見出し画像

挑戦する1年

2023.1.1

大晦日が終わり、2023年が幕を開けた。毎年、正月になると抱負を考えるついでに原稿用紙に筆を走らせる。カッコよく表現してしまったが、実際には筆を走らせている訳ではなく、パソコンにタイピングする作業を行っている。かれこれ、この習慣も5年目を迎えた。毎年、新たな気持ちでパソコンにタイピングしているのだが、過去の原稿を見返してみると書き綴っている抱負が類似していることに少しの焦りを覚えた。その抱負は「初心の気持ちを忘れない」や「慎重」という内容が多く、穏やかな1年であることを願うものばかりだ。やはり、人はそう簡単に変われるものではないという事実に直面した瞬間でもあった。それだから昔の人は正月にはおせちやお雑煮を食べて、初詣に行くのだろう。そして、2月になると豆を撒き、3月になると雛祭りを祝うという行事を設定したのだと想像する。実際にテレビでは箱根駅伝を流し、エビスビールを呑んでいる。毎年、同じ過ごし方をしている自分に対して嫌気がさしてきた。仮にも、今年の正月は砂漠を歩き、来年の正月は南極を探索するのなら、新たな発見や気付きが生まれるはずだ。人は見通しが立たないと不安になり、決断すると安心するという性質を持つ。「自由に生きる」ことに強い憧れを抱くが、結局、人は管理されたい生き物なのだ。毎日の買い物だって、同じスーパーに通い、同じ野菜ジュースを購入しているのがその証拠だ。そこに隣に陳列された野菜ジュースを購入する勇気はない。もしかすると、新商品の野菜ジュースの方が栄養価も高く、美味しいのかもしれないのに。通勤の道順だって、同じ道を選んでいる。もしかすると、違う道の方がよっぽど安全で早く到着する可能性もあるのに、試さない。人は小さな習慣ですら変えられないのだ。それに気が付いた僕は毎年、似たような目標を設定するのではなく、新しい目標を立てることにした。それは、「挑戦する年」だ。すなわち、安定や保身から距離を置く年。今までの成功体験や習慣からは遠ざかり、常識ですら疑う年にしたいと思う。企業として、多くの人を受け入れ、取引先も無名な酒蔵が醸す、日本酒を探す。イベント企画も前例のないことに積極的に挑戦する。趣味にだって本気になる。漁船に乗ってカジキを釣りに行く。マタギに同行し文化を学ぶ。もし、変化を楽しめる人が成長を遂げるのだとしたら、365日くらい試してみる価値は十分にあると思う。「脱・安定志向」を掲げ、今までの成功体験やノウハウに囚われずに生きていく。それが、自分を新たなステージに導いてくれると信じて。今までは会社を軌道に乗せるために一生懸命取り組んできたが、これからは日本酒の価値を発信するために会社を利用していきたい。そこには積極的な時間や資金面での投資も必要になってくるが、怖がらずに挑戦していく予定だ。人生は1度きりだからこそ、やらない後悔よりもやった後悔で反省したい。2024年を迎えた時、お客様から「サケベースは随分と変わったね」と言われていたら挑戦は上手くいったと判断したい。見違えるほどに変化する年にしたい。小さな失敗には目をつぶり、その代わりに多くの収穫を狙う。成果を示すためにはある程度の勢いも大切なのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?