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文章を感じ取る才能 「本が読めない32歳が初めて芥川龍之介を読む日」を読んで

オモコロにて「本が読めない32歳が初めて芥川龍之介を読む日」が公開されました。
前回の「本を読んだことがない32歳が初めて「走れメロス」を読む日」が2022年10月に公開され、このドキュメント記事を読みとても感動しました。
そして大笑いもしました。
その時のことを記事にしたのですが、今回の「芥川龍之介編」もとても考えさせられたため文章にして残したいと思いました。
出来れば「走れメロス編」も併せてお読みいただきたいのですが、「芥川龍之介編」だけでも十分学びが深いです。
今回は本が読めない32歳のみくのしん氏がかまど氏から読書の手引きをされながら『トロッコ』を読み、そして読書感想文を書くまでのドキュメント記事です。

「本が読めない32歳が初めて芥川龍之介を読む日」から感じたことを
・没入する能力
・わからなさに敏感
・かまど氏の重要性
の3点にまとめてみました。

■ 没入する能力

みくのしん氏が何度も指摘されているように、彼には読書の才能が備わっています。ものすごく備わっています。
読書嫌いだからと言って読書の才能が無いというわけではないのですね。
確かに映画監督の才能や100m走の才能など、誰にどんな才能が備わっているかは実際にやってみてもらうしかありません。
みくのしん氏には、一文一文を深く読み込む才能と、登場人物に自身を投影する才能があるように感じました。
8才の少年がトロッコに乗った時の表現である

つき当りの風景は、忽ち両側へ分かれるように、ずんずん目の前へ展開して来る。

という文章を大絶賛するみくのしん氏。
かまど氏はこの文章にみくのしん氏ほどの感動はしていなかったようです。
もちろん僕もかまど氏と一緒です。
オモロコのおかげで味わうことができました。

また少年たちが怒られそうになった時に小声になるなど、作品世界に没入していることが伝わってきます。
(この記事を読み笑いをこらえるのが大変でした)

■ わからなさに敏感

みくのしん氏はわからなさに過剰に敏感だと感じました。
わからない言葉をそのままにして読み進めることが出来ない性格のようです。
読書をしている人の多くは、単語の正確な意味を知らなくても、漢字の組み合わせや前後の文脈などから大体の意味を察知して先へ進むと思います。
ですが今回の「つま先上がり」のようにわからない言葉があるとわかるまで先に進めないようです。

みくのしん 「どういうこと? 意味を知らないのに気付かないの? なんで???」


このように、大体の意味でとどめておき先の文章を読み進めていく、という多くの読書家が行っているであろう読み方に対して理解ができないようです。
確かに読書中は文章全体を読んでいて正確な意味を知らない単語がひとつあっても、筆者が伝えようとしている事は伝わっている(と思い込める)ので「単語の意味が分からなかった」と立ち止まることがないです。
もちろん全然意味がわからない単語は調べますが、例えば「走早」という単語が出来てたら正確な意味がわからなくても「早く走ってるんだろうな」として読み進めるでしょう。
みくのしん氏の読書スピードとわからなさに敏感なことによりこのような気付きを与えてくれました。

■ かまど氏の重要性

この記事で外せないのがかまど氏です。
みくのしん氏のおもしろさ、すごさを一言で解説してくれる合いの手があるので、この記事はとてもおもしろく、そして学びが多いです。
みくのしん氏とかまど氏、どちらがより深く『トロッコ』を味わい尽くせているか、それは一目瞭然でしょう。
その代わり、かまど氏がいるからこそみくのしん氏が読書を楽しんでいると強く伝わってきます。

みくのしん 「そうやって「昔」と「今」を感じてたところに、最後の一行で「子ども時代」と「大人時代」がつながるような終わり方じゃん。だから、同じように「この本が書かれた時代」と「この本を読んでる俺の時代」もバチッとつながった感じがしたのかも」
かまど 「こんな奴が本嫌いなワケないだろ」


かまど氏の振る舞いから、人を読書好きにするために必要なことが学べるでしょう。
決して行動を否定しないこと。そしてほめまくること。
これは読書だけに限らず様々な場面で活用できます。
苦手意識を持つ人に対してのメンターになるためにも重要なポイントのはずです。

■ まとめ

読書はたしかにコツが必要かも知れませんが、何かを感じて表すことに経験値や習熟度なんか必要無いんだなと思わされました。
芸術にルールが無いように、読書をして感じる心にもルールなんか必要無かったんです。
没入」「疑問」「メンター
この内「メンター」は出会いの運があるため自分だけの力ではどうしようもないでしょうけど、「没入」と「疑問」は今からでもできます。
みくのしん氏から新たな読書の在り方を学びましょう。

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