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治水洪水対策の基本は川の浚渫改修と堤防整備、北陸新幹線JR車両基地は元々遊水地だった、ダム利権の問題、田中康夫の脱ダム宣言は正しかった?

浚渫(しゅんせつ、dredging)は、港湾・河川・運河などの底面を浚(さら)って土砂などを取り去る土木工事のことである。浚渫作業用の船舶を浚渫船(しゅんせつせん)という。

浚渫 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9A%E6%B8%AB
 


 結論から言うと、治水洪水対策の基本は川の浚渫を定期的にやることと堤防が基本で、遊水地なんかも有効です。
 ダムは大雨になると放流しないといけないのもあって、次善の策で効果は薄い。
 ただ、ダムは全く無駄ということはなくて発電にも使えるし、単純に優先順位のようなものです。
 本当に必要な川の浚渫をおろそかにするから、水位が上がって堤防も決壊するのです。
 ダムは地震の原因になるデメリットも考慮して、水位はなるべく下げておいた方がいいかも。

追記3:四川大地震(2008年)の原因もダム?  

 四川大地震(2008年5月、10万人以上が犠牲になったといわれる)が、四川省に作られていた紫坪鋪(ジビンプ)ダムによるものではないか、と中国政府の一部の関係者や科学者が主張し、自然災害だとする人々と対立している(雑誌『Days Japan』 2009年3月号,、9頁)。このダムは震源からわずか5kmのところにあり、最大11億立米の水を蓄えることができるダムだ。  

追記4:かつて世界一の高さを誇ったダムは、(地震と)地滑りで大事故を起こし、廃棄されました  

 イタリアにあるヴァイオントダム(バイオントダム)はイタリアのヴェネト州ピアーヴェ(Piave)川の支川ヴァイオント(Vajont)川の深い渓谷に作られた、アーチ型のダム。1960年11月に完成した。当時、堤高262mと当時の世界最高だったダムである。  

 しかし、このダムでは貯水開始後、ダムに起因すると思われる地震が頻発するようになり、そのために地盤が弱くなっていたのだろう、水深が130mとなった時点で最初の地滑りが発生した。この地滑りで貯水池が二分されてしまった。このため、二つの貯水池を結ぶバイパス水路が作られて、ダムとしての機能を維持した。  


この本の目次
 ● 前書き … …5
序 章 世界各地で「人造地震」 9
第1章 はじまりは一九六二年、でももっと前にも 15
第2章 世界各地のダム地震 25
第3章 シェールガス開発以来、米国で急増した地震 55
第4章 原因は「水圧破砕法」 75
第5章 最近の「人造地震」、中国でも韓国でも騒ぎに 87
第6章 CCS( 二酸化炭素の回収貯留実験) 101
第7章 地下核実験が起こす人造地震 119
第8章 日本に人造地震が「ない」理由と、いまの日本をめぐる地震や火山の状況 131
第9章 地球になにかすれば、地震が起きる 145
第 1 0 章 「人工地震」は「人造地震」とは違う 159
 ● 後書き … …169

この本のまえがき

 人間の活動が地震を起こす例が増えている。しかし、日本では本にまとめられたことはない。

 「図らずも」人間の活動が起こしてしまった地震がいちばん多く報告されているのは、シェールガスやシェールオイルの採掘である。そこで行われている水圧破砕法(すいあつはさいほう)が地震を誘発しているのだ。シェールとは、泥や土が堆積(たいせき)してできた頁岩(けつがん。英語ではshale、シェール)層のことだ。この地層に含まれるガスがシェールガス、原油がシェールオイルだ。頁岩層は地下数百~数千メートルにある。

 しかし、それら以前にも、高いダムを作ったために地震が起きた例も世界中で報告されている。地下核爆発が地震を起こした例も少なくない。また水圧破砕法以前の旧来の手法での石油採取でも、じつは地震を起こしていたのではないかという研究もある。

 一般向けに、科学者がきちんとした科学的見地から、この問題についてまとめるような本が出版されたことはない。本書は、その最初の本になる。

 世界各地に人造地震が起きていて、日本でだけ起きないという理由はあるまい。しかし、国際的にも地震学の高い研究レベルを誇り、地震学者の数も世界最多である日本での研究は進んでいない。

 本書に書いたように、日本の地震学者が発言しない理由がある。

 第一には、日本ではふだんから起きる地震のレベルが高いので、この種の人造地震が起きても、ふだんから起きている地震と区別できにくいことだ。これをいいことに、たとえ人造地震が起きても、それを自然に起きた地震だということは可能である。こうして、日本で起きているかも知れない人造地震は、すべてが自然に起きる「自然地震」とされてきた。

 第二に、日本では政府も電力会社も、この種の研究を好まないことがある。研究予算としては民間のソニーもトヨタも頼れない地震や火山の研究では、国の予算しか頼るものはない。研究費を縛られるため、日本ではこの種の研究がほとんどないし、専門家も育たない。地震や火山の研究では国の予算しか頼れない事情ゆえ、政府の意に染まない研究はとてもやりにくいのである。

 欧州や米国など先進国の地震学会ではこの種の研究が進んでいて研究書も出されているのと比べて、日本はずっと後れているのだ。

 ところで、こうした人間による地震の発生は、各種の陰謀論と結びつきやすい。ネットなどでは、そうした論や情報があふれている。電磁波によって天候を変えたり、地震を起こしたり、火山を噴火させたりするという「地震兵器」や「HAARP」という言葉がネットで踊っている。だが、この本では 地震学的にはあり得ないことなので、この種の記述はしていない。

この本のあとがき

 人間のさまざまな活動が地震を起こすことについて書いてきた。

 この種の人間活動は、人類や地球の未来を救う「期待の星」であることが多い。

 二酸化炭素の回収貯留実験(CCS)も、地熱発電も、シェールガスも、期待の星である。

 CCSは地球温暖化対策として、大気中の二酸化炭素を地下に貯留するものだ。地球温暖化対策の切り札とも言われている。

 また、化石燃料を使った火力発電だと、資源の枯渇と二酸化炭素を大量に排出する問題があるために、再生可能エネルギーを使おうという趨勢になっている。その再生可能エネルギーのうち、昼夜とか天候に左右されない安定した発電が地熱発電である。これからとくに日本で増えるだろう。

 水力発電や人類の食糧を支えるダムもそうだ。化石燃料の枯渇を救う水力発電や、食糧の確保によって人類の未来を担う農業用のダムも期待の星だった。

 そして、シェールガスやシェールオイルの採掘。これは、従来の化石燃料の枯渇を救って今までになかった資源が得られるものだった。

 だが、これらがいずれも、図らずも地震を起こしているのだ。

 じつはCCSは日本の各地の沿岸や東京湾その他にも実施する計画があるようだし、また、いま工事が進められているリニア中央新幹線計画も、トンネルの掘削で、あるいは開通後にも、地震を起こすのではないかと言われている。シェールオイルも日本で試掘が行われ始めている。

 また、石油などの化石資源が少ない日本では有力視されているメダンハイドレート採掘がある。日本近海は世界有数のメタンハイドレート埋蔵量を持つといわれている。

 メダンハイドレートは深海底にあり、「燃える氷」と言われているものだ。これから産業として始まるかもしれない新燃料、メダンハイドレート採掘も、もしかしたら地震を起こすかもしれない。

 さまざまな人間活動の結果として人造地震が世界各地に起きているのに、日本だけに地震が起きない理由はあるまい。だが、この本に書いたように、日本では研究も進んでいないし、それゆえ対策もない。

 現実を直視しないで、将来の希望はない。意図とは違って地震を起こしてしまう事実を明らかにすることによって、はじめて次の段階に進むことが出来るのだろう。

 この本が、陰謀論とは明確に一線を画した科学的知見に基づく本になることを著者としては望みたい。

 この本を書くことを薦めてくださり、終始励ましてくださった花伝社・平田勝社長に深い感謝を捧げます。また、編集者としてこの本の編集に努力してくださった大澤茉実さんに感謝します。


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(紀元三世紀頃の岡山県中央、南部)

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(江戸時代初期の岡山県中央、南部)

古代より鉄の産地として栄えた吉備国。

その鉄の原料となる砂鉄を採取する為には砂鉄を含む土砂から砂鉄を分離する必要があります。

そこで人々は河川や水路を使い砂鉄を採取(鉄は重いので下に沈む)しました。

必要のない土砂はそのまま上流(中国山脈)から下流(瀬戸内海)へと流れていきます。

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海へと流れ出た土砂は瀬戸内海に浮かぶ島々に当たって堆積。

これを加速させたのが備前物(備前長船など)と呼ばれる刀剣。

商都・備前福岡を通じて全国へ発信された備前物の需要は高まり大量生産が行われ、それと同時に大量の鉄が消費されていきました。

そのことによって土砂の堆積が進み、やがて干潟が出来上がります。

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岡山を大いに発展させた戦国の大大名・宇喜多秀家はこの穴海に広がった干潟に着目。

新田開発を行う為、島々を繋ぐ汐止め堤防の工事を家臣の岡家利と千原勝利に命じます。

2人は高松城水攻めで使われた蛙ヶ鼻築堤の技術を活用し、堤防を完成させました。

宇喜多堤以降、江戸時代も穴海の干拓は行われ、吉備の穴海は消滅したというわけです。

ガッテンしていただけましたでしょうか?(・∀・)

中国地方最大の平野、岡山平野。

実はその平野は鉄と干拓が生み出したものだったのです。


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(現在の岡山県、江戸時代まであった吉備の穴海は完全に消滅して、児島湾に変わる)

地区概要
児島湾の干拓は、世界的にも有数な規模で、岡山平野の耕地約2万5千haのうち、8割に当たる約2万haが干拓によって生み出されている。

秀吉の備中高松城水攻めがあった天正10年(1582年)当時、瀬戸内海に浮かぶ児島(現在の児島半島)と本土との間には、20余りの島々が点在する「吉備の穴海」と呼ばれる浅い海が広がっていた。

東の吉井川、西の高梁川、中央部に旭川と岡山県の三大河川が全てこの海に流入し、上流部の中国山地において、たたら製鉄のための砂鉄採取や、製鉄に不可欠な木炭を得るための伐採が長く続けられていたことから、土砂が大量に流れ込み、その強力な沖積作用で干潟が発達していた。

干拓するには好条件であったこの地は、古代から細々と干拓が続けられていたが、戦国時代の宇喜多家、江戸初期の備中松山藩の干拓により、高梁川左岸が児島と陸続きとなり、児島湾が誕生した。また、備前岡山藩重臣の津田永忠らにより、沖新田1,900haをはじめとする大規模干拓が行われ、江戸時代だけで約6,800haの新田が生み出されている。

明治に入り、士族への授産事業として、明治政府はムルデルに干拓計画の策定を依頼したが、児島湾奥部を大規模に干拓するという、そのスケールの大きさに驚いた政府は資金難を理由に断念、その後紆余曲折を経て、大阪の豪商藤田伝三郎に委ねられ、明治32年に着工した。しかし、ここは堤防を築いてもすぐに沈んでしまうようなぶ厚い泥の海であった。藤田組は難工事の末、昭和16年までかけて、一、二、三及び五区の計約2,970haを干拓。昭和14年に着工した六区(920ha)は、その後中断、昭和24年に農林省が引継ぎ30年に完成。また、七区(1,670ha)は、昭和19年に農地開発営団により着工、22年に農林省が引き継いだ。

一方、児島湾干拓の進展に伴い、農業用水の不足が顕在化してきたため農林省は、延長1,558mの児島湾締切堤防と2つの樋門を築造することで、児島湖を淡水化し、農業用水を確保するとともに、水位を調節して、塩害や高潮から背後の干拓地を守ることにした。こうして、昭和34年には面積約1,100haの児島湖が誕生、その4年後、昭和38年の七区完成により干拓工事は完了した(四及び八区は計画されたが実施されず)。

ムルデルの計画書策定から、実に80年余りが経過していた。


 岡山県の倉敷市や岡山市は紀元三世紀ぐらいは海の底だった。
 岡山も倉敷もただの島だった。それが三大河川の流す砂で陸地になった。
 つまり、問題は川の砂なんだよね。

 明治時代の児島湾干拓などもしてるのでそれが大きいのですが、全部が砂ではないのだけど、河川の作用が非常に大きい訳です。

 詳しくいうと、川の砂が堆積して島との間に干潟が出来る。そこをちょこちょこ干拓していって新田を作っていっていた。
 江戸時代には吉備の穴海はかなり狭くなっていって、後の児島湾の原型ができる。
 そして、明治時代の児島湾干拓によって巨大な農地が出来ていきます。
 

 砂は常に溜まっていって、川底はどんどん上がっていく。
 堤防を高くしても川の浚渫を定期的にやるなどしないと効果ないし、川幅を広げる、川自体の流れを変えるとか、遊水地など工夫しないといけないんでしょうね。
 それと、山の保水力を上げるために、植林などの山の手入れもしないといけない。ダムの出番は最後の最後ぐらいになります。
 これが治水の基本だと思う。

 川底の掘削、堤防やその嵩上げ、川幅を広げる、合流地点の川の流れを変える、遊水地を作る、山の保水力を上げる対策ときて、最後にダムを作るになるが、デメリットは地震の原因になるので、そこは色々考慮しないといけない。
 地道な対策が必要なんだね。

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 治水対策としては、ある場所を意図的に洪水にするという手法もあるのだが、首都圏を守るために埼玉県が浸水するとか、意図的にそういうことが為されてるのもあります。
 今回は隅田川下流の首都中心部(中央区、銀座とか)を守るために、水門閉めて荒川周辺が犠牲になるという非情な決断が秘かに為されてたりする。まあ、仕方ないか。
 大阪などでもそうですが、堤防の高低をつけて、中心部を守るような構造になってるそうです。 
 弱者が割りを食うのは常ですが、洪水起こりやすい地区から住宅を移転して、その地域を洪水時の遊水地にするのが本当はいいんだけどね。

調整池が機能「首都圏大洪水防げた」 上空から識者分析
 13日午後、本社ヘリから災害に詳しい安田進・東京電機大名誉教授(地盤工学)が、台風19号によって関東平野の各地で氾濫した河川の状況を見て回った。

 浸水で多くの利用者らが一時孤立した特別養護老人ホームがある埼玉県川越市では、東京湾に注ぐ荒川水系の越辺(おっぺ)川の堤防が決壊しているのが見えた。確認できたのはカーブの出口で、安田さんは「水が勢いよくぶつかり、堤を削ったのではないか」と話した。

 栃木県佐野市では利根川水系の秋山川が決壊。「堤防が低く、水位が上がると決壊しやすい」との見方を示す一方、流れは比較的直線で詳しい原因調査が待たれると述べた。

 安田さんは、より多くの水を集め、流域面積が広い大河川やその支流が各地で氾濫したことを挙げ、「19号が広範に記録的な雨を降らせたことが改めて浮かび上がった」と語った。その一方、荒川の調整池である彩湖や、利根川水系の渡良瀬川が流入する渡良瀬遊水地にも大量の水が流れ込んでおり、「これらが機能し、下流の首都圏の大洪水を防ぐことができた」との見方も示した。

(朝日新聞デジタル 2019年10月14日 08時00分)


 中国地方も台風の高潮被害で海水の逆流対策でゲートを作ったりもしています。
 地道にやるしかないのかな。


大浚渫の結果、上流50kmまで海の塩水が逆流
利根川下流部の大浚渫が完了した直後の昭和33(1958)年、利根川の上流奥深い50kmまで海の塩水が逆流した。利根川沿いの千葉、茨城一帯の農作物は壊滅的被害を受け、飲料水も使用不可能となった。流域の人々は「潮止め堰(ぜき)を造れ」と叫んだ。

国は後追いで、潮止め堰の利根川河口堰を建設することにした。この痛い失敗の末、下流部の大規模浚渫では必ず河口で塩水を止める、という教訓を得た。

全国の新幹線基地、6割が浸水エリアに 避難対応進まず

 全国にある新幹線の車両基地のうち6割が、自治体が公表する浸水想定エリアにあることがJR各社への取材でわかった。台風19号では長野市にある北陸新幹線の基地で車両10編成が浸水したが、車両を避難させる手順など対応のルールづくりは各社とも進んでいない。


 それと本来、遊水地だった北陸新幹線JR車両基地が浸水するのは分かっていて、その対策でダム作ったら大丈夫という理論があったが全くの間違いだったことが証明された。
 わざと、遊水地だった所にJR車両基地を作った。
 地名的にも、大字赤沼、長沼になっている。
 元々農地でもあるので、岡山県の真備町と同じパターンで、事前にハザードマップでも浸水は予想されていたらしい。 
 全国六割のJR車両基地は浸水するらしいけど、これもたまたまじゃなくて、利権がらみかもね。
 土地が単純になかったからかもしれないが、浸水対策の地下遊水地とかした方がいいかもね。

 これは子宮頸がん検診をおろかにして、薬害の多い子宮頸がんワクチン(60倍)を推進するのが本末転倒なのと同じです。
 この話を聞いた時、ワクチン同様に何かの利権の臭いがするなと思ったら、やっぱり、利権がらみだった。


 当時、この危険性は国土交通省の官僚の方もちゃんと提言してたはずだが、政治家や官僚上層部、ゼネコンの利権などでダム建設が強行された。
 治水洪水対策の川の浚渫や川幅広げたりの河川改修対策を疎かにしたのが問題だった訳です。

 田中康夫の脱ダム宣言は動画を観てもらったら分かるけど、脱ダムだけでなく、治水自体を見直そうというものだったことが、今更ながら分かって来ます。

 治水洪水対策は官僚も真面目にやってるのに、大企業の利権が割り込んでできて、税金がダム建設でゼネコンに流れてしまって、本当の治水洪水対策がなされないのは困った事態ですね。

 ここでも、政府や自治体が国内ゼネコンや外資企業に乗っ取られてる弊害が出ているのかもしれないですね。

 大企業、多国籍企業に忖度するあまりに、海外には存在するダムによる人造地震の研究論文だとかが日本にはほとんどないみただし、そういう科学も大企業、多国籍企業利権で日本では消滅してしまうようです。

 科学も医学も、大企業、多国籍企業利権で歪んでしまって、迷信になってしまうという僕の主張をわざわざ証明してくれて感謝してます(爆)



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