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『夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く』感想

めちゃ面白かった!
表紙のイラストに惹かれて、読み始めた。
スターツ文庫の本って、表紙が綺麗で大好き!
冬野さんの『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』とか。

空っていいよなーって思った。
一瞬一瞬で表情を変えて、晴れも雨も美しい。写真では映らないから、絵を描く。

この世界は自分のもの。自分の目で見るものは、自分にしか見えないから。自分のものだから、好きなように生きていい。

「この世界は俺のものだ。俺の目に映る世界は、全部俺のものだ」

だから青磁の絵はあんなに綺麗なんだ。自分の世界だと思って見つめているから、綺麗なものがたくさん見つけられるんだ。

こんな風に思えるのは、青磁が死を意識しているから、死ぬのが怖いからなのかな。終わりを知ると、一瞬一瞬を大事に生きようと思うんだね。
人生を頑張って生きる為には、今を頑張って生きることだと、誰かが言ってたのを思い出した。

でも、一瞬一瞬を積み重ねていけば、人生はそんなに短くもないのだ。

茜はマスク依存症。取り繕った笑顔で自分の心を隠すように、マスクで表情を隠している。

青磁はぶっきらぼうでサッパリしてる奴じゃなくて、実は穏やかで優しく、繊細なんだよね。それを隠しているのも、実は茜と同じだったんだね。

茜の心の声は、昔の自分に戻りたかったってことなのかな。茜が恋した青磁は、昔の茜になりたいと思って振る舞ってたから。

僕も茜と同じかもしれない。いつからか、取り繕った笑顔をしてるかも。でも案外そうじゃ無いかも。
昔の茜とか、青磁みたいになりたいね!

「誰かと一緒にいると、私はいつも相手の顔色を読み、自分が不快な思いをさせていないかということばかり考えて、疲れてしまうのが常だった。そんな私にとっては、誰が側にいようが気にせずに、まるでひとりでいるかのように気ままに振る舞う彼の隣は、とても楽な居場所だった。」

これは今の茜の言葉だけど、この楽な居場所って、実は昔の茜のことなんだよね。

「さっき通りかかって初めて知ったよ。なんで言わねえんだよ?  この前そこで会ったときにでも言えばよかっただろ、手伝いに来いって。お前が自分で言ったんじゃねえか、協力しろってさあ」

「俺はお前が嫌いだ」って言葉に、この話の全てが詰まってた。

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 水彩画、油絵描きたくなった。
 作中に出てくる河川敷、地元の好きな景色と似てるなって思った。東海村の原発が見える河川敷。
 映画は、、なんか合わなかった泣

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