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ここから新しい歴史がはじまっていくんだネ

惜しまれながら閉店してしまった有楽町の「はまの屋パーラー」。
ビルの建て替えが理由だからかなしんでもしょうがないこと。新しいお店が日本橋にできたというのでやってきてみた。

来ようかどうかかなり迷った。
お店の名前は同じでも場所が変わればまるで別物。場所に染みついた思い出なしの新たなお店をどう受け入れればいいものか…。
とはいえ経験しないことにはずっとモヤモヤしてしまう。それできてみた。
三越新館の向かい側。路地を入って地下の店。
「はまの屋パーラー日本橋本店」と看板がかかっていました。

なるほどこれからここが本店になり、新たな歴史を刻むんだなぁ…、としみじみ思った。
思ったよりも小さな店です。テーブルや椅子。カウンターや柱の意匠、壁紙、そして飾られた額。どれもが昔のお店のように設えられてて、歴史をつなごうって気持ちが伝わる。お店の人も昔と変わらず。ホッとする。

メニューも変わらず。
若干、値段が日本橋価格になった。
朝食セット、780円。

たまごサンドゥイッチを焼いてもらってコーヒー選ぶ。
厨房と客席が離れているから、卵を焼いたりパンをトーストしたりという気配や匂いがしてこないのがいささか残念。
待ち時間も長く感じる。しょうがない。

ただやってきたサンドゥイッチの出来栄えのすばらしいこと。
卵の状態もトーストの焼き加減も見事で、特に焦げる寸前まで焼かれたトーストがボクの好みでニッコリします。
カサカサ前歯をくすぐるようにパンが歯切れて、焦げた小麦の香りが鼻から抜けていく。そしてちらかり卵と混じる。

卵はふっくら、レタスの葉っぱに芥子マヨネーズの具合もほどよい。ボクの好みを知って作った?って思えるほどのオキニイリ。

ほんの少々酸っぱいコーヒー。ミルクを注ぐと一瞬チリっとミルクがかたまりちりめん模様が浮かんで消える。昭和喫茶の典型的な味のコーヒー。
これがこれからずっと途切れずたのしめる…、と思えば感謝しなくちゃいけない。

イーグルスの「ホテルカリフォルニア」が流れてきました。ドンヘンリーの声が泣いてる。「Wasted Time」までのんびりしたら帰りましょう。


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