【楽曲解説】野良犬に鎖
クリスマスイヴに配信開始となった咲花-サカナ。-のデジタルシングル「野良犬に鎖」。
クリスマスソングでもなんでもないのだけれど、マスタリングが出来上がって手続きをしたところ、たまたま最速で配信できるタイミングが24日だったというだけのお話。
配信期間は2023年12月12日まで。
一応は期間限定ということになるのだが、国内の主要配信サービスでは聴けると思うので、気が向いたときにでも。
https://linkco.re/Yz1eYdv0?lang=ja
この「野良犬に鎖」は、編曲、ギター、レコーディングエンジニア、ミックスにマスタリングと、大部分をYukiさんにご協力いただいて、過去のオムニバスアルバム収録曲とは違うテイストでまとめてみた。
端的に言えば、昭和歌謡ベースのレトロな作風。
ギターソロのニュアンスや、上モノを使わず、骨太なバンドサウンドだけでドラマ性を表現する構成など、出来上がったオケを聞いて作曲者として小躍りしたほど、かゆいところに手が届くアレンジに仕上げてもらったな、と感謝が尽きない。
ゼロ年代発の歌謡ロック。
もともと自分の中にはルーツとして持っていた音楽性で、はじめはこういうのを期待されていた気がしないでもない。
実際、その方向性の楽曲もいくつかストックとして持っているのだけれど、「NO VISUAL, NO LIFE」シリーズの反響が思いのほか大きく、セツナポップ路線の印象が強まっていた実感もあって、もしかしたら路線変更と見なされるかもしれないな、と出しあぐねていたのが正直なところ。
そのため、この路線での一発目はサブスクで誰でも聴けるようにしよう、とデジタルシングルという形態を選んだ形だ。
前述のとおり、リリース日は偶然なのだが、結果的に、ルーツのひとつとして間違いなく影響を受けているジュリィーの解散の日に、それを隠さずに作った1stシングルを出すと言うのも、ちょっと運命的なものを感じたりもするし。
原曲は、確か「同じ空の下」と同じぐらいに出来上がっていて、歌モノが多いからライブで盛り上がれる曲を、と作ったのを覚えている。
サビでの台詞の部分は、レコーディングに際してはじめて追加。
当初、ここは単純に煽りを入れるための隙間だったのだが、咲花-サカナ。-として発表する以上、ライブ意識はまったくの不要。
無用の隙間が空くのも面白くない、と台詞を挿入してみた。
知っている範囲で"犬"にまつわる知識やことわざを集めて、ヴィジュアル系的にハマりそうなワーディングを選別。
今後に繋がるコンセプト的に、雨のシーンと繋げたかったので、狂犬病の犬は水を怖がるという「金田一少年の事件簿」にて学んだ知識を参考に、雨の中で孤独のまま一生を終える、というラストシーンが完成した。
台詞の部分はあえて歌詞には載せていないので、ちょっと聞きづらく加工しているところ、耳を澄ましてもらえると。
ちなみに、配信音源の登録は、5、6年ぶり。
その間にレギュレーションが変わっていたようで、ちょっと苦労した。
なんでも、咲花-サカナ。-というアーティスト名での登録は、アーティスト名に読み仮名等を補記してはいけないというルールに抵触するから修正しないと審査が通らないらしい。
一方で、過去に配信を行っている場合は、アーティスト名を修正することができない仕様のため、にっちもさっちもいかない状態に。
最終的には、「咲花-サカナ。-」で正式表記なんだというのをBASE SHOPのURL等を送ることで了承してもらい、審査を通すことが出来たのだけれど、バンド名にこだわりがあるヴィジュアル系バンド、こういうところでも苦労があるのだな、とほんのちょっとだけ内側を知った気分。
これで終わりにせず、第二段、第三弾のリリースに向けても動いていきたいが、サブスク配信を断念して、noteとかでデータを販売していたら察してほしい。