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「高校生によるまちづくり」にはもちろん裏がある

「変な会社」をやっているため、会社に地域の高校生が普通に居たりするようになり、飯田市産業経済部「高校生と地元企業とを『つなぐ事業』」のモデルにもなっています。

そんな彼らがいろいろと活動されていて、そんな活動の中でも最も関心を集めているものが「高校生によるまちづくり」です。

例えばこんな感じ。

一般的には高校生といえば、勉強しているか、部活をやっているか、ゲームをやっているか、たいがいそんな感じで、「まちづくり」はランキング上位には間違ってもはいってこないでしょうから、世間からして「まちづくり」をやってる高校生の存在は、注目を集めがちなエピソードといえるでしょう。

学校の授業などでのそれらはありますが、ここでは完全に自主的な活動のことを指しています。学校が終わったあとに誰に言われるでもなく自分たちで集まってきて「まちづくり」をやっている高校生たちがいるのです。

その舞台になっているのが「変な会社」である株式会社「週休いつか」が運営する多目的施設「裏山しいちゃん」であったり、ディ不動産の「桜咲造」であります。

このごろはこれらの施設に視察をいただくこともあり、「どうしたら高校生がこんなにまちづくりに積極的になるのでしょう」とお尋ねになる方、特に自治体関係者の方に多いのですが、このあたりのことを私なりにちょっと考えてみました。

彼らがどうして「まちづくり」をやっているのか

高校生による「まちづくり」活動といえば、学校や家庭での社会貢献に対する教育が行き届いた成果があげられます。これは社会教育の賜物で、これらは学校のボランティアクラブや生徒会活動などにも現れています。それから受験対策の側面もあるようです。推薦とか、最近では入試改革に伴うポートフォリオづくりとか。

しかし、「変な会社」に出入りしている彼らに関しては、そのような考えを感じたことがありません。そもそも彼らには「自分たちの活動=まちづくり」という考えを意識しているように見えません。

では一体、何が彼らの動機になっているのでしょうか。それは単純な話でして、単なる「やりたいこと」をやっているだけ。彼らは「やりたいこと」をやって、その内容が「まちづくり」にカテゴライズされたという、それだけのことだったりします。(・・・大した理由がなくて申し訳ない気持ちになります。)

「なーんだ」と思われるかもしれませんが、実はこの「やりたいことをやる」というのは、意外と難しかったりします。たとえば会社はどうでしょうか。組織に帰属していると個人の内発性よりも組織のそれが優先されていませんかね。

「変な会社」集う少し「変な存在」たち

株式会社「週休いつか」は人の「やりたい」にこだわりをもっていて、それが担保される会社は、働く人にとって幸せな会社だと思っています。また、人の内発性ほどその人のパフォーマンスを発揮するものはなく、高い生産性がもたらされることでしょう。

まあ、この発想自体、特別めずらしいものではありませんが、いざこれを実現しようと思うと大変難しいと思います。組織よりも個人の内発性を優先せざるをえないわけですから、その場合のマネジメントって一体???

という具合に少し「変な会社」なのです。ただ、今はまだ「変な会社」ですが、これが社会の常識になる日も来ると思っています。(それについてはまたの機会に考えを整理してみたいと思います。)

そういった「変な会社」集う人々もまた、少し「変な存在」かもしれません。「まちづくり」は社会課題の解決活動ともいえるわけですが、それらを「やりたい」と思える人々って不思議な人々。ましてや高校生ともなるといっそう不思議ですね。

ということから、この「変な会社」は「変な高校生」を集める装置であります。

さらに彼らの内発性をブーストさせる装置でもあります。ひとたびこの装置にはまれば、彼らの心の内から溢れる「やりたい」が火花を散らします。

抑圧される日々があればあるほど激しくスパークし、散らした火花が世間に彼らの存在を知らしめているのでしょう。

まちづくりに積極的な高校生が生まれる装置

「どうしたら高校生がこんなにまちづくりに積極的になるのでしょう」という問いへの答えをわたしなりに整理しますと、

・彼らにとって「まちづくり」は単純に「やりたいこと」である
・人の「やりたい」を是とする「変な会社」の存在がある
・それは「まちづくりをやりたい」という「変な高校生」が集まる装置
・また彼らの内発性をブーストする装置でもある

ということになりました。

まだまだ思考が足りませんが、現時点ではこのような到達点であります。このような装置(会社)をまちなかに出現させてみたら、面白いことが起こりました。「まちづくり」にこんなアプローチなどいかがでしょう。

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