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今週の台所・鶏の甘酢煮

最近は、手羽先で作る鶏だし、チキンブイヨンにはまっている。

ふと、鶏の手羽先以外の胸肉、もも肉でも同じようにできないのかなあと思い、先日、もも肉バージョンを作ってみた。まだまだ改善が必要な感じだったのだけど、そのときそれ以上に困ったのが、煮込んだもも肉。1時間も煮込んだもも肉の調理について考えるのは、はじめてのことだった…。

冷蔵庫にはしばらくの間、甘酢がちょっとだけ残っていて、ずっと使ったほうがいいよなあと思っていた。

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容器に対して、甘酢の割合が少なすぎる…。ちなみに浮かんでいるのは昆布…。

そのとき、テレビのCMでやっていた「鶏のさっぱり煮」について思い出す。テレビで見るたびに、ああ、これは絶対おいしいやつだよ、ああ、食べたいなあ、と思っていた。

ふと、「鶏」と「酢」という組み合わせが頭の中でつながる。今回はアイデアを借りて、ちょっとアレンジさせてもらうことに。ちょっと残った甘酢に、甘酢の量の1/3程度の醤油を加えて火にかけ、その中にもも肉を入れて煮込んでみる。

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鶏肉全体に味がしみわたっていて、甘さ、しょっぱさ、ちょうどいい酸っぱさが感じられた。おいしいというよりほっとする味で、ぱくぱく飽きずに食べていられる味。これは、絶対お弁当に入っていてうまいやつだろうなあと思った。

食べたあと、これはラーメンにいれてもいいのではないかと思い、残りの鶏肉の甘酢煮を使って今度はラーメンも作ってみる。スープには、冒頭で触れたもも肉の鶏だしと、昆布・かつおの混合だしを半分ずつ。煮卵も甘酢煮の鍋に入れて少し味をつけてみる。そして最後に、その甘酢だれを完成したラーメンにまわしかけてみた。

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おいしかった。一番ほほうと思ったのはスープ。いつも自分でラーメンを作るとき、スープの味でよく苦戦していた。甘酢だれはそのいつものうまくいかなさをいい感じでぼかしてくれて、それがよかった。甘酢だれの甘さと薄味のスープの間に、調整が必要な感じはあった。でも、スープの上のほうでは鶏の甘酢だれの味がほどよく感じられ、同時に本来のほんのりだしのスープの味も残っていて、また改善を加えて試してみたい味だった。

いずれも、食べてしょっぱなに感じたことは、うまい! そして、そのあと遅れてやってきた気づきは、「いつもとは違う味のおいしさ」について。最近、味付けするときは塩麹・醤油麹を利用することが多く、しばらく甘酢を使うことはなかった。

でも、甘酢ってやっぱりうまいなあ、すごいなあと、今回しみじみ思うのだった。初めて作った甘酢煮をサラダと食べたとき、ラーメンと一緒に食べたときの、うまい! の感覚は強く頭に残っている。うれしくって、おお! と感動があって、ほっとして。バラエティの豊かさや、食べたときの楽しさ、うれしさ、そういう気持ちって大切だよな、と、今回しみじみ思うのでした。同時に、甘酢ってこういう使い方もあるんだ、甘酢めっちゃ便利じゃんと、再び甘酢にはまりそうな予感もあります。

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