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食べるとお腹がスッキリするの!

お腹がどうもスッキリしない。おいしいスープで景気づけをと神保町に蘭州拉麺を食べに来る。
お店の名前は「馬子禄牛肉面」。

マーズルーニューローミェンと読む、100年以上の歴史をもったお店の日本進出一号店。
2017年の夏に開業。つまり5年前のコト。それからずっと人気を保ち、今やランチどきにはいつも行列ができるほどに定着をした。
行列ラーメンのほとんどがカウンターだけの小さなお店で提供時間もたっぷりかけて、結果、実力以上の行列ができてしまうというからくり。
ところがここは45席の大型店。商品提供もあっという間で回転早く、にもかかわらず行列ができてしまうという、つまり本当の実力派。

蘭州といえば黄河沿いの内陸の都市。隣はモンゴル、西域というシルクロードの要の地域。イスラム教徒が多くもあって、厨房の中のスタッフは白いイスラム風の帽子をみんなかぶってる。

店頭に立てられた看板の上にハラル認定の張り紙がある。

イスラム教徒が多い地域ならではで、豚肉由来の食材は一切使っていないということ。またそれだけじゃなく食材間で汚染がおこらぬように徹底的な管理をしているという証。気合の入った本物です。
メニューはとてもシンプルで「牛肉面」の一種類。トッピングやサイドメニューがいくつかあって、特徴的なのが麺の種類が豊富なこと。

細いの太いの、幅広いのや形の変わったものまで全部で9種類。
どれも注文が入って手延で作っていくのがまた独特。
チャオマイレン。
三角麺を選んでたのむ。

透き通ったスープの上に真っ赤なラー油。

刻んだネギとパクチーがたっぷり浮かんで湯気と一緒にやってくる。
薄切りにした茹でた牛肉、スープで煮込んだいちょう切りの大根が具材であとは三角麺。

太くて軽くよじれた麺で、断面が三角形かというとそのようにも見え、そうでなさそうでもありという不思議な形。ただ角張っていて表面に細かな凸凹がある。
この凸凹がスープをしっかりからめて口の中へとやってくる。歯ごたえかなり頑丈で粘ることなくずっと口の中でザクザク歯切れてこわれる。食感とても心地よい。

独特の形ゆえに歯切れる角度で太くもあり、細くもあり、角張ってありなめらかでもあると変化に飛んだ噛み心地。口の中が騒々しくなるオゴチソウ。
そしてなによりスープがおいしい。

八角、五香、胡椒にクミンとスパイスさまざま。薬膳的な香りに味わい。スープ自体のうま味が強く、けれどラー油の辛味や痺れが後口すっきりしてくれる。

食べ続けると麺が膨れて角が若干とれてくる。同時にスープの味がしみこみ、スープが麺の形を借りて口の中を満たしている…、って感じるステキ。
シンプルなのに複雑で、眠った細胞を目覚ますような鮮やかな味。しばらくしたらまた食べたくなるに違いなく、おそるべきかな中華的なる味の世界にウットリします。オキニイリ。


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