見出し画像

『ラストマイル』が描くものを想像してみました

監督:塚原あゆ子×脚本:野木亜紀子の最強タッグがおくる「アンナチュラル」と「MIU404」の世界線と交差するノンストップサスペンスエンタテインメント!

公式サイトより引用

映画『ラストマイル』(2024年8 月23日公開予定)がとても楽しみです。『アンナチュラル』と『MIU404』を見返しているのですが、野木先生の作品にはあるテーマが描かれていることが多い気がしました。
それは「善と悪」。「善」は護られ「悪」は裁かれるべきである。
そして、「悪」に染まろうとする人々は「善」により救われて欲しい。
そのような信念を感じます。

ドラマ2作品から『ラストマイル』に描かれるテーマが浮かび上がってくるかも知れません。

■「想い」を大切にする作品たち


『アンナチュラル』はUDIラボという不自然死の究明をする法医解剖医が所属する組織が舞台です。
死ぬ間際に残したメッセージや、遺体に刻まれた想いをすくい上げるというのがテーマです。
つまり「死者の想いを無駄にしない」「事件を闇に葬らない」と言った想いが込められているように感じました。
それは「第2話 死にたがりの手紙」の集団練炭自殺に偽装された殺人を見抜いたことにも象徴されています。

『MIU404』は警視庁第4機動捜査隊の活躍が描かれます。
「事件が大きくなる前に解決する」「初動捜査が解決に導く」という内容です。
「第3話 分岐点」でのピタゴラ装置に象徴されるように、道を踏み外そうとした人物をすくい上げる伊吹藍(綾野剛)と見過ごしてしまった九重世人(岡田健史)の対比や、そこからの九重の成長物語としても楽しめる作品です。

では『ラストマイル』は何が描かれるのでしょう。
UDIラボで法医解剖医が活躍し、第4機動捜査隊で警察官が活躍してきました。
『ラストマイル』でも上記2作品の主要人物が登場するということなので、ご遺体を解剖して不自然な死からヒントを得たり、初動捜査で小さなヒントを見逃さないというシーンがあるかも知れません。
『ラストマイル』ではショッピングサイトの物流センターで起きた連続爆破事件が描かれるとのことです。
物流センターのセンター長(満島ひかり)が主役ということなので、上記2作品とは違いいわゆる一般人が事件を解決するという物語になりそうです。

■「ラストワンマイル」とは

元々は通信業界に用いられていた用語で「生活者や企業に対し、通信接続を提供する最後の区間」を意味していたが、現在は、物流、交通業界において多く用いられ、「顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点」を指す。

Wikipediaより引用

「ラストワンマイル」とはこのような意味らしいです。
つまり我々に荷物が届く前の最後の要とも言えます。
ある運送会社は一年間に約20億個の荷物を配達しているそうです。
もしこれら荷物の一部が爆弾やウイルス兵器だったとしたら。
日本は壊滅してしまうほどの脅威にさらされることでしょう。
もし物流センターで爆破事件が起き、そのあとで「宅配物に爆弾を仕掛けた」と脅迫するだけで日本中を大混乱に陥れることも可能でしょう。
tiktokやYouTubeを使い自宅で段ボールが爆発したフェイク動画を流せば一気に信ぴょう性が増すでしょう。

■善は我々の中にある


『ラストマイル』もおそらく「善」が「悪」をくじく作品になると思われます。
その「善」は、今まさに大小様々な「悪」に歩みを進めようとしている我々を踏みとどめるものであると期待できます。
無自覚な小さな悪を重ねるSNSユーザーは、自らの振る舞いがやがて取り返しのつかない悪になる可能性に気付くかも知れません。
もしかしたらもう後戻りできないことに気付き絶望するかも知れません。

「ラストワンマイル」が自分たちとその先に存在する命をつないでいて、その命を護るために思考し行動しよう、という学びを得る。
そんな作品になりそうな気がします。

善のまま生きるか。
悪に転げ落ちるか。
伊吹藍や三澄ミコト(石原さとみ)のように善のために行動する人物になれるか。
悪が広まらない社会を目指すための瀬戸際に立たされているように感じる昨今。
「悪のティッピングポイント」を回避するには我々一般人の言動に掛かっているのかも知れません。

ティッピング‐ポイント【tipping point】の解説
物事の分かれ目。特に、小さな変化が蓄積した結果、ある時点を境に劇的な変化を起こす現象についていう。分岐点。転換点。「地球温暖化の—」

出典:デジタル大辞泉(小学館)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?