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イブ・サンローランの名声を高めた『モンドリアンのコンポジション』


1965年、20世紀を代表するデザイナーの一人、イブ・サンローランは、直線的なAラインに、黒い直線で分割された大胆な原色の配置したドレスを発表し、サンローランが世界的な名声を得るきっかけを作った。

サンローランのドレス


これは、オランダの画家、モンドリアンの代表作《コンポジション》から閃き、ほぼそのまま引用した。

モンドリアンとコンポジション


サンローランとモンドリアンの権利関係については私は知らないのだが、1965年といえば、欧州の著作権法が改定された年で、著者の死後70年間は著作権が保護されることになった年だ。

1965年時点で、モンドリアンの死後21年が経っているのだが、旧法でも著作権の保護期間内だ。
一般的に考えると、サンローランはモンドリアンの著作権を管理しているところとなんらかの契約をしたと考えるのが妥当だろう。
しかし、サンローランがモンドリアンの作品を基にしたことについては黙認された可能性は0ではない。

一斉を風靡したイブ・サンローランのコンポジション

ところで、「センスとは、知識である」と多くのクリエイターがいう通り、そもそもサンローランがモンドリアンを知らなければこのファッションは生まれていなかったのは確かだ。

何を創造するか?の前提として、どれだけの物事を知っているか?
が、とても重要だ。

人間の創作物の多くが知識の組み合わせとアレンジの結果だ

生まれながらに持つ感性と、その後の努力によって培われたセンスと技術。この二つを高いレベルで持ち合わせている人を一流と呼ぶ。

和文化デザイン思考オンラン講座 

成願 義夫


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