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「こうのとりのゆりかご」を増やして欲しい  ~死が弱者に直撃する社会を変えよう~

 ・乳児遺棄事件のニュースを見て感じたこと
 ・現代の問題点が複合的に絡み合った結果、弱者の死へと収束されているように感じる
 ・母親のケアは早急な解決策は無いため、社会全体でひとつひとつ着実に取り組まなければならない
 ・乳児の保護には「こうのとりのゆりかご」など、保護施設の増設をお願いしたい

 今回の記事の要点としては以上の通りです。
 件数の比較をしたわけではないのですが、乳児を遺棄する事件が目立っているように感じます。出生率が低下し少子化が問題視される中こういった事件が続くため、より一層大きな社会的ダメージとして感じられるのかも知れません。

■ もう社会は子育てに適していない

 本質的な問題点は「社会システムがとっくに立ち行かなくなっている」ということです。
 わかりやすく単純化すると、一昔前でしたら地域で子どもを育てたり、近くに住む親族に子守りをお願いするなど、「子育て」というものが社会に組み込まれていました。
 現代は「ワンオペ育児」という言葉が示す通り、夫が社会に出てお金を稼ぎ、妻は外でお金を稼ぎ家の中では育児や家事を担う、という形態が増えています。
 社会全体で育てていた昔と比べ、現代は一人か二人だけで子育てをしている状態ですから、負担が大き過ぎるということが実感できるでしょう。

■ 弱者が死んでいくのに防衛とは

 また、性教育の失敗を認め、内容を見直し、より効果的で母子ともに救われるような社会システムの再構築が必要です。
 個人的には旧型の戦闘機や旧型のミサイルを買わされたり、海外に支援金を払い続けている現政権に否定的です。そのお金で多くの日本人が死なずに済んでいるはずです。防衛とはいったい何を指すのでしょうか。

■ 性教育=妊娠恐怖教育

 性教育に話を戻します。
 現在の性教育は、「妊娠恐怖教育」と言い換えることができるでしょう。
 避妊具の付け方を教えたり、若い内に妊娠してしまうことの恐怖をあおり、妊娠させないための教育となっています。
 これでは望まぬ妊娠をした時に社会から突き放されたと感じる女性がいてもおかしくないでしょう。

■ 性愛教育を

 「性」は妊娠しないためにどうするかという狭い範囲の内容ではありません。
 「性愛」と言われるように、人を愛する上で付随するものです。
 傷つけ合わずに済む性交渉を学んだり、相手の労わり方や、慈しむ方法などを学ぶことも大事でしょう。
 避妊具を付けて入れて出して終わり、ということではないのです。
 それなのに性教育と言っておきながら、避妊具を付けて入れて出すだけであるかのような浅い教育がいまだにはびこっているように感じられます。
(性教育を見直し、現代の生き方に則したことを教えようとしている人たちを支持いたします。性に対して造詣が深い方々を教師に招くなど、様々な取り組みを期待します)

■ 取り残される女性に焦点を当てる

 また、知識や知能の差が社会からつま弾きにされるリスクと直結するような社会も見直すべきです。
 出産後、頼るところを知らずに乳児のまま遺棄する、という悲しい現実があります。「自治体に頼れば良いのに」というもっともらしい意見は、「自治体に頼るという考えが出来ない女性」を見捨てているに等しいでしょう。
 また「妊娠させた男は何をやってるんだ」というもっともらしい意見も、「男性に頼る前提の女性」を温存させ、「複数人の性交により誰が父親かわからない女性」を見捨て、「男性に妊娠を告げられない女性」を見捨てる思考です。
 「男を罰せよ」の段階に踏みとどまっていては、いつまで経っても乳児は遺棄され、母親は社会から孤立し逮捕されるでしょう。
 (そもそも、妊娠発覚後に姿を消す男を厳罰化すると、ますます男は姿を現さないかも知れません。妊娠が発覚したら男女ともに褒賞を与えるようにすれば姿を消したり乳児遺棄は減少するかも知れません)

■ 「こうのとりのゆりかご」をまずは増やすところから

 都道府県すべてに「こうのとりのゆりかご」を設置する。これは早急に出来、失われる命を減らし、母親の負担も軽減する施策だと思います。
 子どもを家族で育てなければならないという社会通念や、子どもの人権や権利に対する倫理観などの議論は必要です。ですが議論し続けている間に乳児が遺棄され続けていきます。
 「こうのとりのゆりかご」全国設置による失敗や弊害、反対意見などはあとから精査していけばいい。今まさに我が子を棄てようとしている母親と、棄てられようとしている子どもを救うのが先決だと思います。

■ 幸せな社会を作り替える

 「性教育から性愛教育へ」
 「こうのとりのゆりかご増設」
 この2つは言わば「社会の仕組みを我々の手で作り替える」ということです。
 自分一人の手ではどうしようも出来ないことの方が多いでしょう。
 ですがこれらの取り組みをすでにしている人たちを応援したり、足を引っ張らないよう見守る、ということは出来るはず。
 具体的には、これらの取り組みをしている人に投票したり、これらの取り組みに非協力的な態度(または無視)をする人には絶対に投票しない、などです。 

■ 乳児を救うことすら出来ない社会をやめよう

 僕が言いたいことはすごく簡単です。
 「乳児を救うことすら出来ない社会を今すぐやめよう

 こうのとりのゆりかごを全国に設置し、どんな人でも乳児を保護して欲しい時に頼れる場があり、心理的な障壁が低くなる。このような風潮を作っていくだけでも女性の生きやすさは変わるでしょう。
 子どもを妊娠し、出産し、育児をし、社会から孤立する。これらをすべて女性に背負わせるのはあまりに酷です。その上「育てられないから遺棄して逮捕される」という人生の十字架を背負わせ、社会的制裁とともに実際に刑罰を与えるのは、あまりにも残酷ではないでしょうか。

 もちろん児童養護施設に対する印象を変えたり、間口を広げたり、手厚い支援を施すなども、女性の生きやすさが向上するでしょう。

 乳児が遺棄され悲しんで終わり、というような何も生み出さない反応はやめ、投票活動や空気感の払拭など、自分で出来るところから始めていきましょう。

■ 最後に

 最後までお読みいただきありがとうございました。
 ぜひみなさまのご意見やご指摘をお聞きしたいです。
 僕の意見が最適解などとは少しも思っていません。
 ただ、すぐに出来てすぐに効果が期待できるのはこれではないか、と思い付いたまま書き綴ってみました。

 すでに実際に行われている運動や、以前から改善されたものなどあるのだとは思いますが、不勉強のためわかりません。
 個人的には性教育の見直しにとても興味があります。
 AV監督やAV女優、AV男優、風俗嬢などを講師として性教育を教える場が広まれば良いな、と思っています。
 実際に性教育を変えようとしている方や、こうのとりのゆりかごを増やすためにご尽力いただいている方など、様々な方のご意見をお聞きしたいです。

 みんなで幸せな社会を作り上げていきましょう。

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