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獺祭の会長。
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獺祭の会長。

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2021.8.31

僕は夏の終わり、偉大な方とお話させて頂く機会を日本酒の神様から与えて頂きました。日本酒の神様がいるかどうかは分かりませんが、僕にとって特別で有意義な時間を過ごすことが出来ました。その方は、獺祭の名で知られる旭酒造株式会社の会長であり、実業家としてもご活躍されている桜井博志会長です。それも、約2時間に亘り、時間を設けて下さりました。そのキッカケは、弊社のホームページに掲載する「Q9」という蔵元に質問をするという企画に伴い、インタビューを依頼したところ桜井会長が快諾してくれたという次第です。絶対にお断りされるだろうなと予想していたので、まさかのお返事に驚愕しました。そこから山口県岩国市を訪問する日が楽しみで仕方がありませんでした。獺祭と僕の出会いは高校生の頃で、業務用酒販店でアルバイトをしていたのですが、お客様から「獺祭はありますか?」という質問を何度も何度もされた記憶があり、お酒を飲めない年齢ながらに獺祭の偉大さに日々、感服していました。日本酒の仕事を始めてからは雲の上の存在として、今日に至るまで常に目標としてきました。他にも、獺祭ブランドには伝説的なエピソードがあり、日本酒ファンのあいだで語り継がれている内容がいくつも残されています。内閣総理大臣を務められた安倍晋三首相がオバマ元大統領やプーチン大統領に獺祭をプレゼントしたという規格外のエピソードや劇場版エヴァンゲリオンに獺祭が登場したという記憶に残るエピソードなど。獺祭の美味しさが評判を呼び、人気に火が付いた結果、生産が追いつかず、2017年10月17日付の読売新聞朝刊に全面広告で、「お願いです。高く買わないでください」という趣旨の内容の記事が掲載されて話題になったりと、衰退産業でネガティブな話題が日本酒業界には多いなかで、ユニークで常に明るい話題を提供してくれる存在として、獺祭の躍進が日本酒業界に活気を与え続けていることは間違いありません。どこの酒蔵も獺祭の挑戦には常に注目しています。業界の巨木のような存在で、魅力的な獺祭を製造するのが旭酒造株式会社で、そこの頼れるボスが今回、お話しさせて頂いた、桜井会長なのです。ボスと表現したのには理由があり、旭酒造の社内の雰囲気は、訪問する前に想像していた「企業」という雰囲気ではなく、家業のアットホームさを、会長と社員のコミュニケーションからや蔵見学で案内してもらった、日常的な風景なのだろうというような、社員食堂のカレーやお味噌汁、会長と記されたスリッパ、最上階にある会長の自宅などから感じられたからです。訪問した人にしか伝わらないかもしれませんが、チームワークの良い海賊船のような温さを旭酒造から感じられるのです。陽気で仲間想いの船長と、頼れるクルー達。そんな雰囲気です。まさに荒波を乗り越えていく巨大海賊船。そこからは、噂されているような「大量生産の為、コンピューターが造っている。」という印象は、蔵人が酒と真剣に向き合い丁寧に仕込んでいる様子からは全く見受けられませんでした。旭酒造に対する批判や誤解を説いていく必要があると日本酒の仕事に携わる立場としても強く感じました。獺祭を批判するのであれば、獺祭より少人数で仕込みを行う酒蔵はたくさんあります。品質管理を怠っている蔵だって全国にはたくさん存在しています。話を戻すと、獺祭は桜井会長の鏡だと感じました。酒は造り手の心を映し出す。よく酒造業界で用いられる言葉です。業界のシンボルである獺祭と、強いリーダーとして組織を牽引する桜井会長。誰が飲んでも美味しいを追求した獺祭と、シンプルで明瞭な考えの桜井会長。他にも共通点はたくさんあります。獺祭が世界中の人を魅了するのも、フレンチの神様・ジョエルロブション氏が獺祭に惚れ込んだのも、チャーミングに微笑みながら挑戦を続ける強さ、桜井会長のチャレンジ精神に魅了されたからだと確信しました。挑戦を継続できる人には、人々を魅了する不思議な力があるのだと、桜井会長とお会いして感じました。僕も桜井会長から頂いたアドバイスを胸に、慢心することなく挑戦し続けていきたいと思います。ちなみに、頂いた貴重なアドバイスは「本質を考える。」でした。帰りの飛行機で真剣に考えた結果、SakeBaseの答えは「地球にやさしい原料と、人々を笑顔にできるレシピの日本酒を、ユニークな販売方法で!」でした。桜井会長には本当に感謝です。

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