【ショートショート】あの世界線での完全犯罪
これはとてつもないトリックだぞ。
閃いた瞬間に汗をかいた。すぐさま準備に取り掛かり、ひととおり仕込みを終える頃には数時間が経過していたが、不思議と疲れは感じない。ハイになるとは、きっとこのことなのだろう。
新大久保の駅から10分ほど歩いた鉄筋コンクリートのマンションに、"奴"は住んでいた。
呼び鈴を鳴らすと無防備にドアの隙間から顔を出したので、用意していたロープを首に巻き付け、そのまま両端へ引っ張る。"奴"は一瞬だけ呻き声をあげて、しばらくして崩れ落ちた。もっと抵抗される