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「風の森への旅」

2022.3.17

僕は酒蔵を中心とした旅行プランを推奨している。なぜなら、昔から酒蔵は米を備蓄する役割を担っていたこともあり、多くの人で賑わった歴史があるからだ。だから蔵元はその土地の盟主として、地元では知らない人はいないくらいの存在になった。だから酒蔵の周辺には観光名所や多くの飲食店が立ち並ぶケースが多い。そうなると酒蔵を中心とする旅行プランは理にかなっていると言えそうだ。僕は日本酒が好きなので銘酒が醸される土地へ直接足を運び、蔵の雰囲気を感じてから宿や飲食店でその蔵の日本酒を嗜むことが贅沢だと思う。僕は故郷が大阪府堺市で山を越えると奈良県御所市がある。奈良県御所市といえば、創業1719年を誇る、油長酒造株式会社がある。1998年から「風の森」を醸造する酒蔵として日本酒業界を牽引してきた存在だ。無濾過無加水生酒としてリリースされる「風の森」はラムネのような爽快感と綿あめのような優しい甘さが特徴的で、その親しみやすさと日本酒初心者にも魅力を伝えやすいことから支持を集めてきた。「風の森」は地元の米にも目を向け、秋津穂や露葉風という品種を用いて大切に醸してきた。仕込み水も蔵の敷地内に井戸を掘り、地下水を汲み上げる。「地元の酒は地元の米と水で」というように。そんな地域の魅力を凝縮させた液体である「風の森」について知る旅は最高だ。まず、「風の森」の原料米が栽培される峠の魅力について。峠の名前は「風の森峠」。1年中爽やかな風が峠を吹き抜けることから、この名前が付いた。そこから徒歩10分くらいの距離にある高鴨神社もパワースポットとして知られる。鴨氏一族、発祥の地としても知られ、氏神として祀られた神社である。4月中旬から5月初旬にかけて日本サクラソウが咲くので花見もおすすめ。また、神社の敷地内には「そば小舎」とよばれる蕎麦屋があり、名物の「鴨汁そば」が絶品だ。田舎そば特有の力強いゴツゴツとした触感とつけ汁の相性が絶妙なバランスを演出している。奈良県御所市を訪れたら外すことが出来ないグルメとなっている。奈良県は日本清酒発祥の地として知られ、日本酒について語るのに外すことができない土地だ。油長酒造も先代が活躍する時代から奈良に伝わる古典醸造を参考にしてきた。「興福寺多門院日記」や「御酒之日記」に記されている内容から当時をイメージし、日本酒の再現が行われている。日記が保存されている奈良県奈良市にある興福寺や正暦寺を訪ねて、醸造の歴史に触れてみるのもお勧めだ。「奈良は京都のついで」のような国内旅行のプランを立てる人が多いのだが、奈良に1泊することで体験できる魅力もあるのではないかと思う。奈良には都があったということもあり、貴重な文化が残されていたりする。また文化が残っていることから奈良の人の印象は落ち着きのあるイメージを持つ人が多いと思うのだが、意外と新しいものを生み出すパワーのある人が奈良の土地柄上、多いと感じていて奈良で多くの人と交流を深めることでイノベーティブなパワーを与えてくれると感じている。多くの人にとって奈良のイメージは先入観によって固められている場合が多いので、奈良の魅力を発信することでそのイメージを覆していきたい。

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