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そば屋のラーメン。なぜか不思議となつかしい

中華そばを食べたくって、ひさしぶりに新宿御苑近くの「更科」にくる。

更科って店名だからそば屋さんです。
けれどここのラーメンがなつかし系の昭和の味。ラーメンと呼ぶより中華そばと言ったほうがしっくりくるような味わいで、たまに無性に食べたくなる。
ところが不思議なもので、土曜に限って中華そばが食べたい熱に発症する。なのにここは土曜、日曜、祝日定休。なかなかありつくことができずにいたわけです。
今日はここで中華そばを食べてやるんだ…、と起きたときから決心しそれでいそいそやってくる。
開店の5分前に到着し、表で待ってたら「どうぞどうぞ」と案内される。一階はまだ真っ暗で二階へどうぞと言われてはじめて階段あがる。2階は広くて明るくて電気もついてて準備万端。テーブルの上には水が入ったピッチャーまでもが置かれていました。

セットが全部で3種類。もりとミニカレー、たぬきにミニカレー、それに「中華とミニカレー」。迷わず「それ」とお願いします。

テーブルの上には七味のほかに胡椒が置かれていることに、ラーメン人気を感じたりする。
ブーンとモーターの唸りが配膳室から聞こえてきます。
ダムウェーターで料理が下から上がってきたのでしょう…、料理が届く。

カレー用のスプーンにクルンと紙ナプキンが巻かれているのステキです。

ラーメンスープの匂いがおいしい。
動物系の匂いがかなり力強くてそこに醤油の香りも混じる。
分厚いチャーシュー、ほうれん草にめんまにネギと丼の顔はシンプルにして潔い。
胡椒をパッパとほどこして、カレーの方には醤油をたらり。

垂らした醤油が混ざらず、沈まず。つまりそれだけ濃度があって油分多めという証拠。ラーメンスープの上にも油がキラキラ浮かび、しかも炭水化物祭りです。今日は体のことを棚上げにして、食べたいものを心置きなく食べる昼にする。

ヌルンと麺が口の中へとやってくる。歯応えザックリ、喉越しなめらか。しっかりとしたスープの旨味と一緒にお腹が満ちていく。

子供の頃、外食といえばそばかうどんでラーメンを食べる習慣はうちにはなかった。だからラーメンは大人になった東京で出会った料理。40年近く前かなぁ…、当時のラーメンはみんなこういう味だった。どちらかといえば屋台のラーメンみたいな感じで、なつかしい。
カレーは家のカレー的です。出汁が効いててとろみがあって、具材はほとんど溶けている。福神漬けがパリパリ、まるで具材のようにふるまっておそらくベースのスープがラーメンと同じなんでしょう…、一緒に食べると一層おいしい。
ズルズルスルスル、ハフハフゴクリ。お腹も気持ちも満ちました。


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