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【読了記録】ひねくれ騎士とふわふわ姫様 1巻

こんにちはこんばんはおはようございます、そしてお久しぶりです、さけおです。

体調崩しておりましたが、久しぶりに漫画を読みました、ので、ぽつぽつ感想をば。

今回はこちら。

ひねくれ騎士とふわふわ姫様 古城暮らしと小さなおうち - ガンガンONLINE

ひねくれ騎士とふわふわ姫様 古城暮らしと小さなおうち』。
葵梅太郎先生の作品です。第1巻が先日、2024年5月11日に発売になりました。

ひねくれ者の騎士・ルークスは、王命により第七王女・クローニアの婿になるよう命ぜられてしまい、王女が住むという古城へ向かうところからお話は始まります。

なんだって王女が古城などに住んでいるのか。何もかも謎に包まれたまま、結婚をお断りするべく足を運んでみれば、そこは使用人のひとりもいないオンボロ城。

柔らかく微笑んだ幼く無垢なクローニア姫と話す中で、ふたりは妖精が見えるという、国中から疎まれる互いの秘密を共有することになります。

とても優しく、心温まる物語でした。ぽつぽつ感想書いていきますね。

ネタバレは、無料公開されている1話と、あらすじ程度におさめたいと思っていますので、もし気になった方は是非読んでみてくださいな。

魅力的なキャラクターとストーリー


『家ってなんだと思いますか?』
そんなクローニア姫の問いかけから始まる本作。

優しいタッチ、心温まるストーリー。
魅力的なキャラクターに、ミニチュアの家という、たくさんの魅力が詰まった作品になっています。


とはいえ、優しいタッチの物語ですが、始まりは結構人間の、王城の人々の残酷さが散りばめられています。
本当にマイルドにしてくれているので深く考えないと読者側が傷つくことはあまりないと思いますが、ちゃんと考えると結構残酷。

自身の娘のことなのに、なーんにも知らない王様。噂好きで悪口ばかり叩く王城の人々。その陰口の中では第七王女へのよくない噂もちらほらと聞こえてきます。

ルークスというキャラクターは、妾の子という自身の生まれや育ちも相まって、貴族への心象が本当によくありません。にこやかで爽やかな笑顔の裏で毒舌を吐きまくる、ひねくれ者の騎士です。23歳だそう。

だから当然、王命とはいえこんな結婚はお断りです。貴族なんて大嫌いですから、こんな男お断りよ!と言われるべく、ルークスは古城へ向かいます。

でもそこにいるクローニアという15歳のお姫様は、拍子抜けするほどいい娘でした。

幼くあどけない笑顔。純真無垢で頑張り屋。でもちょっと引っ込み思案。どこまでも優しく、気遣いのできる子で、放っておけないタイプの女の子ですね。

何を隠そう私はですね、こういった純真無垢でちょっと気弱だけれど芯は強い頑張り屋のお姫様、という存在に大変弱い生き物でして。気づいたらもう吸い寄せられるように買って読み耽っておりましたとも。

そんな優しく愛らしいクローニア姫を前にして、ルークスが絆されて毒気を抜かれてゆくさまが、それはもう愛おしく思います。

生まれや育ち、これまでの経験からして、貴族という存在を毛嫌いしているルークスですが、ひねくれてるだけで根は全然いい人なんですよね。

自分自身を省みる余裕がちゃんとあります。
『貴族だから』という理由でクローニア姫を疑うシーンは、彼女と会うまでで終わっていて、会ったら即「なんかいいだから傷つけられん」って思ってる。これどうしよっかな……って悩めちゃう。

目の前の人間がどんな人間なのかを、ちゃんと見つめることができる人なのだと思いました。そしてだからこそ、クローニア姫も、ルークスのことが好きなのです。口が悪くても、ひねくれてて性格が悪くっても、優しいことを知っているのです。

こんな優しい世界あります……???

冒頭で一瞬見えた王城の冷たさが嘘のようです。もうあのオンボロ城で一生幸せに暮らして欲しい。ふたりで。1話時点でそう思わせてくれる漫画ですこれ。


ああでも、もちろんと言いますか、ルークスとクローニアが分かり合うにあたって、残酷な過去の描写を外すわけにはいきません。

クローニアの趣味は、妖精に家具やおうちを作ってあげることです。趣味で作っていたミニチュア家具を、妖精が気に入ってくれたことが始まりでした。

ルークスにその趣味を打ち明けた際、訪れた妖精からまた家を作って欲しいと頼まれるのですが、ここでこの感想冒頭にも書いた『家ってなんだと思いますか』、に繋がってきます。

妾の子であった上に妖精が見えたルークスと、妖精が見える上に少々特殊な生まれ(3話でわかります)だったことから不気味がられていたクローニア。

ふたりは『家』とは何か、をよく知らないのです。ふたりにとって『家』とは、安心できない、恐ろしい場所でした。

クローニアの問いかけに、打ち明けられた過去に、ああ、自分と同じなのだと感じたルークスの表情がとても切なくて、悲しくて。でも、唯一安心できた生みの母親のことを、その部屋を思い出す彼の顔は優しくて、すごく好きなシーンです。


ミニチュアのおうちがかわいい!


この漫画は、クローニアが妖精におうちを作る、というのがメインの流れになる漫画なのですが、これがまたかわいいんですよ!

2024年5月13日現在無料公開されております第1話では、クローニアが楽しげにティーポットのおうちを作るシーンが見られます。

可愛らしいティーポットの中に、妖精さん達が住まうおうちができて、小さくてオシャレな家具があって……。

ティーポットの蓋にはカラフルな瓦屋根、愛らしい曲線の窓枠に曲線の扉。壁に当たるティーポット本体には花の絵が描かれ、外にはベンチまで!

ミニチュア好きにはたまらない漫画ではないでしょうか、これ。
シルバニアだとか、ジオラマだとか……最近はミニチュア家具のグッズも増えましたが、好きな方には是非是非おすすめしたいです。

どの回のおうちもかわいくて、ついまじまじと見てしまうんですよね……拡大できるのでその点は電子で買ってよかったなと思いました。拡大してでも見たいかわいさ。

そもそもティーポットの中に妖精のおうち、なんて、そんな、そういう夢の詰まったことを!ほぼ毎回、手を替え品を替えやってくれるなんて!

想像力だけは無駄にあっても絵は描けないしデザインセンスもない字書きの私からすれば、もういくらだって見ていたい。

物語やキャラクターももちろん素敵なのですが、最早あのミニチュアのおうちだけでも一見の価値アリなのでは……と思います。


まとめ・書籍情報


面白かった〜〜〜!!2巻が待ち遠しいです。

ハートフルな、とても柔らかい手触りの物語。

マイルドにしてくださっているように見受けられるとはいえ、ルークスとクローニアの苦しく寂しい過去も垣間見えるため、どんなメンタルのときにでも読める!とまでは言えませんが、
過去回想程度なら大丈夫!という方には、いつでも読んでいつでも優しい気持ちになっていただける作品ではないかなと思いました。

巻末にある次巻予告では新キャラがお目見えする様子がチラ見えしていましたが、ちょっと不穏に見せかけてやはり優しいタッチのまま進むものと見た……!という感じなので、優しい物語に触れたい方に本当におすすめ。

あとミニチュア好きの方。ミニチュア好きの方本当におすすめ。特に洋風の、そう、シルバニア。シルバニアの類を愛している方にはめーーーちゃめちゃにおすすめします。

皆様是非是非、読んでみてくださいね。

リンクの方、以下に一部ですが貼っておきます🔗


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その他各所漫画配信サイト・電子書籍ストアで確認しています。



しかしこの優しい絵……優しい手触り……どこかで覚えが……と思ったら、『エルフと狩猟士のアイテム工房』の作者様じゃありませんか。

ずっと読みたい読みたいと思っていたら、気づいたら完結していて、ワーーッ!!読まなくちゃ!!と頭を抱えたまま、未だてんで手をつけられていない作品ですよ。もう次はぜってーこれ読む。今決めた。

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