花神(下)

「花神(下)/ 司馬遼太郎」読了。革命の成り立ちは、まずは松陰のような思想が興り、西郷や龍馬のような政治人がシナリオを組み立て、大村のような技術者が仕上げを作る。大村益次郎は生半可な感情は持たず、ストイックに維新の成功を理詰めで追求し、ついに成しえた人物である。(8)

色々な思惑や信念が渦巻いている革命期に、一貫して自分の仕事だけを緻密な計算力をもって成し遂げた益次郎。しかし感情に振り回されない機械的な性格が、皮肉にも暗殺される原因にもなった。10年後の西南戦争まで予想できた益次郎が、自分が暗殺されることを予想できなかったことに考えさせられる。

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