 また、みずほグループは週休3日制や週休4日制を導入した。 企業が1人の社員を一生、面倒を見る時代が終わりを告げたことを意味する。 企業側が社員の年収を保障できなくなり、業務を提供できなくなる。 そうなると、「メンバーシップ型雇用」といわれる、年功序列制や終身雇用制は機能不全に陥り、職務や能力に応じて適切な人員配置を行う、「ジョブ型雇用」へと切り替わる。 欧米型の雇用システムである「ジョブ型雇用」は成果主義の側面が非常に強くなり、結果を残せなかった社員は居場所を失うことになる。 そうなると、日本人は「今の会社で何十年も働き続けると思うと身震いがする」という不安から、「この会社で今後も働き続けられて幸せだ」という価値観へと変わるだろう。 人工知能が飛躍的な進化を遂げ、より便利になった近未来では、労働価値は薄れ、企業も優秀な人材しか雇わなくなる。そうなると、社会全体で貧富の格差が生じ、政府は対策を講じる必要も出てくるだろう。 実際に海外の一部の国や地域では「ベーシックインカム制度」が導入されていたりもする。 私は近い将来、日本でも「ベーシックインカム制度」が採用されると予想する。 貧富の格差を是正する策は「教育の格差対策」などの策はあるが、「超情報化社会」や「グローバル化」の波が急速に押し寄せてくる状況で、子供の教育プログラムの変更を協議している間に、時代に対する価値観が一瞬で変わっていく可能性が高いので、即効薬として「ベーシックインカム制度」の導入が無難な解答になりそうだ。 私は「ずっと働いていて偉いね」と言われ続けてきたが、仲間と共に会社を創り、働ける幸せを痛感しているからこそ、仕事がなくなることに危機感を抱いてしまう。 私がここで主張したいのは、将来に対する不安などではない。 私が主張したい内容は、人工知能やロボットなどが人の仕事を完全に代替してしまう前に、本当に挑戦したい仕事に向き合うことが最後に人類が取り組むべき課題だということ。 要するに最後くらいは楽しく働こうということだ。


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