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とにかく声をかけられて

小さい頃から、お店に入ると店員さんによく声をかけられた。妹と一緒にお店に入ると、「本当によく声かけられるよね…」と驚かれる。

"ラーメン"の間の"メ"だけが見事に消えて、「ラー ン」となってる看板を発見。なにあれ、と思ってスマホで撮っていると、前から歩いてきたおじちゃんに「ラーン?(撮ってんの?)」って話しかけれる。「うん、そう、ラーン」と私も言って撮り終えた。

はたまた別の日、東京の自分の家を出て駅に向かっている途中、道の段差にこしかけ座っているおじさんに「いま何時?」と聞かれる。「いま12時◯分だよ〜」と言って特に立ち止まることなく教えてあげる。その間、1分弱。


上野恩賜公園で本を読んでいると、鎌倉に家があり、美術の先生をしているらしいおじさんに声をかけれる。「あなたはこうだね」とか1時間ほど話をして別れる。

以前、韓国から日本に一人で帰国したことがあった。
私は韓国で一人、見事に駅で迷い「飛行機に間に合わないかもしれない!!!!」という焦りの中、現地でおじさんに道を聞かれる。はじめて「アイドントノー(必死の形相)」と答える。
見事特急に乗り込むと、今度は空港で外国人さんたちに電車のこと聞かれる。教えてあげたいけど私もちょっとわからなかった。ソーリ〜。

その日の最後、やっとこさ最寄りの駅まで辿り着こうとしたところで、電車の中で「あのう、バスの賃金足りないんです」と少年に声をかけれる。
「えっ」こんなに大人が他にも周りにいるのに????私が電車を見渡してしまった。

韓国帰りで大きいお金しか持っていなかったので、「ちょっと待ってね、次の駅で降りるから、両替して渡すね」と伝えた。キラキラした瞳に吸い込まれそうなほど綺麗な顔立ちをした少年は、私の隣にちょんと座って一緒に次の駅で降りた。

「お姉さん、こっちにエレベーターあるよ」となんだか親しげに言われ、コロコロを引いた私は何故だか少年にリードされながら駅の改札に向かった。

一足早く韓国から帰国していた妹と待ち合わせていた。改札に上がって、知らない美少年を連れた私を見て妹はギョッとしていた。


「ええっとこうでこうでね…」と妹に事情を説明する。私の話を聞いた妹は少年に「どこから来たの?どこからどこまでの賃金が必要?」「お母さんとは連絡つかないのかな?」と聞く。びっくりだ。私よりしっかりしている。

急にゴニョゴニョしだした少年。えっやっぱり怪しいのか??と思いつつも、妹の質問には返してくる少年。どうやら一応困っているらしい。さすがに見捨てられない。大金でもないし。美少年だし。言われるがままバス代を貸した。


というように、日頃から道を聞かれることも多ければ単に声をかけれることも多いのだけど、きっとこれはおばあちゃん譲りだと前々から思っている。


それがちょっと嬉しいのです。

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