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ベシャメルソースにデミソース

今日のランチはごちそうにしようとそれで「西櫻亭」。

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伊勢丹の中の洋食店。はじめて来た時はピンと来なかった。以前、同じ場所にあった「香味屋」のイメージがあまりに強くほとんど同じメニューでやっていたことも手伝って、どこか偽物っぽく感じてた。

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けれど来店を重ねるごとにその実力を素直に感じることができるようになり、今ではかなりのオキニイリ。

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桜色したテーブルクロス。ナイフ、フォークにスプーンがナイフレストを枕に並ぶ。ウスターソースにタバスコ、芥子も並ぶところがいかにも上等な洋食屋さん的。

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ここのガーデンサラダがおいしい。今日もそれにしようとメニューをみたらなんと野菜の「エチュベ」があった。無水で蒸し焼きにした野菜をコンソメスープで味わう趣向。それにした。

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野菜を並べた深皿がテーブルの上に置かれた瞬間、土の匂いが湧き上がる。
黒人参に茄子にパプリカ、トマトにエディブルフラワーと色とりどりの野菜が並び、おそらく焦げた黒人参の皮の香りが土の香りに似ていたのでしょう。力強さにお腹の入り口がパカッと開く。
そこにコンソメが注がれる。

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すると土の香りが華やかなコンソメの香りをまとってふくよかになる。「素材が料理」に変わる瞬間。つまり料理が完成する瞬間に立ちあえるというなんたるシアワセ。お腹もなります。
料理の説明が「瞬間蒸し」とあっておそらく加熱されたのがあまりに瞬間。それで野菜が調理されていることを意識しないでお皿の中にいるのでしょうネ…、野菜ひとつひとつの持ち味がそのまま口に入ってくる。

黒人参の歯ごたえたくましく甘いコト。
カリフラワーはコリっと砕けて口の中で房が散らかる。
ふっくらとした茄子にしっとりとろけるパプリカ。
コンソメもおいしいのだけれど野菜ってこんなにおいしいモノだったんだ…、と大声で触れてまわりたくなるようなおいしさ。
ウットリします。

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そしてメインが二皿到着。
メンチカツとエビのマカロニグラタン。
今日はどうにもこうにもデミグラスソースとベシャメルソースの両方を味わい比べしたかった。
どちらも洋食店の実力を示す花形ソースでその両方を心置きなく食べるためのこの組み合わせ。メンチカツは一人前が2個のところ1個だけでと注文したら、付け合せの野菜はそのまま。得した感じ。

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メッシュの細かい牛ひき肉をラグビーボール状にまとめて細かなパン粉をぎっしりまとわす。ナイフで切ると透き通った肉汁がゆっくり表面に浮き出してくる。風味豊かで酸味おいしいデミグラスソースをまとわせ口に運ぶとカサリ。次の瞬間ふわりととろける。おゴチソウ。

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なめらかなベシャメルソースにやわらかなマカロニ。エビの風味も濃厚で最小限のベシャメルソースで和え、焼かれてる。

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だから最後までフォーク一本で味わえて、なのに舌の上ではあたかもすべてがベシャメルソースのようにふるまうなめらかさ。

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メンチカツのサイドのローストポテトをグラタンに入れデミグラスソースと一緒に食べる。じゃがいものなめらかさがグラタン自体のなめらかを引き立て体がとろけるごちそう。何よりグラタン、ドリアにつきもののマッシュルームが入ってなかったことにおそらく彼も喜んだろう…、とニッコリしました。また来よう。


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