彼岸花を晴れ着の図柄に使ってはいけない理由
彼岸花(曼珠沙華)を晴れ着(正装)の図柄に用いてはいけない理由をご存知でしょうか?
「彼岸花の柄は晴れ着や式服(振袖、留袖、七五三、等々)には使えません。
この花は古来より、不吉とされているからです。
不吉な花とされている理由は?
そもそも、明治時代ぐらいまで日本では死者を土葬するのが一般的でした。その死体をモグラやネズミや虫から守る為に毒性の強い彼岸花を墓の周りに植えたことから、墓場や死者とつながる彼岸花が不吉とされるようになりました。
よって、彼岸花の別名には不吉な意味が込められている事が多いのです。
『火事花』『疫病花』『死人花』『幽霊草』『血花』『毒花』『痺れ花』などの別名があり、綺麗な姿とは対照的に日本各地の風習の中で忌み嫌われ、不吉とされた歴史がある事を物語っていいますね。
このような理由から晴れ着や式服の図柄としては用いられません。
ただし、浴衣や小紋、あるいは着る本人が意味を知った上で、夏の街着として着る場合はとやかく言われることはないと思います。
着物を扱う者が、一生に一度の大切な晴れの日にお客様に恥をかかせたり、嫌な思いをさせない為にも、伝統のしきたりや意味謂れの知識は必要です。
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