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『尽くし』という日本の伝統的美意識

日本の伝統文様には「〇〇尽くし」という形式の文様があります。
「桜尽くし」「実尽くし」「蝶尽くし」「宝尽くし」「松尽くし・・等々。

このように同じ目的や分類で括った事物を取り揃えて表した文様を『〇〇尽くし文様』と呼びます。

「尽くし」は、日本人独特の考え方で、事物を1テーマに絞って分類し、その全てを取り揃えてこの世を満たす富貴の吉祥を寿いでいます。

実際に文様として全てを描くのは不可能ですが、名前を『〇〇尽くし』とすることで、全てが揃っているという意味になります。

成願義夫デザイン


上の画像は、私が以前描いたスマホカバーのデザインです。
タイトルは、「さくらづくし」
このデザインには、実際の桜全種類を描いている訳ではないのですが、『尽くし』とう題名によって、「全てが描かれていることにする」という暗黙の了解の上に成り立つ文様です。

そして「尽くし」は文字通り「尽くす」からきた言葉で、意味としては「完結」や「極める」「満ちる」にも通じています。

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成願義夫 着物図案教室

成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー
株式会社京都デザインファクトリー 代表取締役社長

●代表作と最近の活躍
関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。
長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。
サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況
2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。
2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。
2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  
著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。
また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計7万冊を突破していまだにロングセラーを続けている。
成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている

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