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どの花もそれぞれの願いがあって咲く

どの花もそれぞれの願いがあって咲く。

タナカくんに教えてもらった言葉です。
大佛次郎の残した言葉で、伊丹十三が晩年、この言葉をことあるごとに色紙に書いてたので有名なんだって。

いい言葉だよねぇ…、含蓄がある。
いろんなふうに解釈できてこの言葉を読んで、どういうふうに感じるかでその時々の気持ちがわかるような気がするんだ…、って言っていた。

どんな花にも願いがある。
だから一つひとつの願いに耳を傾けなくちゃいけないんだ。
そう捉えることができるでしょう。

この言葉を教えてもらったときに「ところでどんな願いがあるの?」ってタナカくんに聞いたことがある。


タナカくんの小さな願い

長生きしたいわけじゃない。
多分、60までもは生きられないんじゃないかなぁ…、歳をとってしまった自分のことがまるでイメージできないから。
それより毎日おだやかに、自分のしたいことをしてそのかたわらにパパとテツがいてくれればいいって思うよ。

それが彼の答えだった。
パパはボク、テツは飼ってたフェレットのこと。
欲がないようにみえて、実は一番贅沢な願いだよネって言ったら、えへへと笑ってた。
もっと生きていたいって思えるようにボクは一生懸命頑張るよ…、ってそのとき答えた。
50ちょっと手前頃からしたいことが見つからないんだ…、ってイライラすることが多くなり、しばらく趣味の世界に戯れ50半ばで浮世絵の世界に発露を見出して、頑張りはじめていたけど逝った。
56のときだったから、願い通りに60前に逝っちゃったんだねって思おうとするもやっぱり切なくくってしょうがない。

そういえば4代続けて飼ったフェレットもやりたいことをなくしてからは飼わなくなった。
何か思うところがあったのかなぁ…、って今となってはわからない。

トップ画像はアセビのお花。
タナカくんの誕生、3月9日の誕生花。

願いがあるから花は咲く?

願いがあって咲くのなら、願いがなければ咲かないのかなぁ…。

そうポツリと言ったことがある。

どんな花も願いがあってこそ咲く。

そういうふうにとらえはじめたのかなぁ…、と思って心配した。
心配したけどやりたいことは自分で探すべきことで、やりたいことをやり続けるには認めてもらうことが必要。
ボクひとりの評価では足りないよなぁって思うも、ふたり揃って心配モードに入ると先が見えなくなる。
明るく勇気づけるしかなかった。
もしかしたらなにかできることがあったのかなぁ…、って今でもすごく悔やまれる。

タナカくんと付き合うようになって7年近く経った頃。
「世界に一つだけの花」がヒットした。
タナカくんは槙原くんと仲が良かった。

そして思い出

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