「シンギュラリティ×日本酒」
2023.1.16
「シンギュラリティ」という言葉を知っているだろうか? 日本語では技術的特異点と訳され、AI研究者のあいだで使用されるようになった言葉である。 どのような意味なのか説明すると、人と人工知能の臨界点を指す言葉として、人の脳と同レベルのAIが誕生する時点を表している。 要するに人よりも賢い機械が人類に影響を与えることだ。 人工知能研究の第一人者である、レイ・カーツワイル博士は、「2029年にAIが人間並みの知能を備え、2045年に技術的特異点に到達する」と予言している。 これを「2045年問題」と総称する。 しかし、最新の研究によると、シンギュラリティは2025年に到達すると予想されている。 それは、2年で新時代に突入することを意味する。 シンギュラリティ後の世界は、「便利な時代の到来」というような生ぬるい話ではなく、社会の流れが一瞬で変化することが予想される。 これは、仕事がなくなるということだ。 特にホワイトカラーと呼ばれる人は心配しなければならない。 身体を必要としない仕事で、頭脳を使う系の職業が無くなる。 例えば、作曲家やイラストレーター。 90秒の曲が10秒程度で制作できる。 イラスト制作も同様だ。 この技術は2015年頃から急速に発達し、昨年にオープンソースになったことで活発化し始めたそうだ。 そうなると、映像コンテンツで採用する曲や絵コンテなどは機械に任せた方が安上がりで早い。 これで、イラストレーターに納期を急かす必要もなくなり、作曲家とエンディング曲の打ち合わせをする必要もなくなる。 これにより、制作コストや製作時間を圧倒的に削減することが可能となるのだ。 もし、仮に手直しをしたい部分があれば、そこだけ加筆すれば、満足のいく作品になるだろう。 簡単に説明すると、一から作品を制作する必要が全くなくなる。 人は一瞬で作品を制作することは出来ない。 しかし、AIは毎日毎分毎秒、成長を続け、作品を創造し続ける。 また、AIであれば曲やイラストが完成した瞬間、再生する時には違う要素を加え数パターン用意してくる。 当たり前だが、このスピード感に人は付いていくことはできない。 近い将来、私の社説もAIが自動で作成するようになり、自分で内容を考えなくても良い時代になるだろう。 残念なことなのか、仕事の負担が減って嬉しいのか、感情は人によって様々だろうが、仕事が無くなると、収入は減ってしまうことは忘れてはならない。 それに、人よりも圧倒的に優れた存在を認識した瞬間、不安な感情が生まれ、向上心を失ってしまうのではないか。 美術の授業では機械に絵を描かせ、建築家は機械に設計図を描かせるのが常識となる時代。 万物がloT化した世は最終的に人の存在意義自体も脅かし兼ねない。 シンギュラリティ後、必要なことは全て、機械が代行する時代。 「ウェルビーイング」が注目される現代、私たちは「働ける幸せ」についても協議していく必要がある。 2025年には自分のアップデートを完了させる。 生産年齢世代はシンギュラリティという大波が押し寄せてきた時、路頭に迷わないようにしておく。 私は「日本酒」の未来も一緒に考えていこうと思う。 そして、人は「情」の部分を再考していくことで輝きを保てるのではないかと想像する。