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脱成長。

僕が会社を運営していくうえで、キーワードに挙げているのが「脱成長」。右肩上がりの成長がイノベーションを起こすのに必要な条件だとは思っていない。会社経営にチャレンジしていくなかで、資本主義は限界に近づいているのではないかとも感じている。無限の経済成長を望むことでの弊害も実際に生まれている。大量に環境資源を使うことで起こる環境負荷の問題や働き方改革に関する問題など。社会はあげればきりがないほどに問題が山積みな状況なのではないかと推察している。200年前の「過去」と「現在」を比較すると、寿命は約2倍に伸びていて、全世界のGDPは数十倍にまで成長している。これ以上、経済成長を目指す必要があるのか。それよりも、豊かな暮らしについて真剣に考える方が建設的なのではなかろうか。これについて僕は、「今の収入で十分に幸せになるマインド」を持つことが重要だと思っている。テレビCMで流れてくる高級車は果たして、心から気に入っているデザインなのか。彼女とのデートで利用したレストランは値段相応だったのか。一人一人が消費について再考することで可能性が広がってくると思う。平日にお金を稼いで、休日に使う。疲労困憊になり、憂さ晴らしのように消費する。この習慣からの脱却を図らなければ、労働生産性は上がらないと想定している。僕は現代の働き方に対して、長時間労働で無駄とストレスを大量生産している状況だと解釈している。例えば、休日2日の消費を抑えて、休日3日制を導入する。そうすることで、学習や読書、仕事以外の創作活動に時間を割くことが可能になるからだ。僕は経営者として従業員の働き方の持続可能性についても追求していく必要があると感じている。企業として向き合っていくことで仕事と生活の質が格段に上がってくると想定しているからだ。ちなみに、私生活でも生活の質を向上させるために、僕も積極的に挑戦していることがある。それは、消費を抑えること。なぜか。自分が導き出した答えは、日本はサービスの質が高いから安価なものと高価なものに、それほどの差が生じていないこと。例えば、東京オリンピックの選手村で提供された「味の素 冷凍ギョーザ」は選手から好評で、見込んでいた数の4倍近い60万個が消費されたそうだ。僕も「味の素 冷凍ギョーザ」を気に入っており、よく食べる。そして、「味の素 冷凍ギョーザ」と「高級中華料理店のギョーザ」に僕は値段ほどの差は感じていない。別に高級中華料理店を否定する内容ではない。ただ、自分にとって興味のないジャンルであれば、お金をかけずに楽しむことが必要だという話。なぜなら、お金が残れば余裕が生まれ、人生の選択肢も増えるからだ。僕は社会全体が良い方向に歩みを進めていくために、「消費」について理解を深めていくことこそが、未来の繁栄に繋がっていくと考えている。「タワーマンションで暮らしているから幸せ」、「高級レストランしか利用しない自慢をする人」よりも「300円の牛丼についての魅力を真剣に語れる人」の方が豊かな人生であると思う。そして、自然豊かで食事も美味しく、平和な国に生まれた僕たちは立派な勝組だと思う。次の時代の日本社会は「普通の生活」で笑顔になれる人がイノベーションを起こすのだと信じている。

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