女心と春の空
先日、ネトフリの映画を見て強く印象に残ったことがあった。
それは迫力のアクションシーンでも衝撃のラストでもなく、女心の複雑さだ。
例えば「もう連絡してこないで!」と言われた時の男の対応。
連絡しなかったら「私の事なんてどうでもいいのね!?」と冷たい男認定され、
連絡したら「連絡してこないでって言ったよね!?」としつこい男になる。
二者択一ではない。言わせてしまった時点で詰みなんだと思った。
しかし、今回のケースは "連絡しないでと言ったのは本心ではなく、連絡して欲しかった" が正解だった。
なるほどね。
…………………………………
わからない。
基本的に言葉の裏を読むのが苦手な生き物なので、受け取った言葉をそのまま受け取ってしまう。
結果として「ちょ、待てよ」が正解だったので、やっぱりキムタクはモテるべくしてモテている。
どうして義務教育に「女心」の科目がないのか?
国英数社理に女心を追加してくれれば、ちょっとした心情の変化に気づいてあげたり適切なタイミングで壁ドンができるのに。センター試験に顎クイを追加してほしい。
そんな女心を学ぶのは生きていく上で大事なことだと思い、手始めに少女漫画を読んでみた。
主人公の女の子に自己投影しながら読んでいくと、鈍感な気になるアイツにモヤモヤしてくる。
次に、ファッション誌であれば実際に着るつもりで可愛い服を選び、メイク雑誌は己の肌質に合ったものを探し出した。
これまで興味のなかったネイル、占い、K-POPに触れ、「可愛くてごめん」の振付を踊ってみる。この辺りから「私、女だっけ?」と錯覚し始める。
その域に達すると今度は可愛くなりたくなってきた。
少女漫画の主人公の方ではなく、モデルとか色々やってる学校一のマドンナの方に。
誰もが振り向く可愛さを手に入れたくなった。
そこで「この世で1番可愛いもの」と検索すると犬の画像が貼られていた。
たしかに犬は可愛い。
どんなイケメンも美女もやがては衰えていくけれど、犬の可愛さは不変だ。
食べて寝て遊ぶだけで老若男女誰もがメロメロになる。そこに居てくれるだけで幸せな気分にさせてくれる最強生物、それが犬だ。
そうなると、今度は犬になりたくなった。
けれど犬にはなれない。
外で四つん這いになって歩けば通報されかねない。でも犬のような "可愛げあるやつ" にはなれる。
思えば少女漫画の「マドンナちゃんはキレイで性格も良くて私なんか敵わないよ」と泣いてる主人公が最終的にマドンナに勝つのは "可愛げ" があったからだ。
少女漫画の主人公と犬のような素直さ、思いやり、愛嬌。
それらをひっくるめて、その人本来の持つ可愛げがあれば女性だけでなく人類から愛される。
ずいぶん遠回りしたけどその事を悟った。
そんな今日は花見という名の桜を見る会。
職場の行事なのでいつもなら嫌がるけど、可愛げを知った自分に敵はない。
鼻毛が出てる先輩に上目遣いで「鼻毛出てますよ!!」と可愛げたっぷりに言ったら、普通に嫌な顔をされた。
男心も複雑だった。
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