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糖質過剰と人工放射性物質が体に悪いのは、人類進化と代謝の適応とが関係しているが、体温上昇、糖質制限、断食効果で細胞は修復される

 糖質過剰は人類が糖質を代謝できる体になってないということで、ガン、糖尿病、首イボ、シミ、骨粗鬆症他のほとんど全ての病気の悪化に繋がってくる。  

 人工放射性物質が体に悪い理由も人類の体の進化と適応に関係している。  

 例えば人類はヨウ素を集めて甲状腺でホルモンを作る仕組みがあり、全てのヨウ素は放射線を出さない。
 ところが原発事故で出来る「放射性ヨウ素」は自然界に存在しない人工放射性物質であり、このヨウ素を高濃度に濃縮するシステムによって、人の体内に高度に濃縮されてしまう。そして一生再発を繰り返す甲状腺ガンを生む。

 ストロンチウムはカルシウムに似ているので骨に蓄積し、セシウムは筋肉に蓄積することが知られている。
 これも放射性ヨウ素と同様に人体のカルシウムなどを高度に濃縮する仕組みが仇となって骨髄を中心に被曝して、白血病などの血液のガンや心筋梗塞などの心疾患を増加させてしまう。その他にレントゲンなどのX線などもあります。

 自然放射性物質は、カリウム40、炭素14、ラドンなどだが、ある程度までは進化の過程で人体が適応して、人体に高濃度に濃縮されない仕組みがある。排出される。完全に無害ではないが、体内被曝の有害度は低く、適応できない個体は淘汰されなどしてほとんど残っていない。

 つまり、放射性ヨウ素だとかセシウム、ストロンチウムはそもそも自然界にあまりないし、単純にβ線とかの放射線のみを比較すれば自然放射線と違いはないと言えないこともない。

 大概、原子力発電を推進する人々は「人工放射線と自然放射線に違いはない」というんだけど、確かに違いはない。
 だが、それは言葉のトリックであって、人工放射線を放射する人工放射性物質のセシウム、ストロンチウム、放射性ヨウ素は自然界に存在しない物なので、人間の身体の代謝が適応できてないので、体内に高度に濃縮されて非常に有害という説明を意図的にしない。

 てめーら、小学生か!あほか!何へ理屈いってんだよ!と言いたい所だが、自然放射性物質のカリウム40、炭素14、ラドンは濃縮しないのでほとんど無害だし、ラドン温泉などの刺激はSTAP細胞のように人間の細胞を活性化する効果もある。STAP細胞効果のようなものが人体には既に備わってる。
 体温を上げることで出てくるヒートショックプロテインなどで細胞を修復する仕組みがある。

 西日本の方が東日本より自然放射性物質のカリウム40、炭素14、ラドンなどが多いのだが、それは逆に西日本の人々は自然放射線に適応していて強く、温泉の効果で健康になって寿命が延びてしまうこともあるかもしれない。
 三朝温泉などでラドン温泉の効果の研究があるのだが、人体に害があるような刺激がある程度までは細胞の生命力を引き出すようなSTAP細胞効果があるように思う。

 ラドンは体内濃縮されないので、脂肪細胞に集積するらしいので、それが何らかの刺激を細胞に与えているのかもしれない。
 温泉のHSPによる温熱効果が大きいのかもしれないし、有馬温泉などの金泉、銀泉同時入浴がいいのかもしれない。
 ここら辺は分からないことが多い。


しかし、放射能泉として知られる鳥取県の三朝温泉で、三七年間にわたる死亡統計を調査した岡山大学の御船政明は、「三朝温泉住民のがん死亡率は、全国平均や周辺よりも低い」という結果を一九九二年に発表した。三朝温泉の放射能は、一リットルあたり平均約四〇〇ベクレルで、温泉地では屋外でも周辺の農村地帯の二・四倍ある。ある浴室内の放射能は一立方メートルあたり二〇〇-八〇〇〇ベクレルで、アメリカ環境保護局による室内基準値の一五〇ベクレルを大きく上回っている。このように三朝温泉では、空気中のラドンを日常的に吸入しており、さらには温泉を飲む習慣もある。ラドンに直接影響される肺、胃、大腸でがんが少ないことは、少なくとも「すべての放射線は有害」という考えに問題があることを示唆しているとした。 この報告が発表されてから、三朝温泉地区のような、低濃度のラドンに日常的にさらされているところに住んでいると、がんによる死亡率が低くなるのではないか、と話題になり、その後の「低濃度放射能の有効性(ホルミシス効果)」についての根拠としてよく引用されるようになった。

しかし、同じ研究グループが六年後(一九九八年)に発表した報告では、調査地域と期間が少し異なっていたが、三朝地域では胃がん以外の死亡率は低下しておらず、男性の肺がんはむしろ増加していた。前回の疫学的調査でのデータ収集方法に問題があるとの指摘もあり、調査の慎重さが求められている。

(中略)

天然放射能泉の多くは、二酸化炭素も含んでいる。放射能泉に二酸化炭素や食塩などが混じっていると、皮膚からの物質吸収は増加する。有馬温泉では、放射能泉と二酸化炭素泉が近くにある。高濃度に二酸化炭素が含まれている「金泉」と、ラドン・ラジウムが含まれている「銀泉」などをブレンドすると、両方の効果が高まる可能性がある。 体内に吸収されたラドンは、血流に入って全身を回る。一回の放射能泉への入浴で、浴後約二〇分で血液中のラドン量が最大になり、それから速やかに減少していく。血液中で最大濃度となるラドン量は、浴水中のラドン濃度の平均一・七パーセント。循環器系に入ったラドンは、いろいろな器官・組織に達する。
ラドンは脂肪と強い親和性があることから、脂肪が多い副腎皮質、脾臓、皮下脂肪、中枢神経系のリポイド(類脂質)、赤血球などに多く集まる。そのため、特に副腎皮質や脳下垂体の機能を強めるとされる。関節リウマチや運動器疾患の患者さんが、ラドン泉に入浴すると痛みが和らぐといわれる。これらは、ラドンが特に脂質の多い神経の髄鞘に親和性があって、この部分に作用するためと説明されている。

温められてタンパク質が変性すると,熱ショックタンパク 70(Heat Shock Protein 70: HSP70)と呼ばれるタンパク質を産生して、熱による攻撃に立ち向かう態勢を作り、傷ついた細胞を修復していきます。HSP70は熱の攻撃だけでなく、様々な攻撃すなわち様々なストレスによって細胞に発現してきます。
長寿遺伝子とは
ファスティング解説
老化を遅らせ、寿命を延ばすとされている「長寿遺伝子」は誰もがもっています。

アメリカのマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ博士によって、2000年にサーチュイン(Sirtuin)という長寿遺伝子が発見されました。 サーチュイン遺伝子は、人間に限らず、どんな生物にも存在していて、実際は、1つの遺伝子ではなく、Sir1からSir7まで発見されており、サーチュインファミリーとも呼ばれています。

これらの遺伝子からつくられるサーチュイン酵素は、次々に連鎖反応を引き起こし、最終的に100以上もの方法で、老化を抑制し、さまざまな病変を修復させることが分かっています。その中には、ミトコンドリアの修復や、免疫細胞の調整、動脈硬化の抑制なども含まれます。この遺伝子の中で、最初に発見されたのが、サーツー(Sir2)と呼ばれる遺伝子で、酵母菌の中から発見されました。Sirとは、「サイレント・インフォメーション・レギュレーター」の略で、「静かなる情報を規定するもの」という意味です。

ガレンテ博士は、サーツー(Sir2)遺伝子を取り除くと、酵母が早死にし、逆に増やすと長生きすることを解明しました。人間の場合は、10番目の染色体に存在していることがわかっています。

長寿遺伝子をONにするのは?
ファスティング解説
赤ワインに含まれるレスベラトロールも長寿遺伝子を作動させる栄養素として注目されている。

長寿遺伝子は普段はOFF状態。そこにスイッチを入れ、ONにする方法こそが、「摂取カロリーの制限」なのです。人類は長い歴史の中で常に''飢餓''との背中合わせでした。飢餓が続くと、子孫を残すという重要な任務が果たせないで終わります。そこで、栄養がきちんと届き、繁殖のチャンスが到来するまでの間、寿命を延ばし、生命力、生殖力を高めるために、長寿遺伝子が作動し始めるのです。まさに飢餓の時代が生んだ生き延びるための対策です。現代人は飢餓に見舞われることはないですが、普段よりも30%カロリーを制限した生活を続けることで、長寿遺伝子にスイッチが入るのです。

また最近の研究では、ぶどうの皮に多く含まれるポリフェノールの一種である、「レスベラトロール」という成分やインドネシアの植物「メリンジョ」も長寿遺伝子を活性化させるということがわかっています。
本日、発売開始 「糖質過剰」症候群/ドクターシミズのひとりごと

(以下アマゾンの紹介文です)
内容紹介
◎糖質制限の第一人者・江部康二先生(京都高雄病院)
◎『炭水化物が人類を滅ぼす』の夏井睦先生
大推薦! !

全身は着々と蝕まれている――
あなたを悩ませる病や不調の真の原因はここにある!

◎内容◎
肥満や糖尿病は、糖質が原因と認知されつつあるが、その他の多くの疾患も、元をたどれば一つの原因につながる――糖質の過剰摂取である。医療の現場ではまだ少数派の考え方だが、研究成果は世界中で報告され始めている。

著者は七千を超える論文を参照しつつ、「糖質過剰症候群」という新しい概念を提唱。

裏付けのある形で様々な疾患(糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、がん、脂質異常症、アルツハイマー病、うつ病、骨粗しょう症、片頭痛、非アルコール性脂肪肝、緑内障、白内障、加齢黄斑変性などの眼科疾患、変形性関節症、五十肩、脊柱管狭窄症、サルコペニア、甲状腺機能低下症、不妊症、子宮内膜症、乾癬、ニキビ、脱毛症、逆流性食道炎、難聴、パーキンソン病、前立腺肥大、頻尿……等々)と糖質過剰摂取との関係を説く。

◎目次◎

はじめに
第1章 糖質過剰摂取の危険性
第2章 様々な病気は糖質過剰症候群の一つの病態である
第3章 進化から見た人類に適した食事とは
おわりに

◎本文より一部抜粋◎
緑内障は「第4の糖尿病」――アルツハイマー病と共通のメカニズム
16カ国からの298万1342人を含む47件の研究の分析によると、糖尿病の人では緑内障のリスクが48%も増加し、発症後は毎年5%、緑内障になるリスクが上がっていた。
視神経や網膜は脳の一部であり、アルツハイマー病(第3の糖尿病)との関連も指摘されている。
アルツハイマー病において、緑内障に特徴的な網膜神経節細胞の減少や、視神経の変性、視神経乳頭陥凹、および視野欠損の進行が起きることが多数報告されている。
さらに、アルツハイマー病の人の緑内障の発症率は25.9%で、アルツハイマー病のない人の発症率5.2%と比較すると、格段に発症率が高い。
緑内障には脳のインスリン抵抗性が関わっていると考えられ、そのメカニズムがアルツハイマー病と共通するのである。
http://promea2014.com/blog/?p=8139

 人間が病気になっても細胞が修復する場合があるんだけど、ひとつは熱によって「熱ショックタンパク 70(Heat Shock Protein 70: HSP70)」が産出される時と断食効果で長寿遺伝子(サーチュィン遺伝子)が発動する時である。
 これに加えて糖質制限で「糖質過剰症候群」というガン、糖尿病、骨粗鬆症、変形性膝関節症などほとんどの病気悪化は防げるというか、糖質って毒喰らってるみたいなものなので、それは人類の身体が糖質を代謝できにくいという宿命を背負ってるからである。

 僕も首イボあるんだけど、「糖質過剰症候群」が関係してるのは気づかなかったよ。
 「糖質過剰症候群」のある人でも、インシュリンの分泌が多い人は太るが、インシュリンの分泌少ない人は太らない。痩せている。
 米国人は日本人に比べてインシュリンの分泌が多く太りやすいんだけど、日本人はインシュリンの分泌少ない人が多いので糖尿病が増えてしまうみたいです。 
 痩せている場合でも上記の病気がある場合は「糖質過剰症候群」なのだ。

 実は人類はたんぱく質、脂肪では太りにくく、糖質のみが肥満になる元であり、太ってる人が不健康な原因は「糖質過剰症候群」だからである。
 痩せてる人でもインシュリンの分泌少ないだけで、隠れ「糖質過剰症候群」の人もいる。本当に健康な人もいる。

 今の所、体温を上げる、糖質制限をしつつ、たまにプチ断食すれば健康に長生きできるかも。
 実を言うと、年を取ると自然に食事量は減るし、一日二食、一食になっていくので、そういうプチ断食によって糖尿病は防げたりする。

 相撲部の力士は意外と血糖値が低く、糖尿病がいない場合があって、この謎は一日二食にあって、19時頃夕食を食べたら、相撲部の力士は翌日の昼まで実に17時間のプチ断食を毎日してるのだ。
 相撲部の監督は夕食、夜食を食べてしまって、朝ごはんも食べるので、血糖値が高いという事例もあるのだ。
 朝食を食べ始めたのは江戸時代の職人かららしいのだが、それまでは日本人は基本、一日二食ぐらいしか食べてないのです。

 僕も実は基本、朝食抜いて、一日二食でプチ断食を毎日してるのだ。
 体重120キロでも血糖値も血圧も低く、健康診断オールAの秘密である。
 だが、不健康、未病状態であるのは間違いない。

 とはいえ、ぶどう糖液糖、食品添加物をなるべく避けた食事に変えて、基本、お茶を飲んでるとはいえ、バナナとみかんとりんごとキウイなどの果糖の取りすぎなので、未だに糖質中毒には違いない。
 数十年も患った糖質中毒なかなか抜くのは大変です。
 ヤク中、アルコール中毒より質が悪いです。

 合法麻薬が糖質なんですが、子供のお菓子、ジュース、アイスには大体、ぶどう糖液糖という精製された糖が入っていて、ダイエット飲料などに入ってる人工甘味料も凄いですが、こういうもので子供の頃に糖質中毒になる。

 それに加えてスポーツドリンクにも入ってて、運動しても不健康になるという更なる落とし穴があり、その糖質中毒なかなか抜け出せなくて糖尿病になるというのが今の人類の定番コースです。
 大体、このことに一生気づかないので、気づかないことがいい人生かもしれません。糖尿病と透析の医者は儲かるし、患者以外はいいことばかりで経済も回るしね。


 それよりミトコンドリアを殺してしまうビタミンミネラル不足の解消の方が問題で、農薬農業で野菜は年々、栄養価が減ってるし、葉野菜より根菜類がいいらしいし、この辺りが目下の課題です。
 今、僕の健康法はこの辺りまで来てます。




 話を戻すと、人工放射性物質として考えれば体内濃縮の有害度は桁違いになる。これ、名古屋スタディという子宮頚がんワクチン薬害のアンケートで健康な人のデータに、薬害患者と同じデータを混ぜ込んで、統計的優位差はないとしたと同様な悪質さを感じます

 捏造と迷信の科学の実例ですね。

 同じ意味でブドウ糖液糖、人工甘味料や食品添加物、遺伝子組み換え食品、例えばマイクロプラスチックなども人体は適応できてないので、体に悪くなる。

 ということで、細胞を修復する、免疫も上がる体温上昇、糖質制限、プチ断食の一日二食生活とか、一食の人もいるが、こちらの方が効果高いかも。
 タモリ、所さんがそうらしいのだが、一食の場合、胆石ができるリスクもある。
 食事期間が24時間と開きすぎるので、軽い間食をどっかで挟んで胆汁を出して、胆石を予防する必要が出てくるので、相撲部の力士的な朝食抜きの一日二食生活がいのかもなと思う。
 だが、この方法にもリスクがあるので、一ヶ月に一度ぐらいの頻度で二、三日のプチ断食がいのかもね。


「胆石ができてしまう原因としては、食生活が大きいですね。特に、炭水化物や糖質が好きな人、動物性の脂肪をたくさん摂る人がなりやすいです。

また、夜間に長時間食事を抜いたりするのもよくありません。治療は手術で胆のうを取るのが一般的です」(岡氏)

 結論としてはいろんな健康法を実践すれば、放射能のあふれる関東地方でも細胞が修復されて、ガンにかからない人もいるかもしれない。
 一番の治療は西日本の岡山県辺りに移住することだが、温泉の多い九州もいかもね。
 海外でオーストラリアもいいが、あそこはワクチン強制化があるから、あれもガンの増える要因だしね。ワクチンには有害物質が入ってるが、サイレントウイルスといって、最近、サルでウイルスを培養するので、変なウイルスがワクチンに紛れ込むリスクもありますね。

 来年は風邪やウイルスが実は人間を健康にするというお話を追求して行こうかと思う。
 風邪の症状は明らかに治癒反応であり、風邪にかかった後は実は健康になるんじゃないかという情報がある。免疫が上がるのは確かだし。

 島原は水が綺麗で、別府温泉の大分もいいし、熊本もお酒が旨くて温泉もありそうでいいかもね。
 甘口ワイン(糖質?)しか飲まないのだが。

 

※市川定夫著「環境学」より
「人工放射線も自然放射線も、生物や人体にたいする影響は同じである」との前提は間違いである。人工放射性核種には、生体内で著しく濃縮されるものが多く、それゆえに大きな体内被曝をもたらすという、自然放射性核種には見られない特質がある。それはなぜかというと、生物の進化と適応の過程と密接な関係がある。
この地球上には、生物が現れる以前から、自然放射性核種が存在していた。その代表的なものが カリウム40である。私たちは宇宙線、地殻中からのもの、食物などを通して体内に入ったもの、合わせると、年間850マイクロシーベルト前後の自然放射線の被曝を受けている。
自然放射線のうち、体内被曝と、地殻からの対外被曝の大部分はカリウム40である。これは、生物にとって重要な元素であるから、否応なしに体内に入ってくる。しかしカリウムの代謝は早く、どんな生物もカリウム濃度をほぼ一定に保つ機能を持っているため、カリウム40が体内に蓄積することはない。生物が、その進化の過程で獲得してきた適応の結果なのである。
次に多いのはラドンであるが、希ガスであるため、体内に取り込まれたり濃縮されることはなく、すぐ体内から出ていく。
これらの自然放性物質と異なり、著しい生体濃縮を示す人工放射性物質は、いずれも自然界には存在しないものである。
例えば、ヨウ素がそうである。天然のヨウ素は、その100%が非放射性であり、生物は、この非放射性のヨウ素に適応して、哺乳動物なら、それを甲状腺に選択的に集めて、成長ホルモンをつくるのに活用する性質を獲得している。
また、ヨウ素は、海に豊富に存在するが、陸上には乏しいため、進化の途上で陸上に生息するようになった植物は、ヨウ素を効率よく高濃縮する性質を獲得してきている。つまり、現在の高等植物がヨウ素を空気中から体内に何百万倍にも濃縮したり、哺乳動物がヨウ素を甲状腺に集めるのは、いずれも、天然の非放射性ヨウ素に適応した、みごとな能力なのである。
ところが、人類が原子力によって、放射性ヨウ素をつくり出すと、進化の過程で獲得した、こうした貴重な適応が、たちまち悲しい宿命に一変し、その放射性ヨウ素をどんどん濃縮して、体内から大きな被曝を受けることになってしまうのである。
ストロンチウムも同じである。この元素の自然界での存在量はわずかであるが、この元素と科学的性質が同じカルシウムが大量に存在し、生物にとって重要な元素の一つとなっている。天然のカルシウムには、放射性のものが存在せず、それゆえ生物は、この元素を積極的に取り込んで、骨、歯、鳥の卵殻、貝殻、エビやカニの甲羅などをつくっている。つまり、カルシウムをこれら組織に蓄積、濃縮するのである。このカルシウムと化学的性質が同じストロンチウムも、これら組織に沈着、濃縮される。したがって、原子力によってスチロンチウム90をつくり出すと、28年という長い半減期をもつこの人工放射性核種が、これら組織に沈着、濃縮されることになる。ストロンチウムはベータ線をだして、骨髄などの組織に集中的な被曝をもたらす。
このように、人工放射性核種は、自然界になかったものであるため、生物をあざむき、生物が長大な進化の過程で築きあげたきた貴重な性質が、たちまち悲しい宿命に一変するのである。そして、このことこそが、原子力の最大の問題である。(転載終了) 


ひだまり 5つ星のうち5.0

微量放射能の危険に関する先覚者のよくわかる講義
2012年9月2日 Amazonで購入

市川定夫先生は、生物学者で、ムラサキツユクサのおしべが、生物への放射線の影響度を示す明白な指標となることを発見した人です。
さきに書かれた「遺伝学と核時代 ムラサキツユクサは警告する」(1984)では、半生とその中での研究の経緯が語られていましたが、本書では、基調としては、第一巻にあるように、「生物の進化と適応の過程を忘れた科学技術」がテーマとなっています。第三巻の第一章では、有害人工化合物の生物への影響について論じています。
それも面白いのですが、現在の私たちの切実な関心は、放射線による生物への影響のメカニズムにあります。
放射線安全論はどうせおかしいはずだとは感じるのですが、どこがおかしいのか、なかなか見破れません。この第3巻の75p〜255pまで、つまり大半が、この問題を扱っています。この本が出版された2008年は、今にして思えば、何と安全な時代だったのでしょう。そのとき、私たちが苦しんでいる放射能問題を日本人の学者が明快に警告していたのです。

第二章の目次を書き出します。
第二章 生命と共存できない原子力
 一 恐るべき原子力災害   
 二 放射線は微量でも危ない
 三 人工放射性核種の生体濃縮
 四 再処理と高レベル放射性廃棄物
 五 マレーシアのトリウム廃棄物
 六 無数のヒバクシャ

この中で、今重要なのは、人工放射性核種の生体濃縮の項の中でも、体内被曝の生物への影響の重大性と人工核種はなぜ生体内に濃縮するのかという問題を扱った部分でしょう。
原子力推進側は、「人工核種も自然核種も、生物や人体に対する影響は同じ」という前提を置いてきましたが、ムラサキツユクサを使った実験を契機として、それは間違いであり、「人工核種が濃縮する」ということが証明したということが重要です。違いの理由は、環境と生体内での放射性核種の挙動の違いにあり、進化と適応の過程にかかわるものだとしています。
例の、放送局の番組内での食品の汚染に関するカリウム詐欺など、犯罪事件ともいいたいものでしたが、この本では、カリウム40、ラドン(連続するポロニウムも含むでしょうね)などは濃縮しないから、悪影響が少ないというメカニズムを述べています。
人工核種のヨウ素、ストロンチウム90などは、進化の過程で、放射性核種が天然にはなかったために、生物は進化の過程でこれを素材として自分の体を作ってきたため、汚染後も人工核種も積極的に体の材料にしてしまい、特定の場所に選択的に集めてしまいます。もしそこからγ線では5cmの場所に生殖腺があるならば、5mの外部被曝の場合に比べて10000倍被曝することになり(それはそうですね)、α線、β線の場合には、体内に入った場合に、そこで、集中的に大きな被曝をもたらす、ということです。外部被曝では、皮膚にでもつかないかぎり、あまり大きな問題にならないかも知れないことが、内部被ばくでは、とんでもない結果をもたらすのですね。
このように生物学的に説明されてみれば、たしかにそうだろうなと分かりますが、そうしたことも、市川先生たちが解明してきたものです。

放射線に人工核種も天然核種も違いはない、カリウム40を大量に取っているのだからセシウムも大量にとって大丈夫などという安全神話が執拗に繰り返されていますが、これはばかばかしいうそ、ということになりますね。

この本には、原発推進派からの研究や活動への妨害行為、海外の希土類採取鉱山で日本企業が働いた悪事なども、その体験から綴られています。その意味では実体験に基づく化学時術批判の書であり、原発批判の最前線にあった市川先生の良心ともいえる本でした。

 

 

 

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