2021 エリザベス女王杯 予想

【個別分析】
①レイパパレ MS G1.5
Sの補完のあるM系で、宝塚、オールカマーと負けてはいるが量抜きの本質での競馬でも悪質な挙動を見せていない所は好感。宝塚でのカレンとの0.3差というのを馬のランクの判断にして良いと見ている。G1で牡馬相手でも十分やれているレベルの先行馬が夏に使っておらず休み明けの前走1人気4着でストレス、疲労はほぼ無いという状態。差しに回る形がベストだが流石のルメールでも掛かるリスクを考えると無理には下げないと思われる。先行では楽は出来ないので勝ち切るには相手が弱かったり何かしらの恩恵が必要にはなるが個体として評価を下げる必要はない。

②クラヴェル LC/CL OP〜G3
一時的にCLっぽい挙動を見せているが軽斤を活かしての牝馬特有のリズムで持ってきているイメージ。個人的に準OPで勝ち切れていない所がどうしても引っ掛かる。マーメイドSは裏技を使ってのものだしローカル質のセカンドクラス重賞でもS不足で勝ち切れないのを見るとやはり本質的にしっかりしたレベルの馬ではないという判断をしている。

③アカイトリノムスメ  M G2〜G1.5
底力とそれなりの馬質を備えたM系。量系でもないしS系でもないのでここでびっくりするようなパフォーマンスをして来るイメージは湧かないが、ここを馬質と鮮度で「耐える」という観点だとかなりしっくり来る。普段あまり鮮度というファクターは重視しないが、こういう耐えられるかどうかという場面でこそ使うのが鮮度だと思っている。この馬の耐えたパフォーマンスでどの位置に来られるか。レイパパレと良い勝負になっても全然おかしくない。

④イズジョーノキセキ LC/CL OP
この馬はクラヴェルの一時的にCLというイメージよりはそもそも格に従順なLC系で、走りやすいレベルの相手の時にCLっぽい走りをして来るというイメージの馬。重賞レベルだとS不足も目立つ。

⑤ステラリア ML OP〜G3
馬質も能力も足りていない。前走の差しもかなり楽をした形だし、前に行って良さが出るようなものは積んで来ていない。

⑥ランブリングアレー CM G2
体力補完のあるCM系でSが若干弱い。ショックとか鮮度はあまり関係ないタイプ。C主導なので前哨戦からバリバリというタイプではないが格の判断としてはG2ランクとしている。前走はC系の休み明けのボヤけのイメージと仕掛け遅れもあっての凡走で挙動的にも別に悪いものではない。京都外回りの22で位置を取る形がベストだが個体のタイミングとしては無難にパフォーマンスを上げて来られる場面なのであとは乗り方次第。前走を見たら仕掛け遅れは避けたいとなると思うので積極的な騎乗に期待したい。

⑦シャムロックヒル LS OP
一定の軽さもあるタイプのLS系。前走は明確に楽→苦のタイミングだったので仕方ないがそもそも馬質も能力も足りていない。今回単騎で逃げられれば開放感はあるのだがそれを込みで最大限跳ねたとしてもレイパパレより上のイメージはない。

⑧テルツェット SC G3・G1
Sが表に出ており、SCの可能性が1番高いかなと思っている。馬質的にラヴズオンリーユーとかアカイトリノムスメのようなどっしりとしたG2どんと来いタイプではなく、G3ならいつでも、G1でもタイミング次第ではいけますという一撃タイプのイメージで見ている。旬は短いと見ているが痛烈さはあるので常に警戒した方が良い。VMは鮮度的に耐えられる可能性もあったが量系ではないこの馬では反動が出やすいタイミングだったので着順に関しては気にならない。今回は間隔が空いているのでそれなりに走れる状態にあると見ており、初の22という距離でも内回りによってL感の要求度合いは弱まるので対応出来る可能性は持っている。半信半疑ではあるが面白さはある。

⑨ウインマリリン SM G2
S主導だが補完がしっかりあって破綻を起こさない良質な馬。言うは易く行うは難しで、前哨戦を無難に勝てるというのは評価に値する事だと思っている。馬としては前哨戦ホースでも交互系でもないが、前哨戦をしっかり走って本番はそれなりという戦績を刻んでいくイメージ。仮に今回の状態不安がなかったとして、同じ4歳のレイパパレとの戦績を単純に比較した時に短期的にも中期的にもこちらを選ぶ必要はないと思う。馬質としては個人的にはマリリンの方が好みだがそれとこれとは別。

⑩ムジカ LC OP
以前M3タイプについての個人的見解の記事を出しましたが僕の中でS質のイメージは闘争心ではなくエネルギーです。そのエネルギーをスタートから放出させるS系の逃げ馬、溜めて溜めて最後に爆発させるS系の追い込み馬というイメージです。挙動的にエネルギー主導の馬もいますがそれが頭抜けていない限りは補完する要素がないと競走馬としての完成度は物足りないものになります。
この馬はそれなりの精神構造はあるが重賞レベルで考えた時にそのエネルギー、Sの観点で土俵に上がれていないという判断になります。前走の差し脚も自身の勢いではなく、相手が弱いからスルスル伸びて来れるという相対的なパフォーマンスの範疇に過ぎないというイメージです。

⑪ソフトフルート LM OP
追い込みの形でなんとなくごまかしているが基本的には弱い相手向きのL系で、マーメイドの1人気8着がほぼアウトだと思っている。前走がこの馬なりに走りやすい場だったのでそれなりに躍動感のある走りをしており、そこから格上げでとなると追い込みでごまかす以外になす術がない。

⑫デゼル LC/CL G3
格に従順なLC系で相手が自分より弱い時はCLっぽい走りが出来るというタイプ。阪神牝馬までは量の範疇だったと見るのが良さそう。現状はG3以下の少頭数で楽な追い込み競馬をさせてやるのがベスト。今回追い込み競馬で5着はあっても2まではほぼあり得ない。

⑬リュヌルージュ LC OP
強調材料なし。

⑭ロザムール SL OP〜G3
パワーと体力が補完されているS系の逃げ馬。ローカルG3なら逃げでドンと来いというタイプだがこういう格の場では厳しい。レイパパレが連続で後ろにいるのも厳しい。

⑮ウインキートス SL G3
明確にLの保有があるS系。分かりやすく交互系だと思います。前走の2着は最大限の上げ幅を使っての2着で、あそこをこの馬の本質としては置かない方が良い。

⑯アカイイト LS OP
体力主導の重いLS系。前走について、重たいので始動が遅く、休み明けから万全ではないというのはあるのかもしれないが、今回に向けては活性も弱いし評価出来るポイントがない。

⑰コトブキテティス L OP
体力寄りでLMとするにはS不足がキツいのでL単体という評価。活性の弱さをカバーする形で小回り20→東京24という臨戦でなんとか結果を出しているがそこ止まりのパフォーマンス。ここでは能力的にも活性的にもノーチャンス。


【評価】
◎レイパパレ
◯ランブリングアレー
▲テルツェット
△アカイトリノムスメ

構図としては宝塚記念3着の馬が横綱競馬をして、そこにベストな乗り方をした場合のランブリングアレーがどこまで迫れるかというレースかなというイメージです。なので2頭の序列は上記の通り。
面白さで言ったらテルツェットになりますがあくまで単穴の評価に留めるのがベターかなという事で▲。一発はあるので頭まで可能性は見ています。
アカイトリノムスメは相対的に相手が弱くて連対まで来る可能性はありますがタイミング的にあくまで「耐える」場なので評価としては△止まり。

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